最も退屈だったCL決勝は?今季のファイナルも“不名誉”なランクイン

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リヴァプールがトッテナムを下し、今シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)は幕を閉じた。しかし、ジョゼ・モウリーニョやアーセン・ヴェンゲルが苦言を呈した通り、決してスペクタクルな一戦とは呼べない戦いに。決勝という大舞台ゆえに、過去にも消極的な試合が展開されたことは少なくない。そこで、『Goal』では歴代CL決勝のワーストランキングを紹介していく。

(文=アミー・ルスカイ/Ameé Ruszkai)

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    #10 2017年:ユヴェントス 1-4 レアル・マドリー

    2017年CL決勝、マリオ・マンジュキッチほどの偉大なストライカーが結果を残せないのは残念でならない。オーバーヘッドで叩き込んだ彼の同点ゴールも慰めにしかならない。カーディフのミレニアム・スタジアムでユヴェントスはレアル・マドリーに完敗した。

    20分にクリスティアーノ・ロナウドが綺麗なシュートを決めると前回覇者はリードする。その後、マンジュキッチが一度はタイに戻すが、軌道が変わって入ったカゼミーロのシュートの後、ロナウドはその日2点目となるゴールをきっちりと決めた。

    GKジャンルイジ・ブッフォンのチャンピオンズリーグの夢は後半開始早々に霧散することに。途中交代で入ったマルコ・アセンシオによる試合終了間際のダメ押しの追加点を食らう以前に、セルヒオ・ラモス の策略にはまったフアン・クアドラードのレッドカードがとどめの一撃となったことも忘れてはならない。

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    #9 2007年:ACミラン 2-1 リヴァプールFC

    2005年、ミランは3-0でリードしながらもリヴァプールに逆転され、ビッグイヤーを奪われた。そして迎えた2007年ファイナル、ミランは2年前のリベンジを果たす。

    前半立ち上がりはリヴァプールが優勢と思われたが、アンドレア・ピルロのフリーキックにフィリッポ・インザーギが合わせるとミランが先制点を獲得。さらにカカからインザーギにパスが通り、ほとんど角度のないシュートを決めて追加点を奪う。

    レッズはディルク・カイトが残り1分で1点を返したが、2年前の対戦のような奇跡は起こらず歓喜に沸くことなくミランがタイトルを手にした。

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    #8 2010年: インテル 2-0 バイエルン・ミュンヘン

    この試合から6年前、巧な戦術でポルトをチャンピオンズリーグ初優勝へと導いたモウリーニョ。2010年にはインテルを率いてカウンターアタックを仕掛けるとバイエルンを楽に崩して再び頂点に立った。

    バイエルンが出場停止でフランク・リベリを欠いていたことも確かにインテルに有利に働いたが、これもまた絶好調のヴェスレイ・スナイデルと冷静沈着なディエゴ・ミリートを従えたモウリーニョ監督の戦略の掌中にあった。

    特に強烈なフィニッシュで最初のゴールを決め、見事な個人技で2点目を決めたミリートの奮起が決め手となり、モウリーニョ監督はルイ・ファン・ハール監督の裏をかいてインテルの3冠(トレブル)を達成した。しかし、その過程で中立派が興奮する場面は少なかった。

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    #7 2019年:トッテナム・ホットスパー 0-2 リヴァプール 

    準決勝があまりにも素晴らしい試合続きだったため、この決勝戦は不運にもかすんでしまった。

    リヴァプールはファーストレグでの敗戦から逆転して、アンフィールドでバルセロナを4-0で下す。一方、トッテナムは96分にルーカス・モウラがハットトリックを決めてアヤックスを沈め、決勝の地マドリー行きを決めた。

    しかし、決勝でのイングランド勢対決は期待された攻撃的な展開に反して、試合立ち上がり2分でモハメド・サラーがPKを決めるとリヴァプールは多くの時間を引いて戦った。

    トッテナムは反撃に出ようと試みるものの創造性に欠け、加えてGKアリソン・ベッカーの度重なる好セーブに阻まれた。その後、ディヴォック・オリジの鋭いシュートが決まるとリヴァプールの勝利は決定的となった。

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    #6 2001年:バイエルン・ミュンヘン 1-1 (PK5-4) バレンシア

    2001年ファイナルは、いずれのゴールもPKだったことから分かるように単調な試合となった。優勝の行方もPK戦で決着をつけることになる。

    試合開始3分、ガイスカ・メンディエタが先制点を決める。対するバイエルンもその後PKを獲得。メーメット・ショルのPKをサンティアゴ・カニサレスが阻止すると、この日のヒーローになると思われた。

