Bayern Munich contract chaos GFXGetty/GOAL

契約の混乱に立ち向かうバイエルン、キミッヒやデイヴィスらの将来は…

バイエルンは今、恐ろしい不安に立ち向かっている。

恐ろしいことに、バイエルン・ミュンヘンは7人の主力選手が今夏にフリーエージェントとなる予定であり、さらにジャマル・ムシアラの契約期間が残り18カ月なのだ。バイエルンは過去にも大きな痛手を被ったことがある。ミヒャエル・バラック、ニクラス・ジューレ、ダヴィド・アラバは、過去にそれぞれのタイミングでバイエルンを無料で退団したことで悪名高い。だが、2025年の夏はクラブにとって本当に壊滅的なものになる可能性がある。

では、なぜ、このような事態になってしまったのか? そして、バイエルンは、最も重要な選手たちに契約延長を納得させるチャンスがあるのだろうか? GOALがすべてを分析する。

  • FC Bayern München v Bayer 04 Leverkusen - DFB Cup: Round of 16Getty Images Sport

    マヌエル・ノイアー(およびスヴェン・ウルライヒ)

    バイエルンはマヌエル・ノイアーのいない未来を計画しているのか? そう、確かにそう見える。アレクサンダー・ニューベルは現在、レンタル移籍先のシュトゥットガルトで素晴らしい活躍を見せている。一方、バイエルンのスポーツ・ディレクターであるマックス・エベールは、今月中にケルンからヨナス・ウルビヒが加入するという報道を否定していない。

    だが、現状では、ノイアーと、長年ノイアーの控えを務めてきたスヴェン・ウルライヒの2人とも、もう1シーズン、アリアンツ・アリーナに留まることが期待されている。2023年11月、2人は同じ日に契約延長にサインした。今後数週間のうちに同じことが起こっても驚くべきことではない。

    「現時点でまだ正式な発表はない」とノイアーは言った。「その時が来れば、しかるべきニュースが聞こえてくるだろう。ただ、それは間なくとだけ言っておく」。

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  • VfL Bochum 1848 v FC Bayern München - BundesligaGetty Images Sport

    エリック・ダイアー

    2024年1月の移籍市場でバイエルンがエリック・ダイアーと契約した時、彼がスパーズで苦戦したことを知っている多くの人々は驚いた。

    しかし、元イングランド代表のダイアーは、チームにとって非常に有益な戦力であることを証明した。昨シーズンの後半20試合に出場し、ヴァンサン・コンパニ新監督の下では出場時間が大幅に減少したものの、冬休みを挟んで先発メンバー入りを果たし、バイエルンがボルシア・メンヒェングラートバッハ戦とホッフェンハイム戦の2試合連続でクリーンシート(無失点試合)を達成するのに貢献したことで、コンパニ監督の信頼を勝ちとった。

    「エリックは経験豊富な選手で、こういう時に何をすべきかを知っている」と、コンパニ監督は興奮気味に語った。「エリックのような選手は、性格が良く、常にチームを優先する」。

    ホッフェンハイムに5-0で勝った後には、同じことをエベールも言っていた。「エリックは必要な時にいつでもそこにいてくれる。ロッカールームにいてくれれば心強い存在だ」。

    しかし、エベールは、ダイアー本人や代理人と新契約についての話し合ったことはまだ一度もなく、おそらく今後も行われることはないだろうと認めた。31歳のダイアーは今夏の退団がほぼ確実視されている。

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    トーマス・ミュラー

    トーマス・ミュラーは正真正銘、バイエルン・ミュンヘンのレジェンドである。プロとしてのキャリアのすべてをこのクラブで過ごし、獲得できるタイトルはすべて獲得してきた。それゆえ、次に何をすべきかを決める権利を得ていると言っても過言ではない。そして、まさに今、彼はその立場にある。

    バイエルンにとって、ミュラーの将来は彼自身にかかっている。彼が望めば、1年間の契約延長も可能だ。監督就任の可能性も噂されている。現状では、ミュラーがアリアンツ・アレーナで引退しない方が驚きだろう。しかし、ミュラーに関する計画が明らかになるのは、3月か4月にバイエルンの幹部と今後のことを話し合うまで待たなければならない。

    「トーマスとの話し合いは、間違いなく非常に短いものになるだろう」と、エベールは語った。「長時間の交渉にはなならい。単に『さて、まだ続けたいかい、それともやめるか?』という質問をするだけだ」。

    「トーマスはバイエルンにとって象徴的な存在であり、今後もそうあり続けるだろう。彼はこのクラブですべてを経験しており、我々にとって非常に重要な存在だ」

  • FC Bayern München v TSG 1899 Hoffenheim - BundesligaGetty Images Sport

    レロイ・サネ

    2020年の夏、バイエルン・ミュンヘンは、レロイ・サネの獲得に際し、マンチェスター・シティに当初4,500万ユーロ(約72億円)を支払うことで合意した。 サネは疑いなく、チームの中心となるべき才能の持ち主であった。

