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Man Utd season preview 2025-26 GFX 16:9Getty/GOAL

マンチェスター・U 2025-26シーズンプレビュー:目指すは「ブルーノ依存からの脱却」と「CL復帰」?

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昨季途中着任のルベン・アモリム監督は率いてまもなく「嵐が来る」と言い、その言葉通りのシーズンとなってしまったマンチェスター・U。勝ち点、順位、得点はいずれもクラブ史上51年ぶりの最低を叩き出したほか、ヨーロッパリーグ(EL)においてもプレミアリーグでより下の順位に沈み、17年にわたって主要タイトルから遠ざかっていたトッテナムに敗れるという屈辱を味わった。

昨季の締めくくりで「この惨憺たるシーズンを経て、みなさんに『良い日々が戻ってくる』と伝えたい」と挨拶したアモリム監督だが、来たる今季はその言葉通りとなるか。指揮官自身も選手の実力を引き出し切れていない節があるが、今夏にマテウス・クーニャ、ブライアン・エンベウモ、ベンヤミン・シェシュコがアタッカー陣に加わり、昨季の状況から必ずや変わるはずだ。

そんな今夏はアモリム監督にマーカス・ラッシュフォードや、アレハンドロ・ガルナチョ、アントニーといった一掃する権限も託され、スカッド作りにおいて事実上、指揮官に一任される形に。これからはそれらを効果的に活用し、チームを成功に導く責任が指揮官にのしかかってくる。

  • Tottenham Hotspur v Manchester United - UEFA Europa League Final 2025Getty Images Sport

    オールド・トラッフォードの雰囲気

    昨季よりも悪いシーズンを思い出せるのは1960年代以前に生まれたマンチェスター・Uサポーターだけ。それ故、来たる新シーズンに向けては当然ながらこれ以上の下はないと楽観的な見方が広がるのも無理ない。

    クラブは長年の課題である得点力不足を解消すべく、まったく新たな3トップを結成。特に、クーニャに対してはオマール・ベラダ最高経営責任者(CEO)をはじめ、一部のクラブ関係者からあのエリック・カントナ氏と比較する声も上がるほど、大きな期待がかけられるようだ。

    シェシュコに関しては高額な移籍金で加入したといえど、ラスムス・ホイルンドと同じく若きストライカーであり、これといった得点記録もない点から一抹の不安があるが、ポテンシャルは十分。エンベウモはすでにプレミアリーグで実力を証明済みとあって、チームの得点力アップに貢献するだろう。

    多くのファンは新たな中盤の必要性からカルロス・バレバの俺ペーション成立にも期待を寄せる傍らで、依然としてアンドレ・オナナに懐疑的な目も。アモリム監督に対してはEL決勝での負け方に不満が残るといえど、支持派が多いが、チームがいいスタートを切れなければ不穏な空気が漂いうる。

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  • Mbeumo Sesko CunhaGetty

    移籍市場における動向

    マンチェスター・Uは昨季が終わるや否や即座に市場で動き、クーニャを獲得。その後、エンベウモの獲得に長い道のりを要したが、シェシュコも射止め、新たな左サイドバックとして18歳のディエゴ・レオンの加入を決めている。

    退団選手はというと、引退のジョニー・エヴァンスをはじめ、クリスティアン・エリクセンやヴィクトル・リンデロフが退団。後にラッシュフォード、イーサン・ウィートリーとダニエル・ゴアがそれぞれレンタル移籍した。

    今後もさらに多くの選手に退団が見込まれており、ガルナチョはチェルシー行きの見通しで、ジェイドン・サンチョ、アントニー、タイレル・マラシアも移籍先を模索。ホイルンドはミランにローン移籍を果たすと思われる。

    補強に関してもまだ動きが取り沙汰されており、上述したように、バレバの獲得で中盤強化となるかが見どころだ。

  • Patrick Dorgu, Bruno Fernandes, Manchester United Getty

    プレシーズンでのパフォーマンス

    マンチェスター・Uはこのプレシーズン中に5試合をこなしており、リーズとの初戦は0-0のドロー。その後のアメリカ遠征ではウェストハムを2-1、ボーンマスを4-1で連破した後、エヴァートン戦こそ2-2のドローに終わったものの、プレミアリーグ・サマーシリーズを制した。

    帰国後は本拠地でダビド・デ・ヘアの凱旋ゲームでもあったフィオレンティーナ戦を1-1の末にPK戦で勝利。ウェストハム、そしてボーンマスとの試合ではスピード感と流動性のあるプレーでファンの見通しを明るくし、ブルーノ・フェルナンデスとクーニャの良好な連携とパトリック・ドルグの期待感も収穫だ。

    一方で、エヴァートン戦のようにトランジションの鈍さなど、気がかりな点も。ブルーノはその点を「怠慢」と言い放ち、チームとして負けなしの結果で切り抜けたが、実力のある相手との対戦がなかったのも注意書きしておく必要がある。

