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2026年W杯に臨むイタリア代表は…カナダ・メキシコ・アメリカ大会のメンバーはどうなる?

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カタール・ワールドカップ(W杯)の全日程が終了し、アルゼンチンが36年ぶりの戴冠。ドラマティックな大会となった中、歴代2位となる4度の優勝を誇るアッズーリの姿がなかったことは今大会の大きなトピックが一つ減ったことを意味していた。

2026年までの契約を結ぶロベルト・マンチーニ監督のチームは、失意のカタール行きを逃してから既にリスタート。多くの若手選手を積極登用している中、今回は少し気が早いが4年後にカナダ・メキシコ、アメリカ共催のW杯でイタリア代表がどのようなメンバーとなるのか、イタリア在住ジャーナリストの片野道郎氏が展望する。(文中の年齢は次回大会時)

  • Gianluigi-Donnarumma(C)Getty Images

    GK:ジャンルイジ・ドンナルンマ(PSG)27歳

    ミランでのデビューが7年前の2015年、代表でも2019年から正GKを務めているだけに、すっかりベテランの風格すら漂わせているが、実はまだ23歳。2026年はもちろんさらに4年後の2030年にもなおアッズーリ守護神の座に君臨すべき大黒柱である。

    196cmという大柄な体格に爆発的な瞬発力と高いセービング技術、的確な読みとポジショニングを合わせ持ち、GKの本分であるゴールキーピングに関しては世界のトップ3を争うレベルにある。EURO2020優勝を経て、所属するPSGでも今シーズンからケイラー・ナバスに替わって正GKを務めており、足りないと言われていたトップレベルでの国際経験も今では十分以上。2026年には絶対的なリーダーとしてチームを引っ張るはずだ。

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  • Davide-Calabria(C)Getty Images

    右SB:ダヴィデ・カラブリア(ミラン)29歳

    全ポジションで最も人材難なのが右サイドバック。現時点で不動のレギュラーであるジョヴァンニ・ディ・ロレンツォは2026年に33歳を迎えるが、現時点でその彼を脅かし得る存在はこのカラブリア以外に見当たらない。

    スピードや1対1の突破力など、ライン際を縦に仕掛ける従来型攻撃的SBとしてのクオリティは際立っているわけではない。しかし所属するミランでは、攻撃の局面で大外レーンだけでなく一列中に入ったインサイドレーンにも入り込んでビルドアップや仕掛けに絡み、時にはゴール前にまで顔を出す。MF的な動きもできるマルチロール型の戦術的SBとして高い機能性を発揮しており、そのプレースタイルは「ボール支配によるゲーム支配」に基盤を置くマンチーニ監督のアッズーリにも適合性が高い。これからの4年間、新たなタレントが急速に台頭してこない限り、ディ・ロレンツォとカラブリアがポジションを争う構図が続きそうだ。

  • Giorgio-Scalvini(C)Getty Images

    右CB:ジョルジョ・スカルヴィーニ(アタランタ)22歳

    ボヌッチ、キエッリーニという伝説的なペアが長年君臨してきたセンターバックは、イタリアが誇る堅守の伝統を継承する新世代の台頭が渇望されるポジション。その中で「ボヌッチ枠」にあたる右利きのCBとして急成長中なのがスカルヴィーニだ。

    194cmの長身ながら身のこなしは柔らかく、ゴール前でのデュエルに強いだけでなく、セントラルMFとしても十分に通用するテクニックと戦術眼も備えており、ビルドアップの起点となる「最終ラインのレジスタ」としては適任。高く押し上げた最終ラインの裏をケアできるスピードには欠けるため、2CBのパートナーにはそれをカバーできるスピードを備えた左利きのCBを選びたいところ。逆にスピードのある右利きCBとしては同じアタランタのカレブ・オコリの成長が期待される。

  • Alessandro-Bastoni(C)Getty Images

    左CB:アレッサンドロ・バストーニ(インテル)27歳

    2CBの「キエッリーニ枠」に関しては、すでにこのバストーニが不動の左CBとしてその地位を確立した観がある。190cmという体格を活かしたデュエルの強さに加え、身長の高さを考えれば十分なスピード、長短のパスを正確に蹴り分ける左足のビルドアップ能力を持ち、国際レベルでの経験値もクラブと代表の双方で着実に積み上げている。大舞台には不可欠なパーソナリティの強さも備えており、若手CBの中では経験と実力の両面で最も信頼できる存在だ。

    左利きのCBとしては他にもヴィーティ(モナコ)、ボンジョルノ(トリノ)、ピローラ(サレルニターナ)と若手が台頭してきており、数年後は思ったよりも競争が激しくなっているかもしれない。

