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【ルヴァン杯 | 注目の若手選手】再起かかる“鹿島の10番”から高校選手権のスターまで…飛躍を遂げる期待株は?

若手選手のアピールの場としても注目を集めてきたJリーグYBCルヴァンカップ。2023シーズンも3月8日に開幕が迫る中、国内外のサッカーを幅広く取材するジャーナリストの河治良幸氏に、注目の若手選手を各グループから1名ずつピックアップしてもらった。

  • U-21選手の先発義務が再導入

    Jリーグでは今シーズンより若手選手の育成を促すためのルールを再導入。ルヴァン杯においては新型コロナウイルスの影響で2020年夏よりU-21先発ルールが中止となっていたが、「ルヴァンカップにおけるU-21選手の先発出場義務ルール」として復活することとなった。

    Jリーグが定める「当該年12月31日において満年齢21歳以下の日本人選手を1名以上先発出場させる」という規定において、2023シーズンの場合は2002年1月1日以降生まれが対象に。今回は先発出場義務ルールの対象となる若手のうち、Aグループ~Eグループから各1名ずつ注目の選手を紹介する。

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  • 20230306_Goto(C)Getty images

    FW後藤啓介(ジュビロ磐田)/Aグループ

    生年月日:2005/6/3
    出身地:静岡県


    大目標は「W杯優勝です」と語る磐田の”超新星”は岡山とのJ2開幕戦で、後半19分からの出場で衝撃的な2得点を決めた。その後の2試合は無得点ながら、継続的に起用されているのは横内監督の期待の表れだろう。191cmというサイズから圧倒的な身体能力を武器にしているように思われるかもしれないが、フィジカル面は本人も認める通り、プロとしてはこれから。もちろん、ここから体を作っていけば強みになりうる。だが、今注目したいのはポジショニングと動き出しだ。ゲームの流れや空間的な状況を見極めて、相手ディフェンスが対応しにくいポジションを取り、そこから一瞬の動きで危険なポイントに入り込む。右サイドバックの鈴木雄斗は「彼けっこう試合で途中から入ってきた時に、僕のところに必ず寄って来て、こういう動きするんで見てくださいと必ず言ってくる」と驚きを隠さない。ボックス内での落ち着きも絶品だ。

    U-15の時から磐田ではU-18に参加しているほか、1つ年齢が上の代表にも招集されており、新高校3年生での昇格についても藤田俊哉SDは「遅すぎるぐらいかもしれない」と認めるほど。ただ、どれだけ才能があってもプロの強度の中で、徐々に適応していく時間は必要だ。学校行事が落ち着く4月から、本格的な肉体強化にも取り組みたいという後藤。ここからリーグ戦でもプレーの時間を伸ばしていくはずだが、J1のチームが相手となるルヴァン杯でインパクトを残すことで、リーグ戦に向けた格好のアピールになる。

  • 20230306_Hiraoka(C)Getty images

    MF平岡大陽(湘南ベルマーレ)/Bグループ

    生年月日:2002/9/14
    出身地:兵庫県


    高卒からプロ3年目。気鋭のテクニシャンにとっても勝負のシーズンになる。山口智監督の評価を勝ち取り、J1開幕戦から中盤のスタメンに。鳥栖戦ではハットトリックを達成した大橋祐紀の最初のゴールの起点になったかと思えば、ボックス内で小野瀬康介のパスを受けて冷静に流しこんで、今シーズン初得点を決めた。3試合目の川崎F戦では永木亮太のパスから狙い澄ましたシュートで早くもリーグ戦2得点目を記録。攻撃面もさることながら、目を見張るのはデュフェンスの成長だ。運動量にものを言わせて、がむしゃらにボールを追うだけでなく、2トップやウイングバックとの距離感を見極めながら効果的なボール奪取につなげている。

    湘南ではハードワークは当たり前。そこにどう質を加えていくかというテーマを考えれば、平岡が中盤の主力を勝ち取っているのも納得がいく。リーグ戦の主力として継続的に出ている上で、ルヴァン杯でどれだけ起用されるかは分からない。ただ、はっきりしたターンオーバーを山口監督は使わないと想定される。むしろ平岡が中盤を仕切り、19歳のMF鈴木淳之介などをどう盛り立てていくかも見どころになりそうだ。2002年生まれのパリ五輪世代でもある。湘南からベルギーのコルトレイクに移籍した田中聡など、中盤にタレントの多い世代だが、その競争に食い込んでいけるだけの才能は十分にある。

  • 20230306_Ozaki(C)Getty images

    DF尾崎優成(ヴィッセル神戸)/Cグループ

    生年月日:2003/7/26
    出身地:山口県


    アカデミー育ちのセンターバックは昨シーズン、昇格1年目にしてACLやルヴァン杯、天皇杯を経験した。そして今シーズン、アビスパ福岡とのJ1開幕戦で後半44分から出場。守備の対人能力だけでなくビルドアップ、攻守に周りを見て判断できる選手で、ボランチでも起用された。ユースの先輩でもある小林友希が“お手本”だったというが、その先輩がスコットランドの名門セルティックに移籍。今はセンターバックの絶対的なレギュラーがいないポジションで、スタメン奪取も狙える状況にある。その意味ではルヴァン杯でグループステージから守備を安定させれば、そのままリーグ戦のアピールになるはずだ。

