2021-2022シーズンのドイツ・ブンデスリーガは、10連覇を目指すバイエルンを筆頭に、ドルトムントやライプツィヒらによる熾烈な優勝争いに注目が集まるが、新シーズンは8名の日本人選手がドイツの舞台でプレーすることも見どころの一つだろう。
今回はブンデスリーガ所属全18チームの見どころガイドを一挙紹介する。
Goal2021-2022シーズンのドイツ・ブンデスリーガは、10連覇を目指すバイエルンを筆頭に、ドルトムントやライプツィヒらによる熾烈な優勝争いに注目が集まるが、新シーズンは8名の日本人選手がドイツの舞台でプレーすることも見どころの一つだろう。
今回はブンデスリーガ所属全18チームの見どころガイドを一挙紹介する。
Getty Imagesブンデスリーガ9連覇中の絶対王者バイエルン。元RBライプツィヒの指揮官ユリアン・ナーゲルスマンを招聘してリーグ10連覇を目指す同クラブには、昨季41ゴールとシーズン得点記録を更新したロベルト・レヴァンドフスキ、守護神マヌエル・ノイアー、ヨシュア・キミッヒらが健在だ。
ダヴィド・アラバこそ退団してしまったが、代役に新指揮官の教え子であるダヨチャンクレ・ウパメカーノを獲得。主力の大半がEURO2020に出場したためコンディション面での不安材料はあるが、優勝候補の大本命として2021-22シーズン開幕を迎える。
Getty Images昨季はティモ・ヴェルナーという大黒柱を失いながらも常に上位争いを繰り広げてきたライプツィヒ。しかし、今夏には指揮官ユリアン・ナーゲルスマンがリーグのライバルであるバイエルンに引き抜かれ、元ザルツブルクのジェシー・マーシュが新たに指揮を執ることが決まった。
ユスフ・ポウルセンの11ゴールがチーム最多と絶対的なエースが不在だった攻撃陣には、フランクフルトでゴールを量産したアンドレ・シウバが加入した。一方で、守備陣の要だったダヨチャンクレ・ウパメカーノ、若手センターバックのイブラヒマ・コナテがチームから去っており、モハメド・シマカンら新戦力への期待は大きい。
Getty Imagesバイエルン・ミュンヘンのブンデスリーガ10連覇を阻む急先鋒と考えられるのがドルトムントだろう。
昨季は急降下し、指揮官交代に踏み切るドタバタ劇があった同クラブは、10年ぶりのリーグ優勝に向けて元ボルシアMG指揮官のマルコ・ローゼを新監督に招聘した。
昨季の公式戦41ゴールをマークして絶対エースに成長するアーリング・ハーランド、ベテランのマルコ・ロイスといったタレントが揃い、マンチェスター・ユナイテッドに移籍したジェイドン・サンチョの代役にオランダ代表FWドニエル・マレンを獲得するなど、攻撃陣の戦力は整う。しかし、昨季リーグ戦46失点を喫した守備陣のテコ入れがブンデスリーガ奪還を目指す上で急務だ。
Getty Images昨季のブンデスリーガでサプライズを起こしたクラブと言えばヴォルフスブルク。ケヴィン・デ・ブライネを擁した2014-15シーズン以来6季ぶりのトップ4フィニッシュを果たし、チャンピオンズリーグ出場権を獲得した。
今夏にはU-21ドイツ代表ルーカス・ヌメチャをマンチェスター・シティから獲得し、リーグ戦20ゴールのヴァウト・ヴェグホストとともに攻撃陣の陣容は整いつつある。ヨーロッパカップ戦との並行した過密日程が待つ中、昨季リーグ2位の堅固さを誇った守備陣と攻撃陣が噛み合い、新シーズンでのさらなる躍進を見据える。
Getty Images昨季は終盤に失速してチャンピオンズリーグ出場圏内のトップ4こそ逃したものの、1993-94シーズン以来となるリーグ5位と大躍進を遂げた。
その中心として活躍したアンドレ・シウバはRBライプツィヒに移籍してしまい戦力ダウンが危惧される中、昨季に5ゴール15アシストを記録した鎌田大地の活躍に期待が掛かる。また、ヨーロッパリーグに出場することからも、リーグ最年長37歳のベテランMF長谷部誠にも昨季以上の出番が訪れることが予想される。
昨季のヴォルフスブルクの躍進を支えた指揮官オリヴァー・グラスナーの下、29年ぶりのトップ4フィニッシュを果たせるのだろうか。