  • Destiny-Udogie(C)Getty Images

    左SB:デスティニー・ウドジエ(ウディネーゼ)23歳

    右サイドほどではないにせよ人材不足が続いてきたアッズーリの左サイドにようやく現れた、パワー、スピード、テクニックを合わせ持つビッグタレントがウドジエだ。ナイジェリア人の両親の下イタリアで生まれ育った移民2世で、地元ヴェローナのアカデミーから18歳でトップチームにデビュー。続く21-22には移籍したウディネーゼで左ウイングバックとして大ブレークし、それに注目したトッテナムが1800万ユーロを投じて保有権を買い取った(今シーズンはレンタルでウディネに残留)。

    188cmの恵まれた体格を活かした縦の突破からのクロスはもちろん、ゴールに向かって斜めに切れ込みフィニッシュにも絡めるパワフルな攻撃的WB。4バックのSBとしての機能性は未知数だが、例えばテオ・ヘルナンデス(ミラン/フランス代表)のような超攻撃的SBとしてその才能を花開かせる可能性は十分だ。右SBにカラブリアやディ・ロレンツォのようなバランス型を置けば、攻撃時には左肩上がりの可変3バックを採用することも可能だろう。

  • Fabio-Miretti(C)Getty Images

    アンカー:ファビオ・ミレッティ(ユヴェントス)22歳

    EURO2020でレジスタ(ゲームメーカー)として圧倒的な存在感を発揮し優勝の立役者となったジョルジーニョは、2026年には34歳を迎える。高強度の運動量はそれほど求められないポジションだけに、かつてピルロがそうだったようにその年齢でもなお健在という可能性はあるし、やはり同世代のヴェラッティも一列ポジションを下げてここでプレーできるクオリティの持ち主だ。とはいえさらに先までを見据えると、やはりふさわしい後継者がほしいところ。その第一候補となり得るのが、ユヴェントスで急台頭している19歳ミレッティだ。

    トップ下としても機能できるテクニックと戦術眼の持ち主だが、ラスト30mで違いを作り出すスピードには欠けるため、本領発揮の舞台はやはり中盤。まだ19歳で今後どのポジションでキャリアを築くか未知数の部分もあるが、常に的確な身体の向きを作り、少ないタッチ数で攻撃のリズムとタイミングを司る戦術眼に優れており、ジョルジーニョの後継者となり得る資質は十分だ。インサイドハーフには人材豊富な反面、高いクオリティを備えたレジスタは手薄というのがイタリアの現状だけに、ミレッティにはこのポジションでの活躍を期待したいところだ。

  • Nicolò-Barella(C)Getty Images

    右インサイドハーフ:ニコロ・バレッラ(インテル)29歳

    現時点においてすでに、イタリアが世界に誇る数少ないワールドクラスの1人として、アッズーリの中盤において絶対的な地位を築いているのがバレッラ。EURO2020で示した通り、90分を通して攻守のあらゆる局面に積極的に関与し、決して試合から消えることなく高いパフォーマンスを安定して発揮し続ける、文字通りアッズーリのダイナモと呼ぶべき存在だ。

    身長172cmと体格は小柄だが、攻撃ではビルドアップから前線への攻め上がり、守備ではプレッシングからボール奪取まで、MFに求められるあらゆるクオリティをきわめて高いレベルで持ち合わせる万能型のフットボーラー。闘争心が強過ぎるがゆえに時に無用なファウルや抗議で自らを窮地に追いやるところが玉に瑕だが、今後の成熟を通してそれも克服されるはず。EURO2024、そして2026年の北米W杯でも中盤のリーダーとしてチームを引っ張る姿が見られるはずだ。

  • Sandro-Tonali(C)Getty Images

    左インサイドハーフ:サンドロ・トナーリ(ミラン)26歳

    インサイドハーフはイタリアで最も人材豊富なポジション。とはいえ右はバレッラが譲らないだろうから、左は5~6人が鎬を削る最激戦区になってくる。その中で攻守両局面の貢献度、パフォーマンスの安定性、困難な状況におけるパーソナリティとリーダーシップという点で、少なくとも現時点で頭1つ抜け出しているのはトナーリだろう。

    セリエAデビュー前に18歳でA代表に招集された早熟のタレントだが、ブレシアからミランに移籍して1年目の20-21はステップアップの重圧に抗せず不本意なシーズンに終わった。しかし続く21-22には見違えるような覚醒を見せてミランのスクデット獲得に貢献、今やアッズーリでもレギュラー候補としての株を上げてきている。同じブレシア出身のピルロになぞらえられることが多かったが、タイプ的にはむしろダニエレ・デ・ロッシに近い攻守両局面に「質と量」を双方をもたらすバランス型だ。

