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Slot Liverpool big job GFXGetty/GOAL

時代の終焉か、栄光の幕開けか…プレミアリーグ連覇を目指すリヴァプールでスロットにとって最大の挑戦が今始まる

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前任のユルゲン・クロップはプレミアリーグを制するという苦難の道のりを歩き切ったメンバーで再び優勝できるという自負があった。そして、彼の予想は正しかった。

残念ながら、再びタイトルが舞い込んだのは彼が退任した翌シーズンだったが、クロップは後任のアルネ・スロットがオランダ人指揮官として初めて1年目からリヴァプールを20度目の優勝に導き、喜んでいるはずだ。

しかも、リヴァプールはただ優勝しただけでなく、2位アーセナルに15ポイント差をつけての独走。スポーツディレクターのリチャード・ヒューズをはじめ、その仲間たちにとって、クロップの後任としてこれ以上の人選はなかったというのを強調するものといえる。

しかしながら、リヴァプールの圧倒的な独走劇による優勝と後任人事の見事な成功の裏で、これが新しい時代の幕開けではなく、いち時代の終焉なのではないかとの疑問もある。

  • Liverpool FC v Southampton FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    優勝チームながら奇妙な状況

    リヴァプールは今季のプレミアリーグで最高のチームだった。その差は歴然。リヴァプールはどこよりもゴールを決め(80ゴール)、失点数ではアーセナル(29失点)に次ぐ少なさ(32失点)だ。サポーターや識者の多くが今夏に大きな補強を施す必要があると考えるのは奇妙な話だが、異論を唱えるのは無理がある。

    実のところ、リヴァプールは昨夏、2人の獲得にとどまったが、そのうちの1人(フェデリコ・キエーザ)はほとんどプレーしておらず、もう1人(ギオルギ・ママルダシュヴィリ)は今季が終わってからの合流。つまり、スロットは実質的に前任のときとまったく同じ選手で戦わざるをえなかったのだ。

    とあって、ひどい状況にもなりえたが、スロットが率いたのはトップクラスのタレントがいなかったり、苦戦が続くチームだったわけではなく、クロップが率いた昨季は3位でフィニッシュし、カラバオカップを制覇。そんなチームのなかで、フィルジル・ファン・ダイクとモハメド・サラーは今季、シーズンのほとんどで素晴らしく、高額による新契約に値する理由を示す働きぶりだった。

    プレミアリーグのベストプレーヤーともいえる2人と新たな契約を結び、この夏はそれほど悲惨なものにはならないだろうが、相当な資金を投入する必要性があるのは間違いない。

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  • Liverpool FC v Everton FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    アレクサンダー=アーノルドの代役に最も適した選手は?

    まず新たな右サイドバックが必要だ。ファン・ダイクとサラーが新契約を締結したが、トレント・アレクサンダー=アーノルドは依然として未更新。このままいけば、リヴァプールはこの夏に最も貴重かつ、将来のキャプテン候補でもある選手をフリーで失うことになる。

    このイングランド代表選手はまったくもって代えの効かない存在で、アレクサンダー=アーノルドほどのスキルを持つ右サイドバックは世界のどこにもいない。ボール捌きが抜群で、クロップもしばしば中盤で起用するなど、効果絶大だった。

    だが、リヴァプールは幸運な部分もある。コナー・ブラッドリーという内部での解決策があるからだ。北アイルランド出身のブラッドリーはアレクサンダー=アーノルドのような驚異的なパスレンジこそないかもしれないが、攻撃面が売り。ポジショニングこそ改善の余地ありだが、タックルに粘り強いものがあり、守備の意識はレアル・マドリー行きとされるチームメートに決定的に欠けるところだ。

    とはいえ、スロットが来季、ブラッドリーを右サイドバックの先発にと考えていても、やはりトップクラスの代役が必要か。したがって、移籍市場に手を伸ばすことになりそうだ。

  • Liverpool FC v Fulham FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    ロバートソンの全盛期は過ぎたか

    また、左サイドバックの補強はより急務だ。今季はアンドリュー・ロバートソンの全盛期が過ぎたのを感じさせるシーズンに。ロバートソンはこれまでのクラブに多大な貢献度を誇り、クラブ史上でも最高の補強選手の1人に数えられるが、守備面で足を引っ張り、攻撃面もかつてほどの脅威を失う。

    今季のフラムとの2試合ではアントニー・ロビンソンと比べて見ているのがつらくなるほど。リヴァプールにそんなロビンソンへの関心が噂されるのは無理もない。だが、現時点ではボーンマスのミロシュ・ケルケズを獲得する可能性の方が高いとされる。

