20230417_J30Best提供:Jリーグ

【特集】『GOAL』が選ぶJリーグ歴代ベストイレブン、MVPは? J30周年企画ノミネートから選出

Jリーグが開催中の「J30ベストアウォーズ」に際し、同企画のノミネートから『GOAL』編集部でも各賞を選出した。

2023シーズンで30周年を迎えるJリーグは、これまでの30周年を回顧する「J30ベストアウォーズ」を開催。Jリーグ30年の歴史の中から、ファン・サポーターの投票をもとに「MVP(1名)」、「ベストイレブン(11名)」、「ベストマッチ(1試合)」、「部門別ベストゴール(計6ゴール)」、「ベストシーン(1シーン)」を決定する。

「MVP」と「ベストイレブン」については得票数をもとに選考委員会で決定。投票期間は4月11日(火)13:00から4月21日(金)18:00まで。結果発表は5月15日(月)のJリーグの日に予定されている。

今回、公式の発表を前に『GOAL』編集部でも独自に各賞を選出した。

「J30ベストアウォーズ」への投票&ノミネート一覧はコチラ

  • 20230417_Endo_Gamba(C)Getty images

    MVP

    遠藤保仁

    1998年に横浜フリューゲルスでキャリアをスタートし、京都パープルサンガ、そしてガンバ大阪での活躍を経て、43歳となった現在もジュビロ磐田で現役を続行する元日本代表MFをMVPに選出。J1リーグでの出場数は歴代最多の672試合、Jリーグの年間ベストイレブン選出は2003年~2012年、2014年、2015年で通算最多12回(2位は田中マルクス闘莉王氏の9回)となっている。

    また、日本代表としても152キャップで最多出場数を誇り、ワールドカップ(W杯)3大会に参加。キャリアでは現在までJリーグ一筋を貫いているが、稀有な頭脳とテクニック、不動のメンタルにより、圧倒的な身体能力がなくとも世界と渡り合えることを示した。実績だけでなく、プレースタイルも含めてJリーグが誇る唯一無二かつ象徴的な存在だ。

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  • 20230417_J30_Best11_GOAL(C)GOAL

    ベストイレブン

    GK楢﨑正剛

    楢崎氏は、1995年から1998年にかけて横浜フリューゲルス、1999年から2018年にかけて名古屋グランパスで活躍。2010年には初のリーグ制覇を支えるとともに、GKとして史上初のJリーグ年間MVPに選出されている。ポジショニングや判断能力に裏付けされたセービング能力の高さはもとより、キャリアを通じて極めてミスが少なく、随一の安定性を誇った。

    DF酒井宏樹

    2021年からは浦和レッズに所属しているものの、海外クラブのハノーファーやマルセイユでの活躍も印象的な酒井だが、2009年から2012年にかけては柏レイソルで、当時同僚だったレアンドロ・ドミンゲス氏らとともに旋風を巻き起こした。フィジカル、スピード、クロス精度とSBに必要なすべてを備えており、柏の下部組織が輩出した逸材として見れば、日本サッカーの育成の成功を示す代表的な例だ。

    DF中澤佑二

    中澤氏は1999年から2001年にかけて東京ヴェルディ(2000年まではヴェルディ川崎と呼称)、2002年から2018年にかけて横浜F・マリノスでプレー。恵まれた体格で鉄壁の対人能力を誇り、特に空中戦では無類の強さを発揮した。また、2013年から2018年にかけて記録したJ1リーグ178試合連続フル出場は、フィールドプレーヤーとして最多となる。

    DF田中マルクス闘莉王

    田中氏は2001年から2003年にかけてのキャリア初期をサンフレッチェ広島や水戸ホーリーホックで過ごし、2004年から2009年は浦和レッズ、2010年から2016年は名古屋グランパス、2017年から2019年は京都サンガF.C.でプレー。2004年から2012年に9年連続で年間ベストイレブンに名を連ね、2006年にはMVPにも輝いている。CBとして必要なすべてを兼ね備えているだけでなく、セットプレー時の得点能力も突出しており、J1リーグ通算75得点で歴代得点ランキング32位タイに位置している。

