(C)Getty images川端暁彦
ルヴァンカップから育った選手たち|日本代表、そして世界へ
世界へ羽ばたいた5選手をピックアップ
1996年からはそんな若手選手を称揚するためにニューヒーロー賞も創設され、そこで最初の受賞者となったのは名波浩(現・松本山雅SC監督)、斉藤俊秀(現・日本代表コーチ)の両氏だった。二人は日本を代表する選手へと成長し、その翌々年には日本代表が初出場したワールドカップ・フランス大会のピッチにも立つこととなった。
今回は過去現在の日本代表に選ばれている現役選手たちから、大会で力を蓄え、世界に羽ばたいた5名をピックアップ。その勇姿を思い出しつつ、さらなるニューヒーローの出現にも期待を寄せておきたい。(文=川端暁彦)
(C)Getty images長谷部 誠|フランクフルト(ブンデスリーガ)
3度のワールドカップを主力として経験し、長く日本代表のキャプテンも務めた重鎮も、ルーキーイヤーの2002年に初めてプロのピッチを踏みしめたのはこの大会だった。正確に言うと、高卒ルーキーとして臨んだ初めてのシーズンの出場はその1試合のみだった。
これをステップに臨んだ翌03年はレギュラーに定着し、公式戦初得点もこの大会で記録。クラブとしても前年度で敗れた鹿島アントラーズを下して初タイトルを獲得した。そして翌04年大会もチームを引っ張る存在として大車輪の活躍を見せる。決勝ではPK戦でFC東京に惜しくも敗れたものの、ニューヒーロー賞を獲得した。またトップ下の攻撃的プレーヤーだった長谷部が、「ボランチ」として開花したのもこの時期である。
その後の活躍は言うまでもなく、現在においてもドイツ・フランクフルトにおいて生ける伝説、プロフェッショナルの見本と称えられる存在であり続け、2020-21シーズンにおいてアジア人のブンデスリーガ最多出場記録を塗り替えた後も輝きを放ち続けている。
※写真は2004年ヤマザキナビスコカップ決勝のもの
(C)Getty images原口 元気|ウニオン・ベルリン(ブンデスリーガ)
浦和レッズユース時代から将来を嘱望されていた若武者が、初めてプロのステージに立ったのもこの大会。まだ高校2年生、2008年だった。
素早さと力強さを兼ね備えるドリブルを武器にするアタッカーは、高校3年生となった09年シーズンになると、すっかりトップチームへ定着して活躍を続けるようになる。そして、2011年大会において大ブレイク。チームを引っ張る活躍を見せ、惜しくも準優勝に終わったものの、ニューヒーロー賞を獲得してみせた。
この2011年に日本代表として初出場。その後はドイツへ活躍の場を求め、2018年ロシアW杯では主力に抜擢されると右サイドハーフの軸として攻守に大活躍、日本の16強進出に大きく貢献した。
現在もドイツでプレーを続けつつ、日本代表選手としても継続的な活躍を見せている。そんな彼の原点も、やはりこの大会だった。
※写真は2010年リーグ戦のもの
(C)Atsushi Tokumaru伊東 純也|ヘンク(ベルギー1部)
日本代表の「右の翼」、最強のスピードスターもこの大会から飛躍した選手の一人だ。
中学高校時代はほぼ無名の選手だった伊東は、当時関東大学2部リーグに所属していた神奈川大学でエースとして活躍し、2015年シーズンから新卒でヴァンフォーレ甲府へと加入。デビューこそリーグ戦だが(出場1分)、2015年大会のグループステージ第1節において初先発にして初のフル出場を飾ると、以降もリーグ戦は途中出場、カップ戦は先発出場という形で経験を積むと同時に、首脳陣の信頼も獲得してリーグ戦での出場時間も徐々に延ばしていった。
結果自体はグループステージの敗退だったものの、この大会の存在によって評価を上げていった典型例だったと言えるだろう。
2016年シーズンには柏レイソルへと移籍してさらなる飛躍を遂げ、2017年シーズンには日本代表へも初招集。さらにベルギーへと活躍の場を移していったが、そのプロとしてのシンデレラストーリーの第一歩は、紛れもなくこの大会だった。
※写真は2015年リーグ戦のもの
(C)Getty images三笘 薫|サン=ジロワーズ(ベルギー1部)
川崎フロンターレの主力として華々しいプレーを見せ、日の丸を着けても活躍。現在は欧州の舞台でもその実力を実証している稀代のドリブラーもまた、プロとしての原点はルヴァン杯にある。
川崎フロンターレのアカデミーで育ち、名門・筑波大学に進んだ三笘は、大学サッカー部に在籍しながらJリーグの試合にも出場可能な「特別指定選手制度」を利用してプロデビュー。2019年9月、当時大学4年生。大事な準々決勝で4分間、ピッチに立つこととなった。
翌2020シーズンは正式に川崎Fへ加入しているが、ここで最初に出た試合、そして初めてホーム・等々力陸上競技場のピッチに立ったのもやはりこの大会だった。グループステージ第3節・名古屋グランパス戦での2得点など、3得点を記録している。そして、この年リーグ優勝を成し遂げ、続く2021シーズンは東京五輪にも出場。強烈なインパクトとともにシーズン半ばで欧州へと出発し、さらに日本代表としても十分な活躍を見せ続けている。
※写真は2020年リーグ戦のもの
(C)Getty images瀬古 歩夢|グラスホッパー(スイス1部)
後の日本代表やJリーグを代表する選手を次々と輩出してきた本大会の「ニューヒーロー賞」。2020シーズンにおいて、この栄誉を得たのが瀬古である。
同年はリーグ開幕からセンターバックとしてスタメンでの活躍を続けベストヤングプレーヤー賞とのW受賞でも話題になったが、その瀬古がトップチームにデビューしているのも、やはりルヴァン杯だった。
C大阪U-18所属時の2016年トップチームに2種登録されると、まだ16歳だった17年大会で初出場し、結果として計3試合に出場している。翌19年はリーグ戦では難しい時期もあったものの、ルヴァン杯には全6試合に先発フル出場。この経験をリーグ後半戦でのジャンプアップに繋げており、「若手の登竜門」としての価値を実証する形となった。
2022シーズンからはスイスの名門グラスホッパーへと活躍の場を移した若武者も、ルヴァン杯を機に大きく評価を高め、実力を伸ばした選手の一人と言えるだろう。
※写真は2020年リーグ戦のもの
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