Getty Images昨季は一時首位を走るもその後は負けが込んで最終的には6位とチャンピオンズリーグ出場権を逃す不本意なシーズンを送ったレヴァークーゼン。ピーター・ボスをシーズン途中で解任し、今夏には元ヤング・ボーイズのジェラルド・セオアネを招聘した。
戦力面ではレオン・バイリーをアストン・ヴィラに売却したが、EURO2020で大活躍のチェコ代表FWパトリック・シック、20歳のムサ・ディアビ、リーグ戦11ゴールのルーカス・アラリオと攻撃陣の主力は健在。さらに、昨季安定した守備陣には、20歳のコートジボワール代表DFオリオン・コスヌを迎え入れるなど、新シーズンの巻き返しに向けて準備は整った。
Getty Images一昨シーズン前に初めてブンデスリーガ昇格を果たしたウニオン・ベルリンは、昨季は7位と大躍進し、ヨーロッパカップ戦の出場権を獲得した。
その原動力として活躍したのが、U-24ドイツ代表のオーバーエイジとして東京五輪に参戦したマックス・クルーゼ。リーグ戦11ゴールをマークした33歳のストライカーは今季も健在で、新戦力の元リヴァプールFWタイウォ・アウォニイへの期待も集まる。また、新設されたヨーロッパカンファレンスリーグにも出場するため、3季ぶりにブンデスリーガの舞台に立つ原口元気や、昨季からプレーする遠藤渓太といった日本人選手の出番は増えそうだ。
Getty Images2季連続のトップ4フィニッシュを目指した昨シーズンのボルシアMGだが、チャンピオンズリーグベスト16進出による過密日程もあり、シーズンを通して低迷。最終的にヨーロッパカップ戦出場圏の7位には届かなかった。
今夏には指揮官マルコ・ローゼがドルトムントに渡ったため、元フランクフルトのアディ・ヒュッターが新シーズンから指揮を執ることが決まった。昨季14ゴール10アシストの主将ラース・シュティンドルに加え、マルクス・テュラム、アラサヌ・プレア、ブレール・エンボロと攻撃陣にタレントは揃う。フランクフルトを昨季5位に導いた新指揮官の下、今季の巻き返しを図りたい。
Getty Images2部から昇格した昨季、シュトゥットガルトはシーズンのほとんどを中位で過ごし、昇格組としては上出来のトップハーフフィニッシュを飾った。
そんなチームの中でひと際注目を集めたのが日本代表MF遠藤航。ブンデスリーガのデュエル王にも輝くなどボランチで活躍した同選手は、新シーズンより新キャプテンに任命され、大きな期待を寄せられている。守護神グレゴール・コーベルの退団は痛手だが、新GKフロリアン・ミュラーや昨季通算17ゴールを挙げたサーシャ・カライジッチの活躍に期待が掛かる。
Getty Images2018年のブンデスリーガ昇格以降、5シーズンにわたり安定した戦いを続けるフライブルク。
2011年から指揮を執るクリスティアン・シュトライヒの戦術が浸透するチームで、昨季9ゴール10アシストのヴィンチェンツォ・グリフォや新戦力だったエルメディン・デミロヴィッチら活躍した選手たちが今季もチームの中心としてプレーすることが予想される。5シーズン前の7位を上回る順位を目指して今シーズンを迎える。
Getty Images昨季は2015-16シーズン以来となるボトムハーフに沈んだホッフェンハイム。それでもRBライプツィヒやバイエルン・ミュンヘンのユースチームなどで経験を積んだ指揮官セバスティアン・ヘーネスが今季も続投する。
昨季リーグ戦20ゴールのアンドレイ・クラマリッチ、20歳の司令塔クリストフ・バウムガルトナーをはじめ主力のほとんどが残留する見込みで、さらに降格したシャルケからドイツ代表として29キャップを誇るセバスティアン・ルディが加入するなど、2017-18シーズンの3位以来となる上位フィニッシュを見据え、着実に戦力アップを進めている。
Getty Images開幕から6連敗を喫して一時は最下位、さらに終盤まで自動降格圏に位置するなど苦しんだマインツだが、ラスト11試合で6勝4分け1敗と調子を上げて12位フィニッシュを飾った。
