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Amorim sacked featureGetty/GOAL

マンチェスター・Uでの解任劇はアモリム自らが招いた? 悲惨な結果と頑ななアプローチが続いた末路

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アモリム監督は最後の試合前会見でスポーツディレクターのジェイソン・ウィルコックス氏との関係に変化を問われると、何やら腹を立てる様子だったが、「その件については話したくない」ときっぱり。その言葉を3度も繰り返し、口を閉じた。だが、試合後の会見で上層部からの信頼を訊かれると、こう述べた。

「まず言っておくが、君たちはすべて摘まれた情報しか持っていない。私はマンチェスター・Uの監督として、ここに来た。コーチとしてではない。それははっきりしている。私の名前が(トーマス・)トゥヘルでも、(アントニオ・)コンテでも、(ジョゼ・)モウリーニョでもないのは承知済み。だが、私はマンチェスター・Uの監督だ。そして、(残る契約期間の)18カ月、あるいは上が交代を決断するときまで、この状態は続く」

このひと言もエッジが効いたものだったが、それだけにとどまらず、「監督であってコーチではない」と繰り返し述べ、「あらゆる部門…スカウト、スポーツディレクターはそれぞれの仕事を遂行すべきだ。私は18カ月の間、自分の仕事を全うするつもりで、次のステップに進む」と言い放っている。

だが、アモリム監督に与えられたのは結果として18カ月ではなく、19時間のみとなり、5日朝方に解任されてしまった。あのリーズ戦後の会見で発した言葉が辞任の声明だったとすれば、この結末への驚きも少なかったはず。チェルシーでのエンツォ・マレスカ氏や、ノッティンガム・フォレストでのヌーノ・エスピリト・サント氏(現ウェストハム監督)のように、メディアを介して上に抗議すれば、たいてい勝ち目がない。

  • Manchester City FC v Manchester United FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    責任転嫁するかのような言動

    アモリム監督はマンチェスター・Uを率いる間、ジェイミー・キャラガー氏のようなライバルチーム出身の解説者のみならず、クラブOBのウェイン・ルーニー氏や、ギャリー・ネヴィル氏、ポール・スコールズ氏からたびたび批判の的に。ただ、クラブにとって51年ぶりのリーグ戦最低成績を叩き出したほか、ヨーロッパリーグ(EL)決勝で敗れ、欧州カップ戦出場権を逃しても首脳陣の支持を感じてはいた。

    共同オーナーのジム・ラトクリフ氏は昨年10月、アモリム監督について、アーセナルが最初の3シーズンで苦戦が続いたミケル・アルテタ監督に軌道修正の時間を与えた点を指摘した上で「彼が優れた監督であるのを証明」すべく、3年間の猶予を授ける旨を明らかに。その前の6月には最高経営責任者(CEO)のオマール・ベラダ氏も「貫く信念や勝ちとったものを考えると、彼(アモリム)は計り知れない評価を得ている」と語ってもいた。

    さらに、マンチェスター・シティ時代に仕事をともにしたジョゼップ・グアルディオラ監督を例に挙げ、「最初の1年は彼の基準からすると、期待外れの成績だったが、それでも許された。クラブとして夏に彼を後押しすると、チームは勝ち始め、今季まで続く勝利のサイクルを築いている」とも評している。

    アモリム監督からしても、頼りにできるのは上層部だった。だからこそ、リーズの地で上層部に責任転嫁するかのような言動は少々驚きを誘った。

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  • Manchester United v Wolverhampton Wanderers - Premier LeagueGetty Images Sport

    こだわりはマンチェスター・Uの足かせに

    マンチェスター・Uがアモリム監督の首を切った直後のクラブ情報筋からはチーム内で揺るぎない信頼があり、権力闘争や、最後通牒もなかったとの主張が聞こえてくる。だが、アモリム監督とSDの間に不和が生じていたのは明らかで、指揮官に対して[3-4-2-1]のフォーメーションを変更するよう促しがあった模様だ。

    アモリム監督はこのシステムにこだわったが、少なからず予想されたように、終わりへと導くものに。この布陣がチームの足かせとなり、最終的に上層部との亀裂をも招いてしまった感がある。古くからアモリム監督を知る関係筋の話によれば、チーム選びなど、外から干渉されるのを嫌うタイプの指揮官。スポルティングCPでは上層部から全幅の信頼を得て、チーム選びや、補強に絶対的な権限を与えられていたが、マンチェスター・Uではそうではないのが表面化しつつあった。

  • ruben-amorim(C)Getty Images

    1970年以降で最悪の記録

    アモリム監督の解任はチームに進化や進歩の兆しが見受けられなかったためといわれる。昨季途中に就任したという判断をひとまず置いていても、時間がなかったわけではないだけに、クラブの異論を唱えるのは難しい。

