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20240411-machida-kuroda(C)Getty Images

「勝率を高めるための作業を追求するのは必然でしかない」町田・黒田剛監督が神戸戦を前に語る現在地

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「初めに言っておきたいのは、まだ7試合しか消化していない段階だということです。マラソンでいけば、まだ5〜7km地点くらいの感覚ですよ。スタートダッシュには成功したけれども、それだけですよ」

 今の状況を問われて黒田剛監督は迷いなくそう答えた。第7節終了時点で5勝1分1敗での首位。J1昇格初年度でこれ以上ない成績だが、おごりや慢心はない。迎える13日の第8節では、昨季のJ1覇者・ヴィッセル神戸と国立競技場で対戦する。昨季J2時に町田は国立をホームとして東京ヴェルディと対戦し38,402人の観客を集めた。来る神戸戦において、その動員数を超えることは間違いないだろう。FC町田ゼルビアというクラブが迎える大一番。今、必要なものは何か。

聞き手:川端暁彦/取材協力:ABEMA

  • 20240411-machida-training-1Yuki Nagao

    ■広島戦の敗戦を反省材料に

    ——青森山田時代もそうでしたが、黒田監督のチームは負けた後の試合に強いですよね。サンフレッチェ広島に敗れた直後で迎えた川崎フロンターレ戦の勝利は見事でした。

     やっぱり、(敗戦によって)課題とか反省材料が明確になるので、そこをしっかりと改善させられるんです。負けた原因が分からないままになるというのが一番つらいわけであって。そこをキチッと共有することが大切ですね。

    ——広島戦を受けての修正ポイントは例えばどういう点だったのでしょうか。

     一番は出足のところですね。それからポジション修正や立ち位置、セカンドボールの回収率といった部分。あとは立ち上がりから攻勢に出られたとき、受けに回ってしまったところ。いろいろなところで問題は生じていたわけですが、新たなシステムのチャレンジもあったし、意図して取り組んできたことがあまりうまくいかなかったということもありました。4連勝していたときと比べると、やったこととやらなかったことの差と言えばいいんでしょうか。そこを反省材料としました。

    ——どこかで負けが来るのは必然で、それを受けてどうするかということが重要ですよね。

     長い長いリーグ戦の中で勝ち続けるだけなんてことは、もう100%ないですからね。負けたときに自分たちが何を考え、何を志向し、どう再構築していくか。そこにキチッと思いを寄せて取り組めることに意味があるわけです。負けても問題ないということではないけれど、でも負けることはあるので、まずはしっかりと自分たちで受け止めようということですね。自分も監督として「失敗したな」と思ったところもありましたし、そこは自分としても反省して改善していこうと思いましたね。その上で、次の試合へ向かっていくということが大事になると思います。

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  • 20240411-machida-kobe-kv© FCMZ

    ■新参者の我々は今までと違うことをやっている

    ——13日の神戸戦に向けて、町田は「塗り替えろ。Jの常識を。」というコピーを打ち出していますね。

     そうですね。まずJ1の新参者の我々が首位に立っているわけですが、日本サッカーのこれまでの流れとは違うことをやっているとも思います。ただ、いろいろなスタイルのチームがあって、いろいろな戦い方があって、それぞれが自分たちの強みを出したり、あるいは対策を巡らせたりする中で、相乗効果で日本サッカー自体が成長していければと思うし、Jリーグにおける刺激になりたいとは思っています。

    ——町田のサッカーはあらためて勝利からの逆算を重視されているように見えます。

     見る方によっては「勝利至上主義」みたいに言われることもありますよね。ただ、そういうことではないんです。相手のこと、選手の普段の取り組み、チームとして積み上げてきたものをリスペクトしつつ、リアリティを持って向き合いながら1%でも勝率を上げるために細かく取り組むこと。これは青森山田時代からずっと大事にしてきたことですし、この点に関してはプロの舞台でも通用している考え方だと思っています。

    ——リアリティ持って細かく追求していると言えば、町田のセットプレーはJ1でも脅威になっていますね。

     サッカーには偶然もあります。デザインされたセットプレーもありますが、セカンドボールからのゴールもあります。それも全部確率の問題なんです。リスタートは相手にプレッシャーをかけられずに蹴れる・投げられるチャンス。ここで相手にとって嫌なこと、心理学的なところも含めて、先読みして突いていけるか。そういう機会ですよね。

     町田では「セットプレーからの失点だから仕方ない」みたいな考え方はまったくしていません。これは勝負であり、プロスポーツですから、勝率を高めるための作業を追求するのは必然でしかないと思っています。

  • 20240411-machida-training-1Yuki Nagao

    ■その週にジタバタしても仕方ない

    ——あらためて神戸についての印象はいかがですか。

     昨年の王者であり、国立という大舞台での勝負になるので、そういった場に対する経験値も多い。本当に高い強度の中で90分走り回れる力もありますよね。今後必ず優勝争いに食い込んでくるチームだと思います。我々もそういう相手に、しっかりチャレンジしていきたいですね。

    ——黒田監督は常に「チャレンジャー」としての精神を大切にされていますよね。

     もちろん、いま首位でいることの喜びや幸せを感じてはいますよ。気持ち的に追われる立場になるのも首位でいるチームだけなので、そこはまずポジティブに考えています。ただ、我々はJ1初挑戦のチームなので、もちろん負けることもある。そのたびに一喜一憂しても仕方ないんです。横道に逸れてしまったり、足踏み状態になってしまったりすることもあるかもしれません。ただ、そのときに自分たちの中で早く気付き、目指しているその方向、ベクトルにチーム全体が乗っていけるようにしたいですし、そこで軌道修正する力というものが必要だと思います。

    ——国立への特別な思いはありますか。

     やっぱり高校サッカーで約30年間もその舞台を目指してやってきましたからね。国立に対する思いはありますよ。何万人も入ったお客さんの送るパワーが選手たちの背中を押してくれるのを感じたこともあります。逆に今までできたことが急にできなくなってしまうこともある。

     よく「国立には魔物が棲んでいる」とも言いましたよね。国立みたいな舞台に強い選手もいれば、そうじゃない選手も出てきたりします。そこも実際にやってみないとわからなかったりもするんです。もちろん神戸は力のあるチームですから、胸を借りるつもりでいきたい。われわれにとって失うものは何もないですから。

    ——最後に、神戸との国立決戦に向けて一言お願いします。

     高校サッカーでもそうでしたが、決勝とか準決勝を迎えるにあたって、その週にジタバタしても仕方ありません。今までやってきたことを信じてやるだけでしょう。選手たちには、自分たちがやってきたことを信じて、奮起させて、 最高のパフォーマンスを求めてもらうだけです。監督としては、まずは選手たちが平常心で戦えるように、きちんとマネジメントをしていきたいと思っています。

    【試合情報】
    明治安田J1第8節・FC町田ゼルビア vs ヴィッセル神戸
    4月13日(土)15 :00キックオフ
    国立競技場
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