Ronaldo Gerrard Puyol Champions League splitGetty/Goal

歴代最高のCL決勝とは?「カンプ・ノウ」、「イスタンブール」など至高の10試合を『Goal』が選定!

  • Bayern 2013 Champions League winnersGetty

    102013年 ボルシア・ドルトムント 1-2 バイエルン・ミュンヘン

    2013年の決勝戦は、素晴らしい準決勝2試合の影に隠れてしまわざるを得ず、期待感でも不利に働いた。その準決勝でドルトムントはレアル・マドリーを4-3で抑え、バイエルンはバルセロナを7-0で圧倒する完勝劇を見せたのだった。

    しかし、このドイツのライバルである2チームは高いパフォーマンスを披露。一歩も引かない互角の戦いとなり、他のランクインしたどの試合よりも主導権が速く入れ替わる好ゲームを演じた。

    マリオ・マンジュキッチがアリエン・ロッベンのクロスを押し込みバイエルンが先制したが、イルカイ・ギュンドアンのPKによってすぐさま同点に追いつき、この互角の戦いを濃縮された8分間が生み出される。

    結果的には、ロッベンが2012年決勝でのPK失敗を埋め合わせるような終盤のゴールを決め、バイエルンがチャンピオンの座に輝いた。この優勝を手土産にユップ・ハインケス監督は退任。最後に国内リーグ、カップ戦、CLと合わせて3冠を達成するという、最も輝かしい形でクラブを去った。

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  • Man United 1999 Champions League winnersGetty

    91999年 マンチェスター・ユナイテッド 2-1 バイエルン・ミュンヘン

    この試合の最初の90分は特筆することが何もない平凡な試合であった。序盤にバイエルン・ミュンヘンのマリオ・バスラーが得点した後は、起こった出来事は少なかった。

    しかし、“ファーギー・タイム"とも呼ぶべき、ヨーロッパで最も象徴的なドラマが最後に待ち受けていた。アディショナルタイムの最初の1分でテディ・シェリンガムが同点ゴールを奪取。さらに3分にはオーレ・グンナー・スールシャールが逆転ゴールを決め、マンチェスター・ユナイテッドがヨーロッパ王者に輝いたのだ。

    両チームが戦ったグループステージほどの好ゲームではないが、ドラマチックな内容であった。また、これによってサー・アレックス・ファーガソン率いるユナイテッドは3冠を達成。ロイ・キーンやポール・スコールズが出場停止となった中で、試合もより劇的なものになった。

  • Barcelona 2006 Champions League winnersGetty

    82006年 バルセロナ 2-1 アーセナル

    イェンス・レーマンが18分に向こう見ずなプレーで退場したことで、2006年のCL決勝は一方的な試合の仲間入りを果たすのではないかと危惧された。が、ここから予想に一切反する好ゲームが展開された。

    ハーフタイム直前のソル・キャンベルによるヘディング弾で、数的不利を被ったにも関わらずアーセナルが先制。それによって生じたリードをアーセナルはしばらくの間保った。

    その間、サミュエル・エトーのシュートはポストを叩き、代わって出場したGKマヌエル・アルムニアは何度かシュートをセーブ。ティエリ・アンリはガナーズのリードを広げる働きが期待されたが、奏功せず。

    しかし、最後には避けようのない結果が待ち受けていた。アーセナルはバルサの美しい2ゴールに屈したのだ。途中出場のヘンリク・ラーションがエトーとジュリアーノ・ベレッチに2つのアシストを供給し、屈指の2チームの間で常に主導権が揺れ動くスリリングな一戦を制した。

  • Dortmund 1997 Champions League winnersGetty

    71997年 ボルシア・ドルトムント 3-1 ユベントス

    この試合は、CL決勝で起こった最大の番狂わせかもしれない。

    ドルトムントのCL出場は当時まだ2回目であり、欧州屈指のタイトルホルダーたちに遭遇したばかりだったのだ。

    しかし、優美で高い技術を持つイタリア最強チームは、粘り強く抵抗するスコットランド人MFポール・ランバートに屈してしまった。彼は自身をドルトムントで最低の選手だと評したが、ミュンヘンで行われた決勝では重要な役割を担い、特にジネディーヌ・ジダンを抑え込んだ。

