Getty/GOALエティハド・スタジアムの外に別の銅像を建てる時期が来たのだろうか？ イルカイ・ギュンドアンはマンチェスター・シティでのキャリアに終止符を打つだろうが、サポーターの間では間違いなく、ヴァンサン・コンパニ、ダビド・シルバ、セルヒオ・アグエロといった選手たちと同じレベルの好意を持って記憶されるだろう。
ドイツ代表MFは7年間の在籍中に12の主要トロフィーを獲得し、そのタイトルの多くに欠かせない存在だった。実際、ギュンドアンはしばしばシティの大一番を支え、カイル・ウォーカーは「最後の数か月は（ジネディーヌ）ジダンの全盛期に変身するように見えた」と述べている。
そこで『GOAL』は、ギュンドアンの退団が近づいた今、マンチェスターでの栄光の中で最も象徴的だった10の瞬間を振り返っていく。
Gettyギュンドアンはペップ・グアルディオラ監督就任後、最初に獲得した選手であったが、2016-17シーズンの開幕をケガで棒に振った。しかし、完全復帰を果たすと、初出場でボルシア・メンヘングラッドバッハを4-0で下したチャンピオンズリーグでPKを獲得し、その3日後のボーンマス戦でプレミアリーグデビューを飾った。
ギュンドアンは完璧なタイミングでエリア内に走り込み、冷静にゴールに流し込んだ。これはやがてエティハドでおなじみの光景となる。
Getty2016年10月、チャンピオンズリーグのグループステージでバルセロナと対戦したシティは、リオネル・メッシに屈辱を味わわせた。
エティハドでのリターンマッチで先制点を挙げたとき、当初は10番が再び暴れるかと思われた。しかし、ギュンドアンはラヒーム・スターリングからの低いクロスに反応し、試合を振り出しに戻すと、エリア内でルーズボールを拾って3-1の圧勝を収めた。
Getty2016年12月のワトフォード戦（2-0）で膝の靭帯を損傷したギュンドアンは涙を流しながらピッチを去り、グアルディオラは「とても悲しかった」という。監督はキーマンの一人が「数か月」戦線離脱することを恐れていたが、それが現実となった。ギュンドアンが復帰したのは翌年9月のことだったが、ヴィカレージ・ロードでワトフォードを6-0で撃破した試合で途中出場したギュンドアンは、訪れたサポーターから熱狂的な歓迎を受けた。
「とても嬉しかった」とギュンドアンは試合後に語った。
「もう9か月も待っていたからね。離脱は初めてではなかったから、長い道のりを戦うことができた」
Gettyシティがイングランド史上最高のポゼッションサッカーを展開するチームであることはすぐに明らかになり、ギュンドアンは彼らがボールを支配する上で不可欠な存在となった。2018年3月、チェルシーを1-0で下した一戦では、彼は1試合におけるパス試行回数（174回）とパス成功回数（167回）のプレミアリーグ個人記録を塗り替えた。これまでの記録保持者？ もちろん、同じくシティのレジェンドであるヤヤ・トゥーレだ。
Gettyギュンドアンは、膝の大ケガから立ち直ったことからも明らかなように、頑丈な選手だ。2021年2月のリヴァプール戦での前半のPK失敗からも、彼は精神的な強さを見せた。
アリソンが押さえきれなかったフィル・フォーデンのシュートを、ギュンドアンが遅ればせながら決めて均衡を破っただけでなく、シティのリードを取り戻し、2003年以来となるアンフィールドでの勝利に貢献した。
Gettyアンフィールドでの2ゴールは、シティが2020-21シーズンのタイトルを獲得する上で極めて重要な役割を果たした、目覚ましい活躍の最中に生まれた。グアルディオラ監督によって、より高度な攻撃的ポジションで起用されるようになったギュンドアンは、年明け以降、12試合で10得点を挙げ、プレミアリーグの月間最優秀選手賞を2か月連続で受賞した史上初の選手となった。
ギュンドアンは「またこの賞を受賞できたことをとても誇りに思う。しかし、この素晴らしいチームの一員であることを最も誇りに思う」と語った。
Getty2022年5月22日、アストン・ヴィラとの最終節でギュンドアンが残り22分で投入されたとき、シティはプレミアリーグのタイトルを失うという危機に瀕していた。グアルディオラ監督率いるチームは0-2と劣勢で、明確なチャンスを作るのに苦労していた。
ケヴィン・デ・ブライネからのクロスに反応したギュンドアンのシュートが決まり、試合は振り出しに戻った。ロドリが同点に追いついた後、ギュンドアンは押せ押せムードを演出し、ベルギー代表のチームメイトからの見事なボールをまたもやゴールに流し込んだ。
(C)Getty Imagesアーセナルの果敢なタイトル争いを抑え、シティが3連覇を達成したとき、ギュンドアンは次々とビッグマッチでゴールを決めた。リーズ戦で2-1の勝利を収めた後、この日のエヴァートン戦では、ガナーズの挑戦を事実上終わらせる決定的な突破口を開いた。
リヤド・マフレズからの厄介なクロスを膝でコントロールしたギュンドアンは、逆を向きながら右足でゴール隅にボールを流し込んだ。
ギュンドアンはその後、アーリング・ハーランドの2点目をお膳立てし、崇高なフリーキックで勝利を確実にした。グアルディオラは、「彼は何度も何度もそのクオリティと重要性を示している。彼は何でもできる」と称えている。
(C)Getty Imagesウェンブリーでのダービーで追いかけるべき攻撃的MFがいるとすれば、それはギュンドアンだった。2023年のFAカップ決勝で、マンチェスター・ユナイテッドは開始わずか13秒で、ギュンドアンをノーマークにして鮮やかなボレーシュートを許すというミスを犯した。
エリック・テン・ハーグ率いるマンチェスター・ユナイテッドは、PKでなんとか同点に追いついたものの、ギュンドアンの勢いは止まらず、後半開始早々にもエリア外からのシュートで試合を決めた。グアルディオラは試合後、「今シーズンの彼の活躍は格別だ。議論の余地はない」とまたもや称賛している。
(C)Getty Images2022年夏、フェルナンジーニョがシティを去ったとき、ギュンドアンは仲間たちからクラブの新キャプテンに選ばれた、 これは、彼が監督だけでなく同僚たちからもどれだけ高く評価されているかを物語っていた。
その信頼に応えるように、ギュンドアンはチームを歴史的な3冠に導き、シティで初のチャンピオンズリーグのトロフィーを手にした。マンチェスターでの真に目覚ましい活躍にふさわしい結末だった。
