Antoine Griezmann, Matthijs de Ligt, Eden Hazard: transfer window 2019Getty / Goal

今夏最も補強に成功したクラブは?バルサ、レアルら欧州トップ20クラブを“格付け”

欧州の移籍市場は、フットボール界で最も盛り上がる夏の大イベントだ。2019年の夏も例外ではなく、エデン・アザールのレアル・マドリー移籍、マタイス・デ・リフトのユヴェントス行き、そしてフレンキー・デ・ヨングのバルセロナ加入など、いくつものビッグディールが実現した。

『Goal』は今回、移籍市場で最もクレバーな動きを見せたクラブをランキング形式で紹介する。判断基準は以下の通り。

・契約した選手のクオリティ、金額に見合う価値の有無
・主力選手の残留
・評価額以上での売却
・純支出の総額、チーム強化につながっているか

※7月29日更新

  • Luis Castro Shakthar DonetskGetty Images

    20シャフタール・ドネツク

    主要獲得選手:なし

    主要放出選手:イヴァン・ペトリアク(160万ユーロ、MOLヴィディFC)、イヴァン・オルデツ(フリー、ディナモ・モスクワ)、オレグ・ダンチェンコ(フリー、ルビン・カザン)

    ポルトガル人監督パブロ・フォンセカがローマに移ったウクライナ王者だが、その後継者として同じくポルトガル人のルイス・カストロを招いた。リーグ開幕が迫る中、元ポルト指揮官はまだ新たな選手と契約していないが、ウクライナ国内で2冠を達成したクラブに残ることを選んだ。しかし昨季のチャンピオンズリーグ(CL)と同じようにグループステージ敗退を繰り返したくないのであれば、数人の補強が必要と言わざるを得ない。

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  • Douglas Santos HamburgGetty Images

    19ゼニト・サンクトペテルブルク

    主要獲得選手:ドウグラス・サントス(1200万ユーロ、HSV)、アレクセイ・ストルミン(250万ユーロ、ルビン・カザン)

    主要放出選手:エルナニ(ローン、パルマ)、アンドレイ・パンユコフ(30万ユーロ、ウラル・エカテリンブルグ)、ルイス・ネト(フリー、スポルティングCP)、アレクサンドル・アニュコフ(フリー、KSサマーラ)、クラウディオ・マルキージオ(退団)

    昨季ロシア王者に輝いて以来、ゼニトは現有の主力を維持し、移籍市場では沈黙を保っていた。特段の見返りも求めず数人の選手を放出した一方、獲得したのはブラジル人左SBのドウグラス・サントスだ。ここ数シーズン、ドイツで堅実なプレーを見せていた彼の獲得があったとはいえ、今夏のゼニトは積極買いとはほど遠く、静かに過ごしている。

  • Spinazzola Juventus TorinoGetty Images

    18ローマ

    主要獲得選手:レオナルド・スピナッツォーラ(2950万ユーロ、ユヴェントス)、パウ・ロペス(2350万ユーロ、レアル・ベティス)、ブライアン・クリスタンテ(2100万ユーロ、アタランタ)、アマドゥ・ディアワラ(2100万ユーロ、ナポリ)、ジャンルカ・マンチーニ(ローン、アタランタ)、ジョルダン・ヴェレトゥ(ローン、フィオレンティーナ)

    主要放出選手:コスタス・マノラス(3600万ユーロ、ナポリ)、ルカ・ペッレグリーニ(2200万ユーロ、ユヴェントス)、ステファン・エル・シャーラウィ(1600万ユーロ、上海申花)、ジェルソン(1180万ユーロ、フラメンゴ)、イヴァン・マルカーノ(300万ユーロ、ポルト)、エセキエル・ポンセ(300万ユーロ、スパルタク・モスクワ)、ダニエレ・デ・ロッシ(退団)

