Martin Zubimendi Arsenal HICGetty Images

スビメンディ加入でアーセナルの中盤は“完成”?ビッグディールを評価:ソシエダにとって唯一の慰めは…

アーセナルは6日、スペイン代表MFマルティン・スビメンディを獲得したことを発表した。報道によれば、レアル・ソシエダに支払う移籍金は5100万ポンド(約100億円)。契約期間は5年間になるという。

ソシエダで公式戦236試合に出場、スペイン代表としても19キャップを記録して昨夏のEURO2024優勝に大きく貢献した26歳は、昨夏にはリヴァプールが、今夏にはレアル・マドリーが接触していることも伝えられていた。そんなプレーメーカーは、かねてからの報道通りアーセナルへの移籍が決定。このビッグディールをソシエダ、アーセナル、そしてスビメンディの観点から評価してみる。

文=マーク・ドイル

  • ソシエダにとって避けられない移籍

    この移籍は避けられなかった。ラ・レアルは昨夏、彼の説得に成功し、クラブとの強い絆を世界中にアピールした。だが、スビメンディは愛する故郷を離れて新たな場所で自分を試したいという欲求を抑えきれなかったのだろう。アーセナルへの移籍は1月の時点で決定的であり、それがようやく実現したという印象だ。

    昨季ラ・リーガ11位で終了、指揮官も交代するなど大きな変化を迎えているラ・レアルにとって、この移籍はまったく歓迎すべきではないニュースだ。絶対的な中心だった彼の移籍により、根本からスタイルを変える必要がある。それでも、巨額の移籍金を獲得することに成功したことが唯一の慰めだ。

    評価:B+

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  • アーセナル待望の“メトロノーム”

    トーマス・パーティの退団も考慮すると、タイムリーな補強であり、移籍金も納得できる範囲内だ。EURO2024やUEFAネーションズリーグでも証明したように、彼は現代フットボールにおいて世界最高レベルのプレーメーカーだ。その卓越した技術と戦術眼によって、細かくパスを繋いでリズムを調整する“メトロノーム”のようであり、またタイミングを見た攻撃参加も実に効果的である。

    おそらく、守備的MFはアーセナルにとって大きな問題を抱えるポジションではなかったはずだ。だがスビメンディの加入により、デクラン・ライスがボックス・トゥ・ボックスに専念できることは何にも代えがたい。これでアーセナルの中盤は、世界最高レベルまで昇華されたと言っていいだろう。新シーズンこそ、ビッグタイトル獲得が「至上命題」である彼らにとって、中盤を強化する上でこれ以上の適任はいない。

    評価:A

  • Martin Zubimendi Arsenal 2025-26Getty Images

    夢の移籍

    1年前、リヴァプールへの移籍を土壇場で撤回してソシエダに残ったとされるスビメンディ。しかし結局、自身の欲求に従うことが最善だと決意している。愛するラ・レアルを離れ、さらなるステップアップを目指してイングランド挑戦を決意。しかしそれは王者リヴァプールではなく、3シーズン連続2位に終わっているアーセナルとなった。

    そんなアーセナルには、盟友ミケル・メリーノにマルティン・ウーデゴールというソシエダ出身選手に加え、同じバスク出身であるミケル・アルテタ監督もいる。彼らの存在により、すぐさまチームにフィットしていけるはずだ。2025-26シーズンこそビッグタイトルを目指すという明確な意思を表明しているクラブの期待は大きく、それに応えるだけの実力を発揮したい。

    評価:A