    このポジションは他にもよりトップ下に近い攻撃的なロレンツォ・ペッレグリーニ(ローマ)、縦の攻め上がりが持ち味のフラッテージ(サッスオーロ)、ゲームメイクもできるロカテッリ(ユヴェントス)から、まだ10代だが大物として将来を嘱望されるカザデイ(チェルシー)、エンドゥール(ベンフィカB)まで多士済々だ。

  • Nicolò-Zaniolo(C)Getty Images

    右ウイング:ニコロ・ザニオーロ(ローマ)26歳

    トナーリ同様セリエAデビュー前に18歳でマンチーニ監督に招集され、アッズーリの未来を担うビッグタレントとして期待を一身に集めたザニオーロだが、二度に渡って膝の靭帯損傷という大怪我に見舞われ2シーズンを棒に振るなど、今なおその才能を全面的に開花させられないまま23歳を迎えている。

    190cmという恵まれた体格に爆発的なスピードと左足の優れたテクニックを兼ね備え、前にスペースがあるところでボールを持てば単独突破からのシュートで決定的な違いを作り出す。ただ独力で局面を打開する力を持つがゆえ、それに頼り過ぎて周囲との連携など戦術的な側面がやや未熟なのと、パフォーマンスにムラが目立つところが課題。とはいえこれからの4年間でそうした欠点を克服し、持てるタレントをチームの文脈の中で発揮する力を身に着ければ、攻撃の中核的存在としてアッズーリの前線に君臨するだけの器であることは確か。「成長」以上に「成熟」が期待される大器だ。

  • Federico-Chiesa (C)Getty Images

    左ウイング:フェデリコ・キエーザ(ユヴェントス)28歳

    EURO2020で決定的なゴールを連発して優勝への道を開いたキエーザは、29歳というキャリアのピーク期に2026年を迎える。昨秋に膝の靭帯断裂という大怪我を負い、先頃ようやく復帰を果たしたばかりであり、当面は、焦らずに実戦を積み重ねて故障前のパフォーマンスを取り戻すことに専念することになるだろう。しかし、その爆発的なスピードと突破力、そして無から決定機を作り出す際立ったゴールセンスに、アッズーリにとってEURO2024そして次のワールドカップに向けた強力な武器としての期待が集まっていることに変わりはない。

    左サイドから「逆足」で仕掛ける右利きのアタッカーとしては、キエーザと同タイプながらさらに爆発的なスプリントを持ちセカンドトップとしても機能できる19歳のニョント(リーズ)、ブラジルとの二重国籍を持ちトリッキーなテクニックによる突破とファンタジアを持ち味とするヴィニャート兄弟の弟サムエレ(モンツァ)といった新たなタレントも生まれており、彼らの成長も2026年に向けた大きな注目点だ。

  • Giacomo-Raspadori.(C)Getty Images

    センターフォワード:ジャコモ・ラスパドーリ(ナポリ)26歳

    結局その圧倒的な才能を全面開花できずに終わったバロテッリを最後に、最前線でフィニッシュを担う絶対的なストライカーを輩出できない悩みが続いている。その一方でザニオーロやキエーザ、あるいはニョントのようなウイングタイプのアタッカーにむしろ人材が多い現状を考えれば、センターフォワードにはむしろ前線を広く動いて周囲と連携し、あるいはスペースを作り出して攻撃の流動性を高めるダイナミックなタイプを起用するのもひとつの方向性。その点で期待を集めているのが、ナポリでそうした役割を担って効果的に機能しているラスパドーリ。

    身長172cmと小柄ながら戦術センスとスペース感覚に優れ、前線を動きながら仕掛けとフィニッシュに絡んでいく、ジョアン・フェリックス(ポルトガル)を彷彿させるタイプで、最前線で基準点として機能する古典的なセンターフォワードとは違う形で攻撃を活性化し、ゴールだけでなくアシストやチャンスメイクでもチームに貢献するCFという役割でチームに不可欠な存在となる可能性を備えている。

    同じ2000年生まれでタイプ的にやや近いが、よりスピードがあり縦方向のダイナミズムが持ち味のケーン(ユヴェントス)も、17歳でセリエAデビューを果たしてから5年を経て一皮むけつつあり、これからの数年間で大きく飛躍する可能性を残している。

    またひとつの戦術オプションとして常に必要かつ有効な基準点型の大型CFとしては、アヤックスに移籍して頭角を表しつつあるルッカ、サッスオーロからウェスト・ハムにステップアップしたスカマッカなどの成長が期待されている。

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