    昨シーズンのセリエAで6位に終わったローマ。何人かの主要選手がチームを去ったことで、パブロ・フォンセカにとって初シーズンのチーム作りは簡単には進んでいないようだ。精神的支柱だったデ・ロッシは難しい状況の中でチーム退団が決定し(クラブのレジェンドであるトッティSDの退団もあわせて決定した)、さらにDFの柱マノラスはライバルのナポリへ移籍。昨季チーム内得点王のエル・シャーラウィは豊富な資金力を持つ中国クラブへと旅立った。エディン・ジェコも移籍すると見込まれている。

    ペッレグリーニやマルカーノの退団により、フォンセカはスピナッツォーラをユヴェントスから獲得。ベティスからやってきたGKロペスに背番号1を与えるなど、守備陣の補強を進めている。アタランタから加入した若きディフェンダー、マンチーニもローマのために多くの働きをしてくれると期待されている。

  • Eder Militao Real Madrid 2019Getty Images

    17ポルト

    主要獲得選手:中島翔哉(1200万ユーロ、アル・ドゥハイル)、ゼ・ルイス(850万ユーロ、スパルタク・モスクワ)、ルイス・ディアス(850万ユーロ、ジュニオールFC)、ロウム(750万ユーロ、ブラガ)、レンツォ・サラヴィア(550万ユーロ、ラシン・クラブ)、イヴァン・マルカーノ(300万ユーロ、ローマ)

    主要放出選手:エデル・ミリトン(5000万ユーロ、レアル・マドリー)、フェリペ(2000万ユーロ、アトレティコ・マドリー)、オリベル・トーレス(1200万ユーロ、セビージャ)、ジョゼ・サ(250万ユーロ、オリンピアコス)、エクトル・エレーラ(フリー、アトレティコ・マドリー)、ヤシン・ブラヒミ(退団)、アドリアン・ロペス(退団)、マキシ・ペレイラ(退団)

    ポルトは国内リーグ、カップ戦ともタイトルを逃した昨シーズンを経て、過渡期を迎えつつある。DFミリトンやフェリペはマドリーの2クラブにそれぞれ移籍し、エレーラはフリーでフェリペが先に加入したアトレティコへと移った。

    オリベル・トーレスもまたスペインへ、セビージャ移籍となった。アルジェリア人ウィンガーのヤシン・ブラヒミのフリー退団は、今後数週間で効果的な補強ができなかった場合、クラブにとって大きな痛手となるだろう。現在のところ、失った戦力を補い、上回るような補強ができているとは言い難い。

  • Dani Ceballos ArsenalGetty Images

    16アーセナル

    主要獲得選手:ダニ・セバジョス(ローン、レアル・マドリー)、ガブリエル・マルティネッリ(670万ユーロ、イトゥアーノ)、ウィリアム・サリバ(3000万ユーロ、サンテティエンヌ)

    主要放出選手:ダヴィド・オスピナ(350万ユーロ、ナポリ)、アーロン・ラムジー(フリー、ユヴェントス)、ダニー・ウェルベック(退団)、ペトル・チェフ(引退)、ステファン・リヒトシュタイナー(退団)、コーエン・ブラモール(退団)

    移籍市場開幕から暫くの間は10代のブラジル人FWマルティネッリ獲得のみにとどまっていたガナーズ。補強資金はたった4500万ポンド(約62億円)しかない中で難しい夏となっているが、それでもアーロン・ラムジーの代役としてU-21スペイン代表セバジョスの獲得に成功。さらに将来の投資として18歳サリバの確保も実現した。

    やりくりが難しい中、現在はリールFWニコラ・ペペの獲得に迫っていると伝えられている。もし昨季のリーグ・アン最大のブレイクスターを手に入れることができれば、ガナーズにとっては良い夏だったと言えるだろう

  • Aaron Wan-Bissaka Manchester United 2019-20Getty Images

    15マンチェスター・ユナイテッド

    主要獲得選手:アーロン・ワン=ビサカ(5500万ユーロ、クリスタルパレス)、ダニエル・ジェームズ(1700万ユーロ、スウォンジー・シティ)

