先日発表されたバロンドール2025で、ヴィティーニャが3位に入ったのは当然の結果だった。PSGの戦術的な重要度においては、ウスマン・デンベレよりも受賞に値したと言ってもいい。しかし本人が、この結果を「信じられない」と話したのも理解できる。2020-21シーズンにウォルヴァーハンプトンに1シーズン所属したがレギュラーを掴めなかった彼
にとって、ここまで来る道のりは長く険しいものだった。
当時のことを元チームメイトであるフェルナンド・マルサウは『レキップ』で、「監督(ヌーノ)は彼に対して厳しかったね。練習では素晴らしいプレーを見せていたのに、監督は納得しなかったんだ」と振り返っている。
「ヌーノはヴィティーニャに対し、“シンプルに素早くボールを放す”ことを求めていた。彼はその指示に従おうともしたけど、自分のアイデンティを失いたくなかったんだ。そこで僕は監督に『来季彼はどうなると思う?』と尋ねてみると、『ポルトに戻る。そこで大活躍して、次のシーズンにはヨーロッパトップ8のクラブでプレーする』と返ってきた」
「心の中で思ったよ。『うそだろ? 彼はウルブズで出場機会すら得られないのに、マンチェスター・シティとかそういうクラブに移籍できると思っているのか? 頭おかしいんじゃないか?』ってね。でも、実際にそうなったんだ」
ヴィティーニャはポルト復帰後、その活躍が評価されて2022年にPSGへとステップアップ。そこで本格的なブレイクを果たすことになる。