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ヤマルがさすがの活躍を披露すればレスター逸材もベリンガム超えのゴール記録! 先週光った若き才能は?【NXGN Weekly】

いよいよ新シーズンが到来。これからの10カ月で世界に存在を知らしめるヒーローが現れることだろうが、ベテランと呼ばれる選手と争うだけの力を持ったティーンエイジャーこそ、スポーツ界で最もエキサイティングな存在だ。

『GOAL』はこれまで若き才能に目を向け、『NXGN』企画で注目したジュード・ベリンガム、ジャンルイジ・ドンナルンマらは今や一流に数えられる選手に。アーリング・ハーランド、ウスマン・デンベレらも特集で取り上げた選手だ。

今後も次世代の才能を発掘し続けていくなか、新たに週ごとの若手特集企画として『NXGN Weekly』がスタート。今後のサッカー界をリードしていくであろう若手の最新動向を紹介する。

  • Lamine YamalGetty Images

    ヤマルの活躍は無視できず

    現状、ラミン・ヤマルを無視するのは不可能だ。昨年のバルセロナとスペイン代表で披露した異次元の活躍ぶりですでに力を証明済みだが、年明けからさらに凄みが増しており、「現在のベストプレーヤー」との呼び声も高い。

    先のラ・リーガ開幕節でも圧巻のプレーを披露し、1得点1アシストと活躍。ゴールの形は今や代名詞とも言える右から切り込んでの左足フィニッシュだった。この試合が10番としての初となる公式戦となり、魔法がかったプレーを見るたびに、これからますますとリオネル・メッシとの比較論も加熱することだろうが、同列で語られるのも否定し難くなりつつある。

    あのメッシはヤマルの今の年齢ぐらいでトップチームでレギュラーに加わり始めたが、新10番はすでにトップチームで107試合の出場数を積み上げている。

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  • Gilberto Mora Tijuana 2025Getty Images

    メキシコの新たなプリンス

    ヤマルは今後のスペインを少なくとも10年ほど中心選手として引っ張るはずだが、世界に目を向けると、次世代のリーダー候補はなかなか現れるものではなく、その典型的な例がメキシコだ。

    だが、ジルベルト・モラの台頭によって、それが大きく変わり始めている。15歳だった2024年8月に母国クラブのティフアナでデビューして以来、モラは瞬く間に台頭し、今年7月のゴールドカップ優勝時に先発メンバーとして活躍した。

    クラブに戻ってからも次世代の才能としての力を発揮。今月初旬のリーグスカップではロサンゼルス・ギャラクシーから2ゴールを奪ってみせ、直近5試合でも3ゴールと活躍中だ。

    アタッカーとして活躍を続けることでバルセロナやマンチェスター・シティなどの関心話も。だが、ヨーロッパに渡れるのは18歳になる2026年10月以降というのを注意書きしておくべきだろう。

  • モンガが存在感を示す

    バーミンガム・シティ時代のジュード・ベリンガムを代表例に数々の記録を破る選手に注目が集まるのは当然の成り行きといえる。レスター・シティでプレーするジェレミー・モンガもその1人だ。昨季はプレミアリーグ史上2番目に若い15歳でデビュー。チームのチャンピオンシップ降格に伴って今季から2部でのプレーだが、存在感を示している。

    マンチェスター・シティの興味も噂されたが、今年6月にレスターとの奨学金契約にサイン。その後、今季のここまで公式戦3試合に出場しており、直近のプレストン戦ではトップチーム初ゴールを決めている。

    16歳37日でのゴールはベリンガムを上回るチャンピオンシップ史上最年少得点記録となり、レスターでも先日のクラブ最年少先発記録を塗り替えたばかりだが、クラブ最年少得点者に。モンガがベリンガムや、クラブのレジェンドであるピーター・シルトンの記録を破り続けるのは非現実的に思えるかもしれないが、スター選手になるだけの才能があるのは間違いない。

  • Jadiel Pereira da Gama PEC Zwolle 2025-26Getty Images

    エールディビジ記録を破る

    先週末のヨーロッパで新たな歴史を作ったのはモンガだけではなく、オランダでもズヴォレでプレーするヤディエル・ペレイラ・ダ・ガマがエールディビジ最年少出場記録を更新。ヴィム・クラース氏がフォレンダムで記録して以来、59年間にわたって守り続けた記録を破ってのものだ。

    15歳のペレイラ・ダ・ガマはオランダの世代別代表の常連であり、高い志の持ち主という一面も。先の『ESPN』では「チャンピオンズリーグでプレーしたい。ラミン・ヤマルのように16歳であの舞台に立っているのが夢だ」と大きな野望を明かしている。

    その試合ではオランダ代表のロナルド・クーマン監督がテルスターでプレーする息子のロナルド・クーマン・ジュニアのプレーぶりをチェックするために現地で観戦。ペレイラ・ダ・ガマはそれにジョークを飛ばすなど、メディア対応も軽々とこなしており、すでに成熟した選手であるのも感じさせる。この試合が今後に与えられる多くのチャンスの第一歩となるのを願うばかりだ。

  • スパーズ加入迫る若手が躍動

    トッテナムは若手中心の移籍戦略を継続し、ルーカス・ベリヴァルとアーチー・グレイが主力として計算される選手へと成長している。今夏はハイドゥク・スプリトから加入したルカ・ヴシュコヴィッチが新たに注目され、来年1月には争奪戦を制する形でセント・パトリックス・アスレティックからメイソン・メリアがやってくる。

    15歳でアイルランドリーグ最年少得点記録を更新したメリアは現在17歳で、今年に入ってリーグ戦で9ゴールとさらに新たなレベルへ。さらに先のFAIカップ3回戦ではチームを勝利に導くゴールを決め、二桁ゴールに到達している。

    直近のリーグ戦3試合でも4ゴールを決めており、先のカンファレンスリーグ予選では対戦したベシクタシュの敵将であるオーレ・グンナー・スールシャール監督が賛辞。アイルランドのシーズン終了は今年11月だが、この調子を維持できれば、自信をもってイングランドのサッカー界に飛び込んでくるはずだ。

  • Giovanni Leoni Liverpool 2025Getty Images

    リヴァプール守備陣を立て直す一手に?

    そして、先週末にはまた新たに10代選手の移籍が実現し、リヴァプールはパルマから18歳DFのジョバンニ・レオーニを獲得。移籍金は最大で3000万ポンドになる可能性があり、昨季のプレーぶりを見ればリヴァプールでも成功する姿をイメージしない理由などない。

    レオーニは昨年11月にトップチームデビューを果たしたばかりだが、イタリア国内ではアレッサンドロ・バストーニの長期的な相方として期待する声も。リヴァプールではすぐに戦力として計算されるか読めない部分もあるが、プレミアリーグ開幕節で露呈した守備の問題点を考慮すると、フィルジル・ファン・ダイクの後継者としてチャンスが巡る可能性もそう遠くないかもしれない。