スロットはゴールを決めつつ、フィットし続けられる頼りがいのあるストライカーも欲する。というのも、ディオゴ・ジョタとダルウィン・ヌニェスが何らかの理由でその役割を果たせていないからだ。仮にサラーが脅威的なスタッツを残せていなければ、リヴァプールがタイトルに近づくことすらも難しかったかもしれない。
その意味で、サラーの契約更新はリヴァプールがタイトル防衛の望みを叶える上で極めて重要だったし、ファン・ダイクも然り。両選手が契約延長を決めた理由として、さらに多くのタイトルを獲得する可能性があるというのが大きかったのは明らかだ。
実際、キャプテンのファン・ダイクは来る移籍市場が「大きな夏」になるかもしれないと述べ、そこでワールドクラスのポテンシャルを秘めた若きストライカーの獲得がなければ驚きともいえる。その費用は少なくとも部分的にヌニェスの売却金で賄われることになりそうだ。
スロットは「あらゆるポジション」に目を向けているとほとんど語らずだが、今夏は多くの選手を獲得する可能性を示唆。「昨夏は多くのことをしなかった。リチャード、私、そして関係者が今の選手たちとどれぐらいやれるかを見極めたかったからだ」とし、「今はその点でかなり明確なアイデアがある。どのポジションを優先するか明言できないが、チームを見極め、改善点を見極め、夏に目指すところを明確にしている」と語る。
スロット自身、2年目がより厳しいものになりうると感じている。タイトル獲得は幸運などではなく、苦労して掴み取ったものであり、十分にふさわしかったが、ライバルであるマンチェスター・シティやアーセナルの状況が後押ししたのも間違いない。どちらのクラブも同じ轍は踏まないだろう。
今季のリヴァプールは結果的に現有戦力の維持が正しかったわけだが、再びという選択肢はもうない。スロットはいとも簡単そうにリヴァプールを返り咲かせたが、そこにとどまり続けるのはさらに難しいものだ。