    主要放出選手:アントニオ・バレンシア(フリー、LDUキト)、アンデル・エレーラ(フリー、PSG)、ジェームズ・ウィルソン(フリー、アバディーン)

    ポール・ポグバやロメウ・ルカクの将来も含めたいくつかの物語によって、ユナイテッドの移籍市場の結果は見えてくる。クラブはハリー・マグワイアやブルーノ・フェルナンデスとの契約を狙っているようだ。新契約の中でも注目の一人ワン=ビサカはユナイテッドと長期契約を結び、オールド・トラッフォードの右SBで長く活躍すると期待される。エレーラがフリーでPSGに移籍した痛手は大きいが、いまだ中盤の補強は実現できていない。

  • Mateo Kovacic Chelsea 2018-19Getty Images

    14チェルシー

    主要獲得選手:マテオ・コバチッチ(4500万ユーロ、レアル・マドリー)、クリスティアン・プリシッチ(レンタルバック、ドルトムント)

    主要放出選手:エデン・アザール(1億ユーロ、レアル・マドリー)、オラ・アイナ(1000万ユーロ、トリノ)、トマス・カラス(900万ユーロ、ブリストル・シティ)、イーサン・アンパドゥ(ローン、RBライプツィヒ)

    チェルシーの移籍市場でのトップニュースは、クラブの大スターであるエデン・アザールのマドリー移籍にほかならない。移籍禁止措置の影響で新戦力を補強できないため、ブルーズは昨季ローンに出していた選手たちでやりくりする必要がある。

    新指揮官のフランク・ランパードは、レンタルしていたコバチッチを完全移籍でスタンフォード・ブリッジに残した一方、プリシッチとは1月に契約し、昨季はドルトムントへとローンで残留。実際にロンドンに到着したのはシーズン終了後だった。だが、エキサイティングな補強に変わりはない。一方で、チェルシーは契約更新とスタッフのリフレッシュにも集中している。ゴンサロ・イグアインについては、苦しんでいた様子を判断して完全移籍のオプションは行使しない決定を下した。

  • Daniel SturridgeGetty

    13リヴァプール

    主要獲得選手:セップ・ファン・デン・ブルグ(1900万ユーロ、PECズウォレ)、ハーヴェイ・エリオット(非公開、フラム)

    主要放出選手:ダニー・イングス(2200万ユーロ、サウサンプトン)、マルコ・グルイッチ(ローン、ヘルタBSC)、アルベルト・モレノ(フリー、ビジャレアル)、ダニエル・スタリッジ(退団)

    ユルゲン・クロップは自身のクラブがPSGやマンチェスター・シティのように高額な買い物はできないと語っており、ここまではその通りの動きを見せている。イングスを獲得時のおよそ3倍の価格でサウサンプトンに売却したものの、レッズは現時点ではオランダ人DFセップ・ヴァン・デン・バーグとプレミア最年少出場記録を持つ16歳エリオットを獲得したにとどまっている。スタリッジは6年の在籍ののちに退団したが、CL王者は損失を最小限にとどめている。だが、ファンは再びプレミアリーグでマン・Cに挑むべく、数人の補強を望んでいる。

  • Frenkie de Jong Barcelona 2019Getty Images

    12アヤックス

    主要獲得選手:クィンシー・プロメス(1570万ユーロ、ユヴェントス)、エドソン・アルバレス(1500万ユーロ、クラブ・アメリカ)、ラズヴァン・マリン(1250万ユーロ、スタンダール・リエージュ)、リサンドロ・マルティネス(700万ユーロ、デフェンサ)、ピエール・キック(500万ユーロ、ヘーレンフェーン)