    昨年暮にはドイツ2部ニュルンベルクのU-23チームに練習参加しており、将来的には欧州移籍も視野に入れているはず。2003年生まれということで、同年代の“03ジャパン”がU-20ワールドカップ(W杯)を目指してアジアカップを戦っているが、各世代で日の丸を付けた経験もあるだけに、ガンバ大阪から期限付きでファジアーノ岡山に移籍したFW坂本一彩がライバルという尾崎にとって、そうした同世代の活躍も刺激だろう。スタメン出場の可能性もあるルヴァン杯を含めて、神戸でしっかりと結果を残していけば、来年夏に開催されるパリ五輪など、日の丸も近づいてくるかもしれない。

  • 20230306_Araki(C)Getty images

    MF荒木遼太郎(鹿島アントラーズ)/Dグループ

    生年月日:2002/1/29
    出身地:熊本県


    一昨シーズンのJリーグ最優秀若手賞の受賞者であり、ここで紹介をすること自体がどうかという自問自答もあるが、是非とも“再ブレイク”を果たしてほしい願いを込めて選んだ。類まれなセンスで攻撃的なポジションからゴールに関わって行く。サイドハーフやウイングで起用されることもあるが、本質的には二列目の中央から幅広く顔を出して、チャンスやフィニッシュに絡むプレーを得意としている。さらなる飛躍が期待された昨シーズンは腰椎椎間板ヘルニアにより長期離脱を強いられて、フィジカル面でも大きく成長が期待できる時期を治療とリハビリに費やしたダメージは響いているかもしれない。それでも筋力強化にトライして現在に至っており、そうした成果も示していきたいところ。

    J1第2節の川崎F戦ではゴール前のクリアがハンドと判定されて、同点につながるPKを与えると同時に、第3節の横浜FC戦は出場停止となってしまった。その分も、ルヴァン杯開幕節の柏レイソル戦に臨む意気込みは強いだろう。2021年に行われるはずだったU-20W杯がコロナ禍で中止となった世代の一人でもある。当然、来年夏のパリ五輪は目標の1つとなるが、まずは鹿島で輝きを取り戻せるか。“鹿島の10番”を背負うアタッカーの逆襲はルヴァン杯から始まる。

  • 20230306_Rui_Osako_Arai(C)Kenichi Arai

    MF大迫塁(セレッソ大阪)/Eグループ

    生年月日:2004/10/13
    出身地:鹿児島県


    ドイツのボルシアMGに移籍したFW福田師王との“ゴールデンコンビ”で、神村学園では高校1年生からレギュラーとして選手権を賑わし、3年次にはキャプテンも務めてベスト4に進出した。中等部から6年間を過ごした神村学園の卒業式には鹿児島まで帰って参加した大迫。福田と共に、アンダーカテゴリーの代表チームにも選ばれてきたが、晴れてJリーガーとしてプロの第一歩を踏む。

    リーグ戦では開幕戦からベンチに入ることはできなかったが、ルヴァン杯のグループステージでは小菊昭雄監督も若手選手にチャンスを与えるだろう。原川力などが主力を担うセレッソの中盤で、大車輪の働きをするにはもっと攻守の強度を高めないといけないが、一瞬で相手のウィークを突ける攻撃センスやディフェンスの合間を突き通すスルーパスは今現在でも通用する。ルヴァン杯では自分持ち味をしっかりと出しながら、守備での奮闘など、チームの勝利に貢献していけるか。セットプレーの左足キッカーとしても非凡なものがあり、メンバー構成によってはCKなどを担当するチャンスもあるかもしれない。最近はNHKのテレビ番組で、実家のラーメンも「勝負メシ」として紹介された。自分が活躍することで地元の人たちを笑顔にしたいという大迫が、ルヴァン杯から飛躍を目指す。

  • ルヴァン杯 開幕節日程

    日付対戦カード会場主な視聴方法
    3/8(水)
    19:00
    A横浜FM vs 磐田ニッパツTV:スカパー!サッカーセット
    ネット:SPOOX
    3/8(水)
    19:00
    A鳥栖 vs 札幌駅スタTV:スカパー!サッカーセット
    ネット:SPOOX
    3/8(水)
    19:00
    B湘南 vs 浦和レモンSTV:スカパー!サッカーセット
    ネット:SPOOX
    3/8(水)
    19:00
    B清水 vs 川崎FアイスタTV:スカパー!サッカーセット
    ネット:SPOOX
    3/8(水)
    19:00
    C神戸 vs 名古屋ノエスタTV:スカパー!サッカーセット
    ネット:SPOOX
    3/8(水)
    19:00
    C広島 vs 横浜FCEスタTV:スカパー!サッカーセット
    ネット:SPOOX
    3/8(水)
    19:00
    D柏 vs 鹿島三協F柏TV:スカパー!サッカーセット
    ネット:SPOOX
    3/8(水)
    19:00
    D福岡 vs 新潟ベススタTV:スカパー!サッカーセット
    ネット:SPOOX
    3/8(水)
    19:00
    E京都 vs G大阪サンガSTV:スカパー!サッカーセット
    ネット:SPOOX
    3/8(水)
    19:00
    EC大阪 vs FC東京ヨドコウTV:スカパー!サッカーセット
    ネット:SPOOX

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