    DF長友佑都

    長らくインテルで活躍していた長友は世界的に名を知られた選手だが、やはりその原点はJリーグにある。2007年よりFC東京の特別指定選手に登録されると、2008年に明治大学卒業を待たずしてプロ契約を締結。育成年代でJリーグクラブの下部組織に所属していた経験もなく、

    MF中村憲剛

    2003年のデビューから2020年の引退まで川崎フロンターレ一筋で過ごしたレジェンド。プロ入り当初はJ2リーグからスタートし、2017年にJ1リーグ初制覇、翌年に連覇を果たすと、2019年にはJリーグYBCルヴァンカップ、2020年にはJ1リーグと天皇杯の2冠を達成した。それらタイトルに恵まれる前年、2016年には年間MVPにも輝いている。近年の川崎FがJリーグの歴史に名を刻んでいることは間違いないが、中村氏なくしては存在し得なかったチームだ。

    MF阿部勇樹

    1998年に16歳333日でジェフユナイテッド市原でJ1リーグデビューを飾った阿部氏は、2003年には故イビチャ・オシム元監督下で21歳にしてキャプテンに抜擢。才能を開花させた後、浦和などで活躍した。2010年から2012年にかけてはレスター・シティでプレーしたもののJ1リーグでの通算出場数は歴代4位。日本屈指の守備的なユーティリティプレーヤーであり、特にアンカーのポジションではその右足の精度でピッチを支配し、ミドルシュートやFKでも多くの歓喜をもたらした。

    MF遠藤保仁

    MVPにも選出した遠藤はキックの名手としても名を馳せており、中盤でのゲームメイクだけでなく得点に直結する仕事も多く果たしてきた。また、主要タイトル獲得回数はJ1リーグ2回、天皇杯5回、リーグカップ2回、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)1回の計10回。特に2014年の国内三冠達成時には、若手主体に変化していったチームの大黒柱として圧倒的な存在感を放っていた。

    MFアンドレス・イニエスタ

    世界の頂点に君臨した男が生まれ育ったバルセロナに別れを告げた2018年、新天地にヴィッセル神戸を選んだことはJリーグにとって僥倖だった。その後、2019年、2021年には年間ベストイレブンにも選ばれるなど超一流としてのプレーを披露し続けており、現セルティックの古橋亨梧といったチームメイトや対戦相手に稀有な経験を与えている。サッカー史に残る名手と縁を結べたことは、Jリーグそのものの成長も象徴する出来事だ。

    FW大久保嘉人

    マジョルカやヴォルフスブルクといった海外クラブでもプレーした大久保氏だが、国内ではセレッソ大阪や神戸、川崎F、FC東京、ジュビロ磐田、東京ヴェルディを渡り歩いた。そして、J1通算得点数は歴代トップの191得点。多くの異なるクラブで継続的にネットを揺らし、特に動き出しの質と回数、何より得点への意欲という点で、天性のストライカーであることを示した。

    FW中山雅史

    中山氏は前身のヤマハ発動機サッカー部時代から所属した磐田で3度のJ1リーグ制覇を経験するなど黄金期を築いた後、2010年から2012年にかけてコンサドーレ札幌(現北海道コンサドーレ札幌)、2015年から2020年にかけてアスルクラロ沼津に在籍。J1リーグ通算得点数は歴代4位の157得点で、特に1998年には4試合連続のハットトリックという偉業を成し遂げた。また、同年には27試合36得点で得点王にも輝いており、この記録は1シーズンにおける最多記録となっている。

