冬の移籍市場も活発なプレミアリーグ。今季は南野拓実(リヴァプール)やジェドソン・フェルナンデス(トッテナム)が冬の間にビッグ6のクラブに加入した。今回は、冬の移籍市場でプレミアリーグの強豪クラブに加入し、活躍or期待外れに終わった印象的な選手たちを紹介する。
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今季は南野らにも注目。プレミアビッグ6への冬加入の明暗…記憶に残る即活躍&期待外れの選手は?
(C)Getty Images1期待外れ:アレクシス・サンチェス (2017-18シーズン:アーセナル⇒マンチェスター・ユナイテッド)
宿敵マンチェスター・シティとの争奪戦を制し、ヘンリク・ムヒタリアンとのトレードで迎え入れられたサンチェス。獲得発表時のピアノ動画は世界中の多くのサッカーファンに拡散され、話題を集めた。クラブはリーグ史上最高給(一説では週給50万ポンドとも)を提示するなど、チリ代表アタッカーに大きな期待をかけたが、フタを開けてみれば在籍1シーズン半で5得点。ケガにも悩まされ、ほぼ何も残せずに昨夏イタリアへと去っていった。
(C)Getty Images2期待外れ:ウィルフリード・ボニー (2014-15シーズン:スウォンジー・シティ→マンチェスター・シティ)
2015年1月に2930万ユーロという高額でスウォンジー・シティからマンチェスター・シティへと加わったボニーの大きなステップアップは失敗に終わった。前年はプレミアリーグの得点王に輝いたが、シーズン途中からセルヒオ・アグエロからポジションを奪い取るのは困難であった。前半戦からゴールを量産するアグエロを尻目にボニーはなかなか先発では起用されず。アグエロが30ゴールを挙げたのに対し、わずか2ゴールにとどまった。2シーズン目はいくらか起用される機会も増加し、リーグ戦26試合に出場したが、4ゴールに終わってかつての輝きは取り戻せず。結局、2016年にストーク・シティへレンタル移籍し、その後ビッグクラブへと戻ってくることはなかった。
(C)Getty Images3期待外れ:キム・シェルストレーム (2013-14シーズン:スパルタク・モスクワ⇒アーセナル)
当時所属していたマテュー・フラミニが3試合出場停止、アーロン・ラムジー、ジャック・ウィルシャーも故障を抱えていたために緊急補強に迫られ、移籍期限最終日にローンで加入した。しかし、シェルストレーム自身もメディカルチェックで負傷が発覚。結局公式戦4試合の出場、先発はわずか1試合と、ほとんど試合に絡むことができずに退団となった。イギリスメディアでは「過去最悪の補強」として名前が挙がることも多い。2017年に現役を引退した後、現在は解説者を務めている。
(C)Getty Images4期待外れ:フェルナンド・トーレス (2010-11シーズン:リヴァプール→チェルシー)
失望とともに語られることの多い冬の移籍の一つ。2011年1月にリヴァプールからチェルシーへと加入したトーレスは、計4シーズンでCL、ヨーロッパリーグ、FAカップといった数々のタイトルをもたらした。しかし、ピッチ上での働きは物足りなかった。リヴァプール時代には、79試合に出場して56得点という得点記録を作り上げたが、チェルシーで最初にゴールを挙げたのは、加入から3カ月後。その後もリヴァプール時代に見せていたような鋭い動き出しと確かな決定力は見られず、2014-15シーズンがチェルシーで過ごした最後のときとなった。
(C)Getty Images5期待外れ:アンディ・キャロル (2010-11シーズン:ニューカッスル⇒リヴァプール)
同時期に加入したスアレスよりも高額かつ当時の英国記録となる3500万ポンドで、デッドライン・デイに決まったキャロルのリヴァプール移籍。このシーズンもニューカッスルで年明けまでにリーグ11得点を記録していた長身FWにかかる期待は大きかったが、負傷で出遅れるとそのまま調子を取り戻せず。スアレス中心になりつつあったチームの中で、9試合無得点に終わった。2011-12シーズンもリーグ戦35試合に出場しながら4得点と本領を発揮できずにいると、ついには期待に応えられないまま翌シーズンにウェスト・ハムへと放出された。