    カール=ハインツ・リードレが前半のうちに2ゴールを挙げたことで、ドルトムントは余裕を持ってハーフタイムを迎えることに成功。その後アレッサンドロ・デル・ピエロのゴールで1ゴール差に迫ったユーヴェだったが、ドルトムントが地元のワンダーボーイ、弱冠20歳のラース・リッケンが度肝を抜くチップキックでダメ押しを加え、トドメを刺した。

  • Barcelona 2011 Champions League winnersGetty

    62011年 バルセロナ 3-1 マンチェスター・ユナイテッド

    ペップ・グアルディオラ率いるバルセロナのゲームを定義するとしたら、まさにこの試合が当てはまる。

    恐るべきパス・マシーンが、何度も優勝を攫ったサー・アレックス・ファーガソンのチームを打ち砕いたのだった。それまでマンチェスター・ユナイテッドは5年間で4回もプレミアリーグの覇者になってきたほどの強さだったにも関わらず、バルサはユナイテッドを圧倒した。

    リオネル・メッシは当時まだ24歳だったが、まさに絶頂期であり、どこでも中心に立っているほどの存在感だった。

    このアルゼンチン人が走り込むことでユナイテッドのディフェンス陣の注意が逸れ、それによってペドロが最初の得点を挙げた。メッシ自身もエトヴィン・ファン・デル・サールの守るゴールのニアサイドを20ヤード(約18メートル)から突き刺し2点目を挙げ、さらにはダビド・ビジャによるカーブの効いた3得点目を演出する獅子奮迅の活躍を見せた。

    「監督人生で対戦したチームの中で、彼らが最高のチームだ」と試合終了後にファーガソンは白旗。試合会場となったウェンブリーにとって、さらにはチャンピオンズリーグにとっても最強のチームかもしれない。

  • Real Madrid 2014 Champions League winnersGetty

    52014年 レアル・マドリー 4-1 アトレティコ・マドリー

    CLでのマドリー・ダービーは面白くないとでも言いたげなほど、10度目のCL優勝を意味する"ラ・デシマ"達成に向けてレアルは容赦ないほど懸けていた。さらに、アトレティコがカンプ・ノウで数日前にリーグ優勝を果たしたことで、CL決勝は見ものとなった。そして実際、この一戦は最高のスペクタクルとなった。

    アトレティコは前半のディエゴ・ゴディンのゴールにより先制したが、そこからジエゴ・コスタが負傷。果たして彼らの恐るべきほどの守備陣がレアルのワールドクラスの攻撃を防ぎ切れるのかが焦点となった。

    そして、その疑問に対する答えはドラマチックな形でもたらされる。

    なんと後半アディショナルタイムにセルヒオ・ラモスのヘディングでレアルが追いつき、試合は延長戦に突入。延長ではアンヘル・ディ・マリアの放つ輝きに鼓舞される。ガレス・ベイル、マルセロ、そして最後にクリスティアーノ・ロナウドが立て続けにゴールを決め、アトレティコは完全に意気消沈。10度目のヨーロッパタイトル戴冠という歴史的快挙を手中に収めた。

  • Chelsea 2012 Champions League winnersGetty

    42012年 チェルシー 1-1 (PK4-3) バイエルン・ミュンヘン

    バイエルン・ミュンヘンが、チェルシーとロベルト・ディ・マッテオ暫定監督を決勝の地でありホームでもあるアリアンツ・アレーナに迎え入れた2012年決勝。この状況から、誰もが同じ結果を予想していた。

    試合では、アリエン・ロッベンとフランク・リベリがチェルシーのDF陣を強襲。バイエルンの戴冠は不可避だろうと思われた。結果的に膠着状態を破ったのは83分のトーマス・ミュラーの一撃であったが、いずれにせよバイエルンの勝利が決まるまで残された時間はあと数分。

    しかし、ここで試合を振り出しに戻したのはディディエ・ドログバ。2008年のCL決勝でレッドカードによる退場処分を受け、マンチェスター・ユナイテッドに敗れてから4年、果たして彼の名はスタンフォード・ブリッジの神話に加わった。

    このストライカーのヘディング弾で試合は延長戦へ。延長戦で猛攻を見せたのはバイエルン。しかし、ロッベンが放った12ヤード(約11メートル)の至近距離からのシュートはペトル・チェフに阻まれた。さらにPK戦ではイヴィツァ・オリッチまでもチェフに阻まれ、バスティアン・シュバインシュタイガーのシュートもポストに嫌われた。その直後、ドログバが5人目としてPKを沈め、チェルシーを優勝に導いた。