  • Ibrahima KonateGetty Images Sport

    手薄なセンターバック陣

    ファンは同じくボーンマスからディーン・ハイセンの獲得も切望しているはずだ。ハイセンには今夏を迎えるにあたって契約解除条項があり、リヴァプールが説得できれば、マージサイドへの移籍はほぼ確実とみられる。

    ハイセンを巡って引くて数多で、その関心クラブにレアル・マドリーも。だが、どうなろうが、リヴァプールは新たなセンターバックが必要だ。

    ファン・ダイクの代わりを見つけなければならないという悪夢のようなシナリオこそかろうじて回避したスロットだが、その隣でプレーする選手のオプションがまだ必要か。イブラヒマ・コナテの契約があと1年とあってなおさらだ。さらにはジャレル・クアンサーの停滞ぶりを考えると、売却される可能性もある。

    ジョー・ゴメスのコンディション問題も加味すると、センターバック陣の層の薄さは憂慮すべきなのが明らかだ。

  • Fulham FC v Liverpool FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    奔走した中盤

    シーズンが進むにつれ、中盤はサブの不足が表面化した。この状況はパリ・サンジェルマンとのチャンピオンズリーグ(CL)ベスト16で敗退した要因の1つ、疲労に繋がり、その5日後のニューカッスルとのカラバオカップ決勝で散々だった内容も招いた。

    ライアン・フラーフェンベルフは6番のポジションで解決策となったが、チームは依存傾向に。スロットは遠藤航のサブを続けた。

    遠藤も勝利に貢献する働きぶりだったが、プレミアリーグでは一度たりとも先発機会が巡ってこず。対照的にフラーフェンベルフはこれまで34試合に先発し、試合が立て込んだ時期に疲れの色を感じさせたのも当然のことだった。

    ドミニク・ソボスライにも疲れを感じさせる時期があったが、ライバルと目されたハーヴェイ・エリオットは14試合の出場にとどまっており、遠藤と同じく一度も先発チャンスがない。

    スロットは実質的に3つの中盤のポジションをほぼ4人で回し、フラーフェンベルフ、アレクシス・マクアリスターの次にカーティス・ジョーンズよりもソボスライをチョイスするのがほとんどだった。

    来季を迎えるにあたり、スロットはお気に入りの選手をローテーションできる体制を築いておくのが不可欠で、7度目のCL優勝を本気で狙っているのであればなおさらだ。

  • Liverpool FC v Tottenham Hotspur FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    「ビッグサマー」

    スロットはゴールを決めつつ、フィットし続けられる頼りがいのあるストライカーも欲する。というのも、ディオゴ・ジョタとダルウィン・ヌニェスが何らかの理由でその役割を果たせていないからだ。仮にサラーが脅威的なスタッツを残せていなければ、リヴァプールがタイトルに近づくことすらも難しかったかもしれない。

    その意味で、サラーの契約更新はリヴァプールがタイトル防衛の望みを叶える上で極めて重要だったし、ファン・ダイクも然り。両選手が契約延長を決めた理由として、さらに多くのタイトルを獲得する可能性があるというのが大きかったのは明らかだ。

    実際、キャプテンのファン・ダイクは来る移籍市場が「大きな夏」になるかもしれないと述べ、そこでワールドクラスのポテンシャルを秘めた若きストライカーの獲得がなければ驚きともいえる。その費用は少なくとも部分的にヌニェスの売却金で賄われることになりそうだ。

    スロットは「あらゆるポジション」に目を向けているとほとんど語らずだが、今夏は多くの選手を獲得する可能性を示唆。「昨夏は多くのことをしなかった。リチャード、私、そして関係者が今の選手たちとどれぐらいやれるかを見極めたかったからだ」とし、「今はその点でかなり明確なアイデアがある。どのポジションを優先するか明言できないが、チームを見極め、改善点を見極め、夏に目指すところを明確にしている」と語る。

    スロット自身、2年目がより厳しいものになりうると感じている。タイトル獲得は幸運などではなく、苦労して掴み取ったものであり、十分にふさわしかったが、ライバルであるマンチェスター・シティやアーセナルの状況が後押ししたのも間違いない。どちらのクラブも同じ轍は踏まないだろう。

    今季のリヴァプールは結果的に現有戦力の維持が正しかったわけだが、再びという選択肢はもうない。スロットはいとも簡単そうにリヴァプールを返り咲かせたが、そこにとどまり続けるのはさらに難しいものだ。