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今季のCLベストイレブン…優勝のリヴァプール、躍進のアヤックスから多数選出!現役レジェンド2名は?
Getty ImagesGK:アリソン
格の違いを見せつけた、偉大なるゴールキーパーだ。
昨シーズンのチャンピオンズリーグ決勝、リヴァプールは、ロリス・カリウスの悲惨なミスによって、大きな代償を支払うこととなった。ところが今回は、誇るべき世界一のGK、アリソンのおかげで、6度目のチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げることとなったのである。
セレソンことブラジル代表の背番号1は、今シーズンの大会で最高のセーブ数を記録し(46)、リカバリー数も最高で(119)、決勝トーナメントでのセーブ率は、全ゴールキーパーの中で最高だった(79%)。
昨年の夏、リヴァプールがアリソンを獲得するために支払った5600万ユーロ(約67億円)は、妥当な金額だったと言って間違いない。
Getty ImagesDF:トレント・アレクサンダー=アーノルド
バルセロナを下した準決勝でのインスピレーションに満ちた瞬間を称賛されることについて、気が進まないところもあるかもしれないが、リヴァプールのユルゲン・クロップ監督は、アンフィールドでバルサの不意を突いたコーナーキックのクイックスタートについて、「オー・マイ・ゴッド! 天才だ!」と言ってはばからなかった。
とはいえ、アレクサンダー=アーノルドの素晴らしいキックは、驚くべきことではないかもしれない。なにしろこの男は、今シーズン、プレミアリーグのディフェンダーによるアシスト数の記録を更新したのだから(12)。
20歳の地元出身のヒーローは、チャンピオンズリーグでも、プレミアリーグと同じように輝いたのであった。
アレクサンダー=アーノルドは、ディフェンダーの中では、クロスの成功数で2位(22)、チャンスメイク数で3位(22)であったが、守備面でも確かな結果を残した。インターセプトの数で5位(18)、リカバリー数で2位(78)であることも特筆すべきで、まさにオールラウンダーだ。試合の読みに優れた選手であることが証明されている。
GettyDF:ヴィルヒル・ファン・ダイク
リヴァプールは7500万ユーロ(9500万ドル)を支払ったが、ディフェンダーとしては過去最高の金額も、今となってはリヴァプールの長く輝かしい歴史の中において最高の取引の一つだったと言えよう。
2018年1月に彼がアンフィールドにやってきて以来、リヴァプールは2年連続でチャンピオンズリーグの決勝に到達したが、これはひとえに、彼がリヴァプールのバックラインを完璧に改革した結果である。
リヴァプールはグループステージでは苦戦が続き、カンプ・ノウでのバルセロナ戦では珍しく不調であったが、ファン・ダイクはほとんどの場面において並外れたプレーを見せ、複数点まで決めている。その1点目は、ベスト16でのバイエルン・ミュンヘン相手のアウェー戦における、勝利を決定づける2点目であった。
Olaf KraakDF:マタイス・デ・リフト
「夢が砕かれた」と、準決勝でアヤックスがトッテナムに敗れた後、マタイス・デ・リフトは語った。
「決勝でプレーしたかった。でもそうならなかった」
今年は確かにかなわなかったかもしれない。だが、19歳のディフェンダーが今シーズン、チャンピオンズリーグで見せたプレーには見逃せないものがあり、デ・リフトが夢をかなえるのは時間の問題だろう。
アヤックス史上最年少のキャプテンは、素晴らしいプレーと勇気、あふれるインスピレーションで、チームを準決勝に導いた。中でも、ユヴェントスホームで撃破した際の、圧倒的な高さでのヘディングが象徴的である。
デ・リフトは、ディフェンダーの中で、リカバリー数や空中戦での勝率、ポゼッションでの勝率で2位であり、今年の夏、デ・リフトと契約するチームがどこであれ、世界最高のCBの一人を獲得することになるだろう。
Getty ImagesDF:アンドリュー・ロバートソン
左サイドバックのポジションに、スターであるジョルディ・アルバを外すのは難しい判断を強いられることではあるが、リヴァプールのチャンピオンズリーグ制覇において重要な役割を果たしたアンドリュー・ロバートソンを入れないわけにはいかない。
スコットランド代表のロバートソンは、チームメイトのアレクサンダー=アーノルドと同じく、サイドで素晴らしいプレーを見せているが、攻撃に関してはさらに勇猛果敢で、最後の勝利となったトッテナム戦での情熱にあふれたプレーに、それがよく表れていた。
GettyMF:ハキム・ツィエク
敗れた準決勝トッテナム戦では、自責の念にかられていた。試合がタイとなった後、モロッコ代表のシュートがポストを叩いたのである。
しかし、26歳のツィエクは、国内2冠のアヤックスがチャンピオンズリーグを勝ち進んでいく中で自身が果たした役割について、誇り以外の何ものも感じる必要はない。
きらめくように素晴らしいドリブルの技術を持ち、アヤックスのシーズン最高選手の一人だった。得意の右サイドでコンスタントにチャンスを生み出し、得点力も兼ね備える。直接的に6得点に関与しており、そのうち3得点を自ら決めている。