2年半でリーグ戦24ゴールを挙げたジャン=フィリップ・マテタが今冬からクリスタル・パレスに移籍し、ロビン・クアイソンも今夏に退団と戦力ダウンは否めない。それでも、リーグ戦32試合に出場したジェリー・シン・ジュステ、ムサ・ニアカテのセンターバックコンビは健在。シーズン途中から指揮を執ったボー・スヴェンソンの下、昨季の勢いそのままに上位進出を目標に掲げる。
Getty Images2011年の昇格から10シーズンをブンデスリーガで戦うアウクスブルク。しかし、2013-14シーズンから2季連続でトップハーフ入りを果たして以降は10位以下に沈んでおり、昨季も開幕2戦を除けば連勝すらなく、終始中位での戦いを続けていた。
それでもドルトムントから金星を挙げるなど随所で輝きを放ったマルクス・ヴァインツィール率いる同チームには、昨季8ゴールのアンドレ・ハーンや11ゴールに関与したダニエル・カリジューリといった主力が残留。ドイツのトップリーグ11シーズン目となる今季に久しぶりのトップハーフ入りを果たせるのだろうか。
Getty Images自動降格圏まで勝ち点4差、プレーオフ圏16位までわずかに勝ち点2差の14位で昨季を終えたヘルタ・ベルリン。シーズン途中から指揮するパル・ダールダイの下、立て直しに成功して3月からの残り11試合で4勝6分け2敗の好成績により難を逃れた。
2010年代より低迷の続く同クラブは今夏、ケヴィン=プリンス・ボアテング、ステヴァン・ヨヴェティッチと経験豊富なベテラン選手を獲得し、既存のクシシュトフ・ピョンテクやブラジル五輪代表マテウス・クーニャといった選手たちとともに今季の躍進を見据える。
Getty Images昨季に11年ぶりにブンデスリーガ復帰を果たしたアルミニア・ビーレフェルト。久しぶりの1部での戦いでは、序盤から大きく躓いた同クラブはシーズン終盤まで降格圏に沈むものの、PSVからローン移籍した日本代表MF堂安律の5ゴールの活躍などにより、終盤に勝ち点を稼いで15位で昇格1年目を終えた。
堂安はPSVに帰還することが決まったが、一方で日本人MF奥川雅也の完全移籍が発表された。昇格に導いたウーヴェ・ノイハウスの後任としてチームを残留に導いたフランク・クラマーとともにブンデスリーガ2季目を迎える。
Getty Images昇格した一昨シーズン前は14位に食い込んだケルンだが、昨季は低迷。リーグワースト2位と守備陣が不調に陥りながらも、勝ち点2差でブレーメンを上回り、入れ替え戦に進んだ。そして2部3位のキールに2試合合計5-2で勝利して残留を確定させた。
シーズンの大部分で守備の要としてプレーしたセバスティアン・ボルナウはヴォルフスブルクに移籍したが、攻撃陣を牽引したオンドレイ・ドゥダは残留。さらに、シャルケからドイツ代表経験のあるマルク・ウートを獲得した。昨季途中から就任したステッフェン・バウムガルトの下、2度のリーグ王者に輝いた古豪は今季の巻き返しを誓う。
Getty Images昨季のブンデスリーガ2王者で、12年ぶりの1部昇格を決めたボーフム。序盤から安定した戦いを続け、DFBポカールでもマインツ相手に勝利を手にするなど充実のシーズンを送った。
しかし今夏、チーム得点王ロベルト・ジュリがUAEに渡ってしまう。そんな戦力ダウンが免れないトーマス・レイス率いるチームだが、セルビアのパルチザンと契約解除した日本代表FW浅野琢磨を獲得。昨季途中までで二桁ゴールをマークした日本代表FWは3季ぶりとなるブンデスリーガの舞台で、元エースに代わる活躍を見せ、クラブのノルマであるリーグ残留に導けるのだろうか。
Getty ImagesDFBポカールで1部ホッフェンハイムに勝利する金星を挙げたグロイター・フュルトは昨季、ボーフムにブンデスリーガ2優勝を譲ったものの、勝ち点3差で自動昇格権の2位を確保。8年間の2部生活を経て2012-13シーズン以来の昇格となった。
2部最多得点の攻撃陣を牽引した16ゴールのブラニミル・フルゴタ、11ゴールのホーバル・ニールセンはステファン・ライトル率いるチームの武器で、1部チームの脅威になることは間違いなさそうだ。9年前、1部での戦いはわずか1シーズンで終わったが、今季は残留を勝ち取れるのだろうか。