インターナショナルウィーク明けに行われたプレミアリーグ第4節。マンチェスター・シティがダービーで快勝すると、王者リヴァプールはまたも劇的勝利を収めて4連勝を達成、アーセナルもチーム力を見せつけた。一方で、10試合で生まれたゴールは「19」。8チームがクリーンシートを達成するなど、各チームの守備力が光ったウィークでもあった。
今回『GOAL』は、プレミアリーグ第4節の「勝者」と「敗者」をピックアップする。
Getty/GOALインターナショナルウィーク明けに行われたプレミアリーグ第4節。マンチェスター・シティがダービーで快勝すると、王者リヴァプールはまたも劇的勝利を収めて4連勝を達成、アーセナルもチーム力を見せつけた。一方で、10試合で生まれたゴールは「19」。8チームがクリーンシートを達成するなど、各チームの守備力が光ったウィークでもあった。
今回『GOAL』は、プレミアリーグ第4節の「勝者」と「敗者」をピックアップする。
Getty Images今夏にアーセナルのスポーツダイレクターに就任したアンドレア・ベルタ。そんな新SDは移籍市場に2億5500万ポンドを投じ、8選手もの獲得に成功した。リヴァプールの巨額投資ばかりに注目が集まった夏だったが、アーセナルの補強も目を見張るものがあった。
そして彼の手腕は、ピッチ上で確かに証明されている。本拠地エミレーツ・スタジアムにノッティンガム・フォレストを迎えた一戦、マルティン・スビメンディが2ゴール、ヴィクトル・ギェケレシュが1ゴールを奪っただけでなく、クリスティアン・モスケラはまるでウィリアン・サリバのようであったし、ノニ・マドゥエケは右サイドを制圧。何度も突破してチャンスを量産した。3-0の勝利は当然の結果である。
サリバ、ブカヨ・サカ、デクラン・ライス、マルティン・ウーデゴールとこれまでの絶対的な主力が不在だったにもかかわらず、快勝を収めたアーセナル。これまで指摘され続けたスカッドの厚みに関しては、もはや言うことがないだろう。ベルタの仕事ぶりはもっと絶賛されるべきである。
Getty Images王者リヴァプールは、開幕から唯一の4連勝で堂々とプレミアリーグ首位に立っている。だが今夏加わったビッグネームたちは、ウーゴ・エキティケを除いて本来のポテンシャルのすべてを発揮しているとは言い難い状況だ。
そして最も懸念すべきなのは、おそらくミロシュ・ケルケズだろう。アルネ・スロットのファーストチョイスとして先発を続けているものの、ボーンマス時代のような堅実性はまだあまりみられず。対戦チームが彼を狙っているのは明らかだ。そして今回のバーンリー戦も苦しみ、最終的にはPKを獲得するために“ダイブ”を行いイエローカードを受けることに。通常のメンタル状態ならばしなかったプレーだろう。2枚目のイエローカードを受けなかったのは幸運でしかなく、37分という早い時間での交代も当然だった。
リヴァプールはこれからの1週間で、アトレティコ・マドリー、エヴァートンと厳しい相手を迎えることになる。ケルケズがチームに適応できるまで、アンドリュー・ロバートソンを先発させるという選択を取ってもいいかもしれない。
Getty Images Sport史上最高額が動いた夏の移籍市場が閉幕し、最終日にも続々と新戦力たちが新チームに加わった。そしてインターナショナルウィーク明けの第4節、注目の新加入選手たちが各地でデビューを果たしている。そしてその中で、最高のデビューを飾ったのはニック・ヴォルテマーデだろう。
6900万ポンドという高額な移籍金は懐疑的にもみられていたが、ウォルヴァーハンプトン戦で即座にその価値を証明。攻撃時には多彩な才能を発揮し、守備時にも高強度のプレッシングに適応。そして、決勝点となるヘディングも叩き込んだ。アレクサンデル・イサクの後継者として、これ以上ないスタートである。試合後、エディ・ハウ監督もこう語っている。
「素晴らしい瞬間だったね。今日の彼のプレーには非常に満足している。我々が議論してきた技術的なクオリティや知性、そして何よりもストライカーにとって重要な『ボールがボックスに入ってきた時にそこにいる存在感』を見せた。見事なフィニッシュだったよ。個人的にも、彼のために本当に嬉しいね。これで落ち着き、リラックスできるだろう……これは素晴らしいスタートだと思う」
AFPだが、移籍市場最終盤に移籍した選手で最も“印象”を残したのは、チェルシーに加入したアレハンドロ・ガルナチョだ。新オーナー体制でアタッカーとしては歴代最高額で加わったが、ブレントフォード戦の後半アディショナルタイムに見せたような姿では長く留まることができないだろう。
ピッチに立ったのは12分間だけだったが、最後の同点弾のシーンでは完全に注意力散漫で、ファビオ・カルヴァーリョを見失っている。マンチェスター・ユナイテッドは彼の能力よりもその姿勢を懸念していたようだが、チェルシーでの重要な場面でその片鱗が見えてしまっている。エンツォ・マレスカ監督は、早急に彼の取り組み方を正すべきだ。
Getty Images Sportおそらく、アーリング・ハーランドがプレミアリーグキャリアで最もオールラウンドな活躍を見せた試合だった。
インターナショナルウィークでの勢いそのままにダービーに挑んだ彼は、開始早々から自信をみなぎらせ、キックオフ20秒で先制点を奪いかけた。これまで以上にとにかく攻守両面でチームに関与し続け、何度も脅威になると、その活躍を後半の2ゴールで締めくくっている。ハットトリックも達成できたはずであり、圧倒的な存在感でチームを牽引した。これで開幕4試合で5ゴール。2シーズンぶりの得点王は決まりかもしれない。
AFPロンドンのライバル・トッテナムに0-3で完敗したウェストハム。これで開幕4試合で3敗、その3敗はいずれも3点差以上の完敗。グレアム・ポッターは危機的な状況だ。
そして、この状況はさらに厳しくなっていく。10月のインターナショナルウィークまでの相手は、未だ無敗のクリスタル・パレス、好調エヴァートン、優勝候補アーセナル。現状のウェストハムが適うとはとても思えない。もしここで3連敗を喫するようなことがあれば、ポッターはチームを離れているはずだ。