    しかし、後半にシュテファン・エッフェンベルクが同点PKを決めると、120分間のプレーに続きPK戦に突入。プレミア付きのチャンスを物にして決勝の立役者となったのはもう一人のGK、オリバー・カーンだった。

    PK戦で2本止めたバイエルンの伝説のショット・ストッパーはクラブの、そしてチャンピオンズリーグの歴史に名を残した。

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    #5 2000年 レアル・マドリー 3-0 バレンシア

    旧知の対戦相手である両者の顔合わせは、レアル・マドリーがラ・リーガで格下の対戦相手に対して楽勝ムードを持ち、実際そのとおりとなった。

    バレンシアは夢を見ることなくマドリーに粉砕される。スペインの巨人は単に筋肉をほぐしているようにさえ見えた。

    フェルナンド・モリエンテスのシンプルなヘディング、スティーブ・マクマナマンの見事なボレーシュート、ラウール・ゴンサレスの冷静なゴールはマドリディスタを多いに沸かせた。中立派にとっては見所が少ない中、ビセンテ・デル・ボスケ監督は8度目のタイトルを手にした。

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    #4 2004年:FCポルト 3-0 ASモナコ

    この2チームのCL決勝進出は驚きを持って迎えられ接戦が期待された。しかしその一方をジョゼ・モウリーニョ監督が率いると話は違ってきたのだ。

    ポルトガル人監督は戦術的かつ完璧なパフォーマンスを披露して組織化されたポルトを欧州覇者へと導くと、この試合を最後にチェルシーへと去って行った。

    カルロス・アルベルトが均衡を破って見事なボレーを決めると、デコことアンデルソン・ルイス・デ・ソウザもその卓越したプレーに値するゴールを決めた。

    モウリーニョ監督のキャリアの中では珍しいことだが、平凡で偶然生まれたドミトリー・アレニチェフのダメ押しとなるゴールで試合は幕を閉じた。

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    #3 1996年:アヤックス 1-1 (PK2-4) ユヴェントス

    前回覇者であるアヤックスは、フランク・ライカールトの引退、クラレンス・セードルフのサンプドリアへの移籍、マルク・オーフェルマルスの負傷、ミハエル・ライツィハーの出場停止と主力を欠き、欧州王者の必守という難題に直面した。

    特にオランダ勢はライツィハーの欠場によりDF陣営の見直しを余儀なくされ、普段よりも不安定な中、前半13分にファブリッツィオ・ラバネッリの先制点を許す。

    ハーフタイム前にはヤリ・リトマネンが同点ゴールを決めるもこれが最後のゴールとなり、そのままPK戦へと突入した。

    ユヴェントスは様々な戦術を魅せたが、ジャンルカ・ヴィアッリは何度もチャンスを外しエースとしての精彩を欠いた。両チームのゴールはいずれもキーパーのミス絡みだったことも付け加える必要がある。

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    #2 1993年:オリンピック・マルセイユ 1-0 ACミラン

    すでに4回もヨーロピアン・チャンピオンとして君臨していたミランは、スター選手11人を最初のチャンピオンズリーグのファイナルへ送り込んだ。しかし、この日最も輝いたのは敵軍のアレン・ボクシッチ、ファビアン・バルテズ、マルセル・デサイーら新鋭選手。デサイーはその活躍により、この年後半ミランへの移籍を果たすことになる。

    前半の早い時間帯、フランク・ライカールトとダニエレ・マッサーロは、若きGKファビアン・バルテズを試すもゴールとはならず。バルテズの驚異の好セーブはマルセイユの勝利に決定的な貢献を果たした。前半終了間際に訪れた大きなチャンスでバジール・ボリはコーナーキックに合わせて高く舞い、巧みなヘディングを決めた。

    後半に入りジャン=ピエール・パパンに決定機が訪れるも取りつかれたように確固たる勝利のために全てに対して体を投げ出し、対峙するバルテズに阻まれた。

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    #1 2003年:ユヴェントス 0-0 (PK2-3) ACミラン

    決して劇的な試合とは言えず、互いに相手を良く知るチーム同士の戦いは渋いものとなった。

    まず、開始早々にアンドリー・シェフチェンコのゴールが微妙な判定で取り消され物議をかもす。一方、アントニオ・コンテとアンドレア・ピルロのシュートがポストに阻まれると両チームともに引き気味の展開となる。

    守備的には卓越した戦いだった。特にアレッサンドロ・ネスタは素晴らしく、ミランのカルロ・アンチェロッティ監督は2年前に解任されたユヴェントスを完璧なまでに抑え込んだ。

    仮にシェフチェンコのゴールが有効だったとしても結局のところ影響はなかった。延長戦でも想定通りゴールは生まれず、PK戦でミランの決勝点を決めたのは他ならぬ彼であった。