Getty ImagesMF:フレンキー・デ・ヨング
チャンピオンズリーグにおけるパスの成功率でトップ2のミッドフィルダーは、セルヒオ・ブスケツ(903)とイヴァン・ラキティッチ(835)であった。
続く3位が、フレンキー・デ・ヨング(718)である。つまり、1月にデ・ヨングと契約するのに、バルセロナが6,600万ユーロ(約80億円)を払う選択をしたことは、容易に理解できるのだ。
デ・ヨングは、グルーブステージですでに自身の才能と冷静さを証明していたが、決勝トーナメントではさらに素晴らしいプレーを見せ、アヤックスがベスト16でのレアル・マドリーを下した際には、ルカ・モドリッチとトニ・クロースを抑えこみ、さらに準々決勝では、トリノでのユヴェントス戦の勝利を下支えした。
まだ22歳と若いオランダ代表のデ・ヨングは、今後何年にもわたって、チャンピオンズリーグで活躍することが予想される。
Dean MouhtaropoulosMF:クリスティアン・エリクセン
所属するトッテナムと同じく、浮き沈みを見せたが、デンマーク代表の優雅なエリクセンは歴史的な決勝進出において重要な役割を果たした。
27歳のエリクセン以上にアシストを記録したミッドフィルダーはおらず(4)、他にもチャンスメイクの数で2位(28)にランクイン。エリクセンは、世界で最も才能ある司令塔の一人としての地位を確立している。
現在の唯一の気がかりは、エリクセンが来シーズン、チャンピオンズリーグで着る白いユニフォームが、トッテナムの白かレアル・マドリーの白かということである…。
GettyFW:リオネル・メッシ
チャンピオンズリーグのタイトルを取ってカンプ・ノウに戻ってくるというリオネル・メッシの断固たる宣言は、既視感のある悲劇に終わった。バルセロナは、ローマに惨敗してからちょうど1年後、リヴァプールとセカンドレグで、屈辱的な敗戦を喫したのである。
それでもアルゼンチン代表は、2017-18シーズンでは決してトップコンディションではなかったにもかかわらず、今シーズンは輝くばかりの絶好調だった。最後の4試合で12得点と3アシストを決め、再び世界No.1プレーヤーとしての評価を手にしたのであった。今大会で2桁得点を挙げた選手は他に誰もいない。
あの夜、アンフィールドで、チームのために3度も絶好のチャンスを作りだしたメッシにしてみれば、0-4での敗戦に大きく落胆したかもしれない。
けれども、あの背番号10ほど、今シーズンのチャンピオンズリーグで多くの魔法のような瞬間を生んだ選手は他にいない。ウェンブリーでのトッテナム戦ではマスタークラスのプレーを披露し、カンプ・ノウでのリヴァプール戦では、歴史に名を残すようなフリーキックを決めたのだから。
GettyFW:ドゥサン・タディッチ
昨季のサウサンプトンで見せていた魔法は大きな効果をもたらすことはなかったが、今シーズン、アヤックスのスターとなったタディッチは、チームの国内2冠とチャンピオンズリーグ準決勝進出に貢献した。
30歳になったセルビア代表のタディッチは、多くの才能あふれる若手が、攻撃的かつ恐れ知らずのサッカーでヨーロッパを席巻するエキサイティングなチームにおいて、特筆すべき攻撃的才能を発揮している。
タディッチ以上にチャンスメイクをした選手はおらず(37)、6ゴール4アシストと計10得点に関与した。なによりサンティアゴ・ベルナベウでのベスト16の試合で、そのオールラウンドな才能を存分に発揮したのであった。
アヤックスがレアル・マドリーを4-1で撃破したこの試合、タディッチは1得点2アシストの活躍を披露。『レキップ』紙は、そのプレーに対し、滅多にお目にかかれない10点満点をつけたのであった。
GettyFW:クリスティアーノ・ロナウド
ユヴェントスがクリスティアーノ・ロナウドを買った理由は、他ならぬチャンピオンズリーグ制覇のため。その点で言えばC・ロナウドは失敗したことになるが、ユヴェントスの夢の達成のために、彼が全力を尽くしたことは間違いない。
グループステージはストレスの溜まる試合ばかりで、バレンシア戦では退場処分を受けたものの、そこを乗り越えると、マンチェスターユナイテッド戦では見事なボレーシュートを決めてみせた。
最高の舞台でさらに素晴らしいプレーをみせ、アトレティコ・マドリー相手のセカンドレグでは衝撃的なハットトリックを達成。ホーム・トリノで0-2と敗れたユヴェントスに逆転をもたらした。さらに、アヤックス相手の準々決勝でも、2試合とも得点している。
ユーヴェは結局のところ勢いに乗った若手集団との戦いに屈したが、ロナウドは胸を張って今シーズンのチャンピオンズリーグを去っていった。34歳という年齢でも、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントで充分に通用する力を見せつけたのである。なんといっても、チームの全得点を叩き出したことは特筆すべきことだ。
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