    まさに痛快な「現代の昔話」である。

  • Man United 2008 Champions League winnersGetty

    32008年 マンチェスター・ユナイテッド 1-1 (PK6-5) チェルシー

    決勝戦にはすべての要素が含まれていると言うが、まさにこの試合もその通りの一戦となった。

    両チームの有名選手たちが一堂に会するこの一戦は、どう考えても悪い試合になるわけがなかった。絶頂期のクリスティアーノ・ロナウドがウィンガーのポジションで現れ、先制点をヘディングで決めたとき、彼がこの試合の行方を示したように思われた。

    その後、たくさんのチャンスが両チームに訪れては消えていったが、フランク・ランパードのゴールでスコアはイーブンに。さらにディディエ・ドログバとランパードのシュートが共にクロスバーを叩き、試合はそのまま延長戦へ。延長では、ライアン・ギグスのゴールかと思われたシュートをジョン・テリーがブロックしたかと思えば、ドログバはレッドカードで退場と、延長でもシーソーゲームは続いた。

    この驚くほど動きの多かった試合に勝敗を決するのには、PKが必須だった。PK戦のヒーローはエトヴィン・ファン・デル・サール。ニコラ・アネルカのキックを止めたかと思えば、テリーは足を滑らせて失敗。最後の最後までドラマが待ち受けていたのであった。

  • Milan 1994 Champions League winnersGetty

    21994年 ミラン 4-0 バルセロナ

    1994年のミランの戴冠時には、マルコ・ファン・バステンやフランコ・バレージ、アレッサンドロ・コスタクルタを含む7人の中心選手が不在であった。そんな中、チーム一丸となったミランは、ヨーロッパのトップコンペティションの中でも随一のパフォーマンスを見せたのだった。

    ミランはヨハン・クライフ率いる"勝利製造マシン"バルセロナに集中砲火を浴びせた。デヤン・サビチェビッチはミゲル・アンヘル・ナダルを置き去りにしてダニエレ・マッサーロによる1点目を演出。さらに、ハーフタイム前にマッサーロは2点目も挙げた。

    そして、ナダルにとって悔しい出来事が再び訪れる。後半開始数分でサビチェビッチに度肝を抜かれるゴールを許してしまったのだ。さらにはマルセル・デサイーが最後に動き出し、とどめの4点目を突き刺した。クライフの革命的なチームはこれほどの大敗を喫したことがなかったし、こんな状況に陥るとは思ってもみなかっただろう。

  • Liverpool 2005 Champions League winnersGetty

    12005年 ミラン 3-3 (2-3PK) リヴァプール

    イスタンブールでのこの決勝戦ほど奇跡的な試合はないだろう。リヴァプールは3点のビハインドからPK戦に持ち込んで、ヨーロッパチャンピオンに輝いてしまったのだから。

    開始1分、パオロ・マルディーニのゴールによってミランは考えうる中で最高のスタートを切った。そして、前半終了間際にエルナン・クレスポが決めた2得点によって勝負は決したかに思われた。

    しかし後半、スティーブン・ジェラードがチームを鼓舞し、CL史上未だかつてないほどの大逆転劇を見せることになる。ジェラードのヘディングで点差を2点に詰めたリヴァプールは、さらにヴラディミール・シュミツェルがロングシュートを突き刺し1点差に。さらにペナルティエリアに走り込んだジェラードが倒されPKを獲得。このPKのキッカーとなったシャビ・アロンソが一度はセーブされるも、その跳ね返りを自身で押し込み3点差を追いついたのだった。

    延長戦でセンセーショナルなセーブを見せたのはGKイェジー・ドゥデク。シェフチェンコのシュートを2度に渡って阻み、PK戦に持ち込んだ。さらにドゥデクはPK戦でもヒーローになった。5人目のキッカー、シェフチェンコのキックを再び阻止したのだ。

    最高の興奮を呼んだ強者同士のぶつかり合いは、打ち負かすことのできないベストバウトとなった。さらにこの優勝によって、リヴァプールは5回目のヨーロッパタイトルの偉業を達成。文句なしにクラブサッカー史上最高の試合でクラブの歴史に花を添えた。