(C)Getty Images6活躍:アイメリク・ラポルテ (2017-18シーズン:アスレティック・ビルバオ→マンチェスター・シティ)
クラブ史上最高額の5700万ポンド(約87億円)でマン・C入りしたラポルテ。自身にとって初の国外移籍だったこともあり、初年度こそ適応にやや苦しむ。しかし、2018年の夏のキャンプを終えて新シーズンに突入すると覚醒。そして、2018-19シーズンは守備の要としてリーグ戦35試合に出場し、リヴァプールとのハイレベルな優勝争いの勝利に大きく貢献した。今季は序盤戦の8月に負傷し、長期離脱。多大な影響を受けたチームがリヴァプールに引き離されたことからも分かる通り、ラポルテの重要性が証明されたシーズンとなっている。
(C)Getty Images7活躍:ピエール=エメリク・オーバメヤン (2017-18シーズン:ドルトムント⇒アーセナル)
退団時にはドルトムントとひと悶着あったが、ノースロンドンではアレクサンドル・ラカゼットという相棒も見つかり、ピッチ内外で信頼を獲得。現在は主将も務めている。クラブ史上最速で25ゴールに到達し、プレミアリーグでは71試合で46ゴール。絶対的なエースに君臨している。アルテタ監督体制でタイトル挑戦を目指すチームに生まれ変わろうとしているアーセナルにとって不可欠な存在だ。
(C)Getty Images8活躍:フィルジル・ファン・ダイク (2017-18シーズン:サウサンプトン⇒リヴァプール)
DF史上最高額となる移籍金7500万ポンド(約114億円:当時)は、もはや格安にまで感じる。それほど28歳DFがリヴァプールにもたらした影響は大きい。加入直後から、不安定だった守備陣の絶対的なリーダーになると、半年でチャンピオンズリーグ(CL)決勝に到達。昨季はビッグイヤーを掲げ、2019年のUEFA最優秀選手に輝いた。現在プレミアリーグでは73試合連続出場中であり、その間チームはたった3敗しか喫していない。名実ともに、世界最高のディフェンダーの名をほしいままにしている。
(C)Getty Images9活躍:ルイス・スアレス (2010-11シーズン:アヤックス⇒リヴァプール)
いまや世界屈指のストライカーとなったスアレスは、2010-11シーズン冬の移籍市場でアヤックスからリヴァプール入り。当時24歳だったウルグアイ代表FWの移籍金は2650万ユーロで、期待度では同時期に4100万ユーロで加入したアンディ・キャロルよりも下だった。しかし、より活躍したのはスアレス。リーグデビュー戦でゴールを記録すると、そこからレギュラーポジションを奪取し、終わってみればシーズン13試合に出場して4得点5アシストをマークした。その後、3シーズンにわたってエースとして君臨し、2013-14シーズンには得点王も獲得。翌シーズンに移籍金8100万ユーロでバルセロナへと移籍した。
(C)Getty Images10活躍:ヘンリク・ラーション (2006-07シーズン:ヘルシンボリ⇒マンチェスター・ユナイテッド)
プレミアリーグ創設の1992年から11年にわたり、2年に1度はリーグ制覇していたユナイテッド。しかし、2003-04シーズンからは3シーズン連続で優勝を逃していた。期する思いで臨んだ2006-07シーズン、ルート・ファン・ニステルローイを放出したチームはアタッカーに負傷者が続出。冬に獲得したのが、当時ヘルシンボリに所属していた35歳のラーションだった。スウェーデンリーグのオフシーズン限定となる3カ月のレンタル移籍だったが、ラーションは難なくフィット。ウェイン・ルーニーらを見事に活かし、公式戦13試合で3得点という数字以上にインパクトを残した。その13試合で10勝2分け1敗の記録を残したユナイテッドは見事にプレミアリーグを制覇し、その後に3連覇を達成している。
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