    事実、過去14カ月の指揮で63試合を戦って24勝しか挙げられず、勝率にして38.7%。この数字はサー・アレックス・ファーガソン氏が監督を勇退して以降の指揮官としてはワースト。ルイス・ファン・ハール氏、エリック・テン・ハーグ氏、オーレ・グンナー・スールシャール氏、ジョゼ・モウリーニョ氏、デイヴィッド・モイーズ氏でもそれ以上の勝率を記録している。

    マンチェスター・Uにとって、過去最低の勝率だったのは1970年代初頭のフランク・オファレル体制以来。マルアン・フェライーニしか獲得できず、指揮を託されたモイーズ氏と比べても、アモリム監督にはその補強面でのサポートもあり、チームを編成できる環境にあった。

  • Manchester United v ACF Fiorentina - Pre-Season FriendlyGetty Images Sport

    手厚い支援

    アモリム監督が着任してからのマンチェスター・Uは2025年冬にウイングバックの新たなオプションとして、パトリック・ドルグを獲得。その傍らで、マーカス・ラッシュフォードをチームから外したのも大きなトピックといえる。だが、ラッシュフォードはアストン・ヴィラでのプレーを挟み、今季からバルセロナに移ると、代表にも返り咲くほどのプレーを披露。アモリム監督にとって、失策かもしれない。

    そして、今季を迎えるにあたっては総額2億1600万ポンドを費やしてマテウス・クーニャ、ブライアン・エンベウモ、ベンヤミン・シェシュコ、センヌ・ラメンスを獲得。プレミア内で5番目に支出額が多く、純支出でもアーセナルとリヴァプールに次ぐ3位となるほどの補強だった。

    中盤よりもアタッカー陣に振り切った補強策はアモリム監督が望むもので、より強力な前線を擁してシーズンインしたマンチェスター・Uだが、国内に一点集中できるというアドバンテージがあるにもかかわらず、この状況をうまく活用できず。プレミアリーグこそ現在6位と来季の欧州カップ戦出場を狙っていける状況だが、カラバオカップで早々に敗退している。

  • Manchester United v Everton - Premier LeagueGetty Images Sport

    ホームでの戦績と生え抜きの軽視

    ここまでの戦いぶりを見ると、プレミアリーグでの順位はラッキーな部分も否めないか。直近11試合では3勝にとどまり、その間に対戦した上位はアストン・ヴィラのみ。勝てなかった試合もここまで最下位に沈むウォルヴァーハンプトンや、ウェストハムといった不振が続くチームが含まれる。

    そんなマンチェスター・Uでもどしかしいのはホームでの戦績。直近5試合で見ても、勝ち点6しか掴めず、ウォルヴァーハンプトン、ウェストハム、ボーンマスとはそれぞれ勝ち点1止まりに終わっている。唯一勝利したニューカッスル戦も後半に相手が盛り返した展開とあって、何とか勝った感のある試合だった。

    結果が何よりも大事で、それができなかったアモリム監督だが、クラブ全体をまとめる部分でも足りなかったか。クラブのアカデミーを軽視するかのようにラッシュフォードや、アレハンドロ・ガルナチョを放出し、コビー・マイヌーにもほとんど出番を与えなかった。生え抜き選手を大事にするファン層の支持を大きく損なってしまったところもある。

  • FBL-ENG-PR-MAN UTD-WOLVESAFP

    チームの士気を下げる言動の数々

    そして、かつてのアモリム監督からはベンチ外が続いたラッシュフォードにGKコーチを務めるジョルジ・ヴィタル氏の方がメンバー入りにふさわしいとの発言や、最近では「マンチェスター・U史上最悪のチーム」とのコメントも聞こえてきたことがある。

    昨季までマンチェスター・Uでプレーしたクリスティアン・エリクセンは最近、こうした発言にいち所属選手として感じた当時の心境を明かしており、「あれは選手からしてまったくプラスにならなかった。内部でなら言ってもいいけど、外部で言うのは賢明じゃない。全力を尽くそうとしている選手によりプレッシャーをかけ、レッテルを貼るようなものだからだ」などと振り返っている。

    こうして閉じたアモリム監督の時代だが、振り返れば、かなりの見出しが飛び交い、いいものも数少なかったといえる。それ故、多くのファンや識者からすれば、14カ月も経つ前にもっと早く解任すべきだったと考える者もいるかもしれない。ヨーロッパリーグ決勝での敗戦や、昨年9月のブレントフォード戦での敗戦はそのタイミングだったか。

    昨季途中の就任から首脳陣から信頼を寄せられ、指揮を続けたアモリム監督だが、その上層部に非難するような発言を飛ばした後、もはや逃げ場所などなかった。

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