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  • ベストシーン

    多くの印象的なシーンがノミネートされたが、『GOAL』ではストイコビッチ氏が1994年9月17日のJリーグNICOSシリーズ第11節名古屋グランパスエイトvsジェフユナイテッド市原で見せたリフティングドリブルを選出した。雨で水たまりができるようなピッチコンディションの中、セットプレーをしのいだところでボールを受けた“ピクシー”はボールを浮かせてリフティングで運んでラストパスを供給。華麗なプレーに誰もが魅了された。

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  • ベストゴール

    【ボレー/オーバーヘッド部門】

    宮本恒靖
    Jリーグディビジョン1第18節・川崎Fvs神戸 69分(2009/7/18)

    ボックス手前左からのパスに反応した宮本氏は跳躍して胸トラップ。真上に浮き上がったボールに右足を叩きつけ、ゴール左上隅を射抜く衝撃の一撃を突き刺した。

    【テクニカル部門】

    平山相太
    Jリーグディビジョン1第25節・横浜FCvsFC東京 89分(2007/9/15)

    ピッチ中央付近の左サイドでボールを持った平山氏は、身体を巧みに使いながら瞬く間にボックス内へ。最後はGKまでをも抜き去って無人のゴールに流し込むと、元フランス代表FWニコラ・アネルカ氏を真似したゴールパフォーマンスで自らの得点を祝った。

    【ミドル/ロングシュート部門】

    久保竜彦
    Jリーグディビジョン1第1節・浦和vs横浜FC 44分(2007/3/3)

    規格外の身体能力を有した久保氏はこの部門で2本ノミネートされているが、より助走の少なかった驚異の一撃を選出した。相手陣内中央付近でルーズになりかけたボールをキープしたところ、パスによる展開も予想された中で突如として左足を強振。前触れなく放たれた弾丸シュートがゴール右上隅を射抜いた。

    【フリーキック部門】

    エドゥー
    Jリーグサントリーシリーズ第6節・磐田vs横浜F 62分(1994/4/2)

    FKの名手エドゥー氏はゴールから約40メートルの位置でキッカーを務めると、迷わず左足で直接狙う。鋭くカーブしたシュートが美しい軌道を描き、ゴール左上のバーに跳ね返りながらゴールラインを割った。

    【ヘディングシュート部門】

    山岸範宏
    J1昇格プレーオフ準決勝・磐田vs山形 90+2分(2014/11/30)

    1-1で迎えた昇格プレーオフ準決勝の後半AT。レギュレーションにより、フルタイムを同点で終えた場合はリーグ上位の磐田が勝ち上がるという条件となっていた。そんな中で右CKを得た山形はGK山岸も上げて総力で得点を奪いに行く。すると、キッカーがニアに蹴り込んだボールに飛び込んだのはGK山岸。頭で合わせてゴール左に流し込み、クラブに歓喜をもたらした。

    【その他部門(パスなど)部門】

    アンドレス・イニエスタ
    明治安田生命J1リーグ第29節・神戸vs名古屋 60分(2020/9/30)

    左サイドの古橋亨梧からのパスを受けたドウグラスのヒールでの落としを受けたイニエスタは、数タッチの細かいドリブルで相手DFを引き付けて再び前線にパス。郷家友太がワンタッチで落とすと、ボックス手前右のイニエスタがダイレクトシュートを放ってゴール左下隅を射抜いた。チームの連係やビジョンの共有、個々の技術力などすべてが詰まった得点だ。

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  • ベストマッチ

    川崎F 1-2 仙台
    Jリーグディビジョン1第7節(2011/4/23)

    優勝や残留がかかった試合も多くノミネートされていたが、2011年3月11日の東日本大震災で大きな被害を受けた仙台の試合を選出。同クラブにとって震災後初の試合となった川崎F戦では、37分に失点を喫したものの、73分の太田吉彰の得点で反撃の狼煙を上げた。そして、選手たちの気迫のこもったプレーは87分に鎌田次郎のヘディング弾を生み、アウェイまで駆け付けたサポーターに歓喜の笑顔をもたらした。同シーズン、仙台は快進撃を続けてクラブ史上最高位の4位でフィニッシュしている。

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