    しかし、過去4年半の間に、ペップ・グアルディオラがサネの移籍を容認した理由が明らかになった。サネは、エティハドで大きなフラストレーションの原因となっていたのと同じ、安定感のなさに悩まされ続けている。それこそが、サネが史上最高額でバイエルンを退団し、フリーで移籍する理由となるだろう。

    しかし、サネは残留を強く希望しており、事実、減俸を受け入れる用意があるとも報じられている。 また、29歳のこのウイングは、直近のブンデスリーガ4試合で4得点を挙げている一方で、それ以前の9試合では1得点しか決めていなかったことを踏まえると、まだ何も決まっていないとはいえ、クラブ側に残留の価値があることを納得させるために全力を尽くしていることも注目に値する。

    移籍金なしで獲得できるとなれば、サネには今すぐにでもオファーが殺到するだろうが、シーズン後半もこの好調を維持できれば、彼が切望する契約延長が実現する可能性は高い。

    「我々はレロイにバイエルンでの将来がないなどとは一度も言っていない」と、エベールはホッフェンハイム戦でサネが2得点した後、言った。「我々は、彼が何ができるかを知っている。レロイは素晴らしい才能を持っている。今夜のようにそれを発揮できるのであれば、もちろんバイエルンが再契約を検討する選手であることは間違いない」。

  • FC Bayern München v RB Leipzig - BundesligaGetty Images Sport

    ヨズア・キミッヒ

    契約交渉では、しばしば金銭が中心となるが、ヨズア・キミッヒの場合はそうではない。確かに、ドイツ代表のキミッヒは、自身の価値を十分に認識しており、ヨーロッパのトップチームであれば、フリー移籍で獲得できる世界屈指のサッカー選手を獲得できるチャンスを逃すはずがないことも理解している。

    しかし、代理人すらいないキミッヒにとって、契約交渉とは、自身の強い交渉力を利用してバイエルンに有利な契約更新を迫るというものではなく、チームの野心の大きさを測るものなのだ。

    他の選手たちと同じくキミッヒも、当然ながら来季のコンパニ監督のチームがどれほど強力になるかについて、強い関心を持ってアリアンツ・アリーナの契約状況を見守っている。バイエルンが優勝争いに挑むことが分からなければ、キミッヒは残りの全盛期をこのクラブに捧げることはないだろう。そして、バイエルンはそれで構わないと考えている。

    「もしヨズアが、我々との関係や今後の計画について尋ねてこなかったら、そんな選手を欲しいとは思わない」と、エベールは指摘した。「誰だって、クラブに共感する選手を欲しがるものだ」。

    キミッヒは間違いなくバイエルンとの強い絆を持っているが、リヴァプールやバルセロナといったクラブがこの多才なMFに関心を示しているため、その将来は依然として不透明なままである。

  • FBL-GER-BUNDESLIGA-BAYERN MUNICH-LEIPZIGAFP

    アルフォンソ・デイヴィス

    キミッヒの残留よりも、デイヴィスを引き留めることの方がバイエルンにとってさらに重要であると主張する人もいるだろう。 デイヴィスはまだ24歳であり、おそらくはサッカー界で最もエキサイティングで価値のある左サイドバックをフリーで失うことは痛手となるだろう。

    それでも、バイエルンがデイヴィスと合意に達する可能性はそれほど高くないように見える一方で、少なくとも6カ月前よりは、レアル・マドリーから遠ざかっているように見える。当時、このカナダ代表選手はサンティアゴ・ベルナベウへの移籍が決定したかのようにみられていたが、つい先月、レアル・マドリーが今シーズン終了時にデイヴィスを獲得できる望みを失いつつあるという報道がなされた。

    しかし、どちらに転ぶかはまだわからない。確かなのは、バイエルンがデイヴィスに残留するよう全力で説得しているということだ。最新の報道によると、デイヴィスにはハリー・ケインに次ぐ高額の年俸を提示するつもりらしい。

    「誰もが、我々がシーズン後半戦に成功するかどうかに興味を持っている」と、エベールは語った。「我々は、すべての関係者が満足できるように努めている」

  • Borussia Dortmund v FC Bayern München - BundesligaGetty Images Sport

    ジャマル・ムシアラ

    このリストの他の選手たちとは異なり、ジャマルの契約は2026年まで残っているが、彼の状況は他の選手と同様、いや、それ以上にメディアの注目を集めている。その理由は、彼が21歳で、バイエルンで最も期待されている選手であり、ミュラーのようにクラブの象徴となる可能性を秘めたスーパースター候補だからだ。

    また、マンチェスター・シティをはじめとする多くのクラブが、今夏ムシアラ獲得のオファーを出して、このドイツ代表選手の移籍に関してまだ何も決まっていないことを活用しようと狙っていることも明らかだ。バイエルンは、この攻撃的MFを売却するか、あるいは、来年、彼を無償で失うリスクを負うかの決断を迫られることになる。

    報道によると、ブンデスリーガの首位チームは、ムシアラが新たな契約に盛り込むことを希望している1億7,500万ユーロ(約280億円)の契約解除条項に関する要求に応じるつもりはないようだ。その一方で、チェルシーの練習生だったムシアラは「バイエルンで時代を築きたい」と主張しているが、彼がサインするまで、クラブのファンは安心できないだろう。