    元マンチェスター・Uのニッキー・バット氏も「フィジカルがかなり強くなったし、特に新加入選手のおかげで存在感も増している。改善しているのは確か」としつつ、「プレミアリーグで試合をするまでどれだけ成長できたかわからない」と評価に慎重だ。

  • Ruben Amorim Man UtdGetty

    戦術的アプローチ

    アモリム監督はこれまでチームの不振ぶりを包み隠すことなく話してきており、ブライトン戦後に発した「マンチェスター・U史上最悪のチームかも」との言葉が話題に。このプレシーズン中にも「あれだけ負けて監督が留任したビッグチームを思い出そうとしても見つからないはず」と述べている。

    だが、アモリム監督はプレシーズンからフルにチームを見て、総額2億ポンド以上の資金で新たにアタッカー陣を手に。練習試合不足や、過密日程もなくなり、成績が悪かろうが、もはや言い訳ができなくなる。

    そんな今季だが、開幕から厳しい戦いが続き、最初の8試合でアーセナル、マンチェスター・シティ、チェルシー、リヴァプールと強敵がずらり。お馴染みの[3-4-2-1]のシステム継続を明言しているアモリム監督だが、その布陣にフィットする選手を起用できるか否かが鍵になりそうだ。

  • Bruno Fernandes Manchester United 2025Getty

    チームの最重要選手

    華やかな新加入選手が加わったが、ブルーノがあらゆる意味で今季のマンチェスター・Uで最も重要な選手であり続けるはず。マンチェスター・Uが決して財政事情的に余裕がないにもかかわらず、アル・ヒラルからの8000万ポンドの破格オファーを蹴ったのがすべてだ。

    そんなブルーノは昨季、プレミアリーグで最も多くのチャンスを演出して、10アシスト止まりだったが、マンチェスター・Uがクーニャ、エンベウモ、シェシュコの新たな攻撃陣を作り上げたことで、アシスト数がさらに伸びてくるに違いない。

    また、クーニャとエンベウモの存在はブルーノの負担軽減にもひと役買うはず。そのなかで、チームとしても守備的な役割からチャンスメークまでのほぼすべてをブルーノに任せる過度な依存から脱却を目指す。

  • Chido Obi Man UtdGetty

    ブレイク候補

    デンマークに現る大器ストライカーのチド・オビは育成年代で驚異的なペースでゴールを量産して名を馳せた後、昨年9月にアーセナルからマンチェスター・Uに移籍を決断。マンチェスター・Uに移ってからも活躍を続けると、昨季の何試合かで1stチームでもプレーし、クラブ史上最年少となる17歳と156日での先発記録も樹立した。

    昨季は相手の脅威になるプレーを披露しつつ、荒削りな部分ものぞかせたが、香港でのプレシーズンでは2ゴールの活躍も。シェシュコの加入で出番が限られそうだが、まだ17歳という年齢を考えると、過度のプレッシャーを避ける意味で必ずしも悪くないことではない。カップ戦などでの出場を通じて適応していくなかで、得点力を発揮する日を期待したいところだ。

  • Amad Diallo Man Utd 2025Getty Images Sport

    目指す成功とは?

    クラブの財政面や今夏の補強ぶりなどを考慮すると、チャンピオンズリーグ(CL)返り咲きが最低限の目標になるだろう。今季はヨーロッパでの戦いがないとあって、FAカップとカラバオカップの重要度が高まり、そこでの好成績を目指したい。アモリム監督にとっても、ウェンブリー・スタジアムでトロフィーを掲げることがファンとの結びつきをより強固にしていく上で役立つはずだ。

  • Bryan Mbeumo Matheus Cunha Manchester United 2025-26Getty Images

    大胆に予想すると…

    では最後に、これまで分析した結果に関係なく、マンチェスター・Uの2025-26シーズンで起き得るかもしれない大胆な予想を行ってみる。

    シーズン最優秀選手:ブルーノ・フェルナンデス

    キャプテンにとって、待ち望んだような攻撃陣とのシーズンに。同じクオリティを持ち、同じ志を持つ選手と組めば、その才能を遺憾なく発揮できるはずだ。

    期待外れ選手:アンドレ・オナナ

    今期開幕前から資質が疑問視されるなか、ケガでプレシーズンを不参加。早くも周りからの風当たりが強まり、本人にとって理想的な準備期間にはならなかった。

    最高の補強:マテウス・クーニャ

    クラブが切望したメンタリティとタリスマン的な能力を兼備。ファイナルサードで魔法をかけるブルーノの負担軽減役として期待したいところだ。

    チーム得点王:ブライアン・エンベウモ

    中位クラブでコンスタントな活躍を披露。そして今やその実力を新たな次元へと引き上げる絶好のチャンスを手にしている。

    リーグ順位:5位

    昨季から大きく順位を上げた格好だが、まだトップ4入りを果たすには至らず。ただ、この順位であれば、昨季のニューカッスルのようにCL復帰のチャンスが舞い込みうる。

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