Declan Rice William Saliba GFXGetty/GOAL

【アーセナル:夏のToDoリスト10選】ライスや右WG&SBの確保、スミス=ロウの将来に賢い売却

今季19年ぶりのプレミアリーグ制覇へあと一歩まで迫るなど、目覚ましい成長を見せたアーセナル。この印象的なシーズンからさらなる飛躍を図るために、この夏にやらなければいけないことは多い。これからの数カ月は、プレミアリーグ優勝を目指すだけでなく、チャンピオンズリーグ(CL)も戦うことになる2023-24シーズンに向けて大きな意味を持つだろう。

選手の獲得から新契約、放出に伴い再編成など、8月の新シーズン開幕までに残された課題は山積みだ。今回は『GOAL』のアーセナル番記者チャールズ・ワッツが、「アーセナルのToDoリスト」を整理する。

取材・文=チャールズ・ワッツ/『GOAL』アーセナル番記者

  • William Saliba celebrate Arsenal Sporting CP 2022-23Getty Images

    ウィリアム・サリバの新契約

    アーセナル今季、主力選手の契約更新という点で素晴らしい仕事を見せてきた。すでにガブリエウ・マガリャンイス、ガブリエウ・マルティネッリ、アーロン・ラムズデール、ブカヨ・サカと長期契約を結んでいる。

    しかしサリバに関しては、シーズンを通して交渉を続けていたものの、未だ合意には達していない。現行契約は残り12カ月となるため、早急に解決する必要がある問題だ。仮に長引けば、この夏に難しい立場に置かれることは明白で、フリーで失う可能性も浮上する。だからこそ、今後数週間の内に迅速に結論づけることは不可欠だ。

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  • Declan Rice West Ham 2022-23Getty

    デクラン・ライスの獲得

    中盤の再編成は最も重要な1つであり、その中心はデクラン・ライスだ。グラニト・ジャカのレヴァークーゼン移籍は決定的で、新たな顔になる選手が必要。そして、そのトップターゲットがライスとなっている。ミケル・アルテタ監督が最もお気に入りの選手だ。実現できれば、今後に向けた強力なメッセージとなるだろう。

    しかし、到着するのは1人ではないだろう。アーセナルはその他、モイセス・カイセド(ブライトン)、メイソン・マウント(チェルシー)、イルカイ・ギュンドアン(マンチェスター・シティ)にも関心を持っている。

  • Emile Smith Rowe Arsenal 2022/23

    スミス=ロウの将来

    エミール・スミス=ロウは依然としてアーセナルで絶大な人気を誇っており、だからこそ毎週ピッチに立たないことで様々な議論を引き起こしている。昨シーズンの輝きを見れば、確かにアルテタからプレー機会を与えられないことに混乱しても不思議ではない。

    そして今夏、アーセナルはスミス=ロウに関して何らかの決断を下す必要がある。はっきり言ってしまえば、今の状況は誰にとっても助けにならない。もし、アルテタは自分の長期プランの中に彼の居場所がないと考えるのであれば、放出で得た資金を再投資したほうが良いだろう。

  • Folarin Balogun 2022-23Getty

    フォラリン・バログンの決断

    アーセナルはもう1人、フォラリン・バログンについても決断を下す必要がある。レンタルで加入したスタッド・ランスでの活躍は目覚ましいが、今夏に将来に関する会談が行われる予定だ。

    選手自身は、来季もトップチームでレギュラーとしてプレーする希望を隠していない。しかし、現時点でアーセナルでは難しい。そして現行契約は2年しか残っていないため、契約延長にサインしない限り、さらなるレンタルは無駄になるだろう。だが、契約延長も実現する可能性は低い。

    だからこそアーセナルが今夏にできる最善の方法は、放出で可能な限りの資金を獲得することである。21歳FWは移籍市場でも高く評価されており、複数クラブによる争奪戦が予想される。高額な移籍金をもたらす可能性は高い。

  • Rob Holding Arsenal 2022-23Getty Images

    センターバックの獲得

    アーセナルは中盤だけでなく、センターバックのオプションも今一度再考すべきだ。今季発生したサリバの負傷は、スカッドに厚みがないことを浮き彫りにしており、来季開幕までに修正する必要がある。

    CLへの挑戦で必然的に負荷の高いゲームが増えるため、過去数年よりもスカッドを強力にしなければならない。ロブ・ホールディングは明らかに求めるレベルに達しておらず、今夏売却される可能性もある。そうなれば、代役は必要だ。

  • Fresneda Real ValladolidGetty

    新たなサイドバック

    キーラン・ティアニー退団の可能性は高く、サイドバックのポジションをカバーできる新選手も考慮しなければならない。冨安健洋が膝の問題でどれほど離脱するかは現時点で不明だが、オレクサンドル・ジンチェンコがフィットネスの問題で度々離脱することは今季でわかったことの1つだ。

    したがって、新たなサイドバックの到着はチーム編成で重要だと思われる。名前の挙がったジョアン・カンセロだが、資金面やマンチェスター・Cがアーセナルへの売却に消極的であることを考えると、実現の可能性は低い。しかし、18歳のイバン・フレスネダ(バジャドリー)は安価で獲得できる選択肢となるだろう。いずれにせよ、新シーズンに向けて強化が必要だ。

  • Bukayo Saka Arsenal 2022-23Getty Images

    ブカヨ・サカのバックアップ

    現在プレミアリーグ79試合連続出場中であり、これはリーグ最多の数字だ。だが、流石に終盤戦で疲れの色が見え始めている。

    来季はCLもあるため、サカのためにもクオリティの高い競争相手が必要だ。アルテタは、必要なときに彼を休ませなければならない。現時点で指揮官はサカを絶対的存在と考え過ぎているが、その考えは変える必要がある。

  • Edu Arsenal 2022-23Getty

    上手な売却を

    この夏、選手の放出に関してエドゥの手腕に注目が集まるだろう。これまでは主力のフリー移籍が相次ぎ、放出面での批判がこのスポーツディレクターに集中していた。

    だが、ティアニーやスミス=ロウ、バログンのように移籍市場で価値を持つ選手が多数存在するため、再投資へ向けた資金を稼ぐ可能性を秘めている。最近のアーセナルは安価で放出するクラブとして評価されていることもあり、賢く放出できることを証明しなければならない。

  • Mikel Arteta Arsenal 2022-23Getty Images

    仕事は素早く

    アーセナルは昨夏、かなり早い段階で重要な取引を終えており、それが最高のスタートに繋がったことは間違いない。新加入選手の到着が早ければ早いほど、新たな環境への適応と戦術理解が高まることは言うまでもない。だからこそ、今夏にはその再現が必要だ。

    アーセナルは7月にプレシーズンツアーでアメリカへ飛ぶが、それまでに重要な取引は達成したいところ。実現できれば、大きな後押しになる。

  • Gabriel Martinelli Arsenal 2022-23Getty Images

    サリバとマルティネッリの早期復帰

    サリバとマルティネッリは今季終盤戦をそれぞれケガで欠場した。彼らはアルテタのプランにとって非常に重要であり、上記の理由からもプレシーズンには万全の状態で合流してもらいたいはず。メディカルスタッフの腕の見せ所だ。