稲本選手はUEFAインタートトカップ決勝・ボローニャ戦の1stレグと2ndレグで計4ゴールを決め、フラムファンの人気者になりました。あの大会はなくなってしまいましたが、子どものころの私にとっては懐かしい思い出なんです。彼の後にも、香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/2012-14)、吉田麻也(サウサンプトン/2012-20)、そして2015-16年にレスター・シティのプレミアリーグ優勝に大きく貢献した岡崎慎司といった日本人選手がイングランドで活躍しましたね。
しかし欧州のサッカーファンが、多くの素晴らしい日本人選手の存在を認識するようになったのは、最近のことです。
アンジェ・ポステコグルーが2021年にセルティックの監督に就任し、多くの日本人選手がスコットランドでプレーするようになりました。オーストラリア出身のポステコグルー監督はアジア市場を熟知しており、旗手怜央や前田大然、 古橋亨梧(バーミンガム)、岩田智輝(バーミンガム)、井手口陽介(ヴィッセル神戸)といった選手を獲得しています。
旗手と前田は、セルティックのスコティッシュ・プレミアシップ連覇に大きく貢献しました。前田は24-25シーズンの最多得点選手となりました。その勇敢さ、ハードワーク、フィニッシュはファンに愛されています。キョーゴ(古橋)もセルティックでは素晴らしいゴールスコアラーでした。セルティックのファンは、フィジカル的にもタフなスコットランドのサッカーに、小柄な日本人選手が適応したことに驚いたと思います。非常に勤勉で、誠実で、勇敢。欧州でプレーするプレッシャーを感じさせなかった彼らの技術力は、セルティックを新たなレベルへ押し上げたと思います。