    主要放出選手:マタイス・デ・リフト(7500万ユーロ、ユヴェントス)、フレンキー・デ・ヨング(7500万ユーロ、バルセロナ)、マクシミリアン・ウーバー(1050万ユーロ、セビージャ)、ラスムス・クリステンセン(500万ユーロ、ザルツブルク)、ダレイ・シンクフラーフェン(500万ユーロ、レヴァークーゼン)

    CL準決勝進出という快進撃の結果、アヤックスはマタイス・デ・リフトとフレンキー・デ・ヨングという若きスターをそれぞれユヴェントス、バルセロナへ送り出すことになった。二人合わせて1億5000万ユーロもの巨額な移籍金を残してくれたおかげで、エールディビジ・チャンピオンは再び投資に動いた。セビージャで苦しむプロメスや、メキシコ代表DFアルバレスを獲得したほか、まだまだ有望な若手を獲得すると見られている。欧州レベルで再び結果を残すために、現在の補強では失った戦力を埋めたとは言えず、まだ数人の獲得が必要だろう。

  • Pablo Sarabia PSGGetty Images

    11PSG

    主要獲得選手:アブドゥ・ディアロ(3200万ユーロ、ドルトムント)、パブロ・サラビア(1800万ユーロ、セビージャ)、アンデル・エレーラ(フリー、マンチェスター・ユナイテッド)、シャビ・シモンズ(非公開、バルセロナ)

    主要放出選手:ジオバニ・ロ・チェルソ(2200万ユーロ、レアル・ベティス)、ムサ・ディアビ(1500万ユーロ、レヴァークーゼン)、グジェゴシュ・クリホビアク(1200万ユーロ、ロコモティフ・モスクワ)、ティモシー・ウェア(1000万ユーロ、リール)、ジャンルイジ・ブッフォン(フリー、ユヴェントス)、アドリアン・ラビオ(フリー、ユヴェントス)、ダニ・アウヴェス(退団)

    PSGの移籍市場は、ネイマールの動向にかかっている。ブラジル人ストライカーを売却して資金を確保できれば、再投資に動くだろう。エレーラとサラビアというスペイン人実力者の獲得に成功。他にどれだけクオリティある選手を獲得できるかで、彼らのCLタイトルを目指す挑戦の行方が決まると言える。

    トーマス・トゥヘルはスター選手ほぼ全員の残留に成功したが、経験あるベテラン2人、ジャンルイジ・ブッフォンとダニ・アウヴェスの退団は興味深く、大きな影響を与えるだろう。ドイツで高い評価を受けていたフランス人DFディアロを獲得したことで、クラブの守備陣は層が厚くなった。また、バルサのアカデミー最大のタレントだったシャビ・シモンズを、クラブの将来として獲得することに成功した。

  • Tanguy Ndombele Tottenham 2019-20Getty Images

    10 トッテナム

    主要獲得選手:タンギ・エンドンベレ(6000万ユーロ、リヨン)、ジャック・クラーク(1100万ユーロ、リーズ)

    主要放出選手:キーラン・トリッピアー(2200万ユーロ、アトレティコ・マドリー)、ミシェル・フォルム(退団)、フェルナンド・ジョレンテ(退団)、ジャック・クラーク(レンタルバック、リーズ)

    18カ月もの間新契約を結ばなかったトッテナムだったが、ついにこの夏に移籍市場に戻ってくると、すぐにリヨンからエンドンベレとインパクトある契約を結んだ。22歳のフランス代表MFは決して安い買い物ではないが、マウリシオ・ポチェッティーノが獲得を熱望していた選手であり、ノースロンドンに大きな衝撃を与えるだろうと見込まれる。

    クラークは将来性を見込まれる選手に違いないが、リーズへと再びレンタルされた。トッテナムの損失は比較的軽微なものだ。特筆すべきと言えば、トリッピアーが出ていったことくらいだろう。

  • Rodri Manchester City West HamGetty

    9マンチェスター・シティ

    主要獲得選手:ロドリ(7000万ユーロ、アトレティコ・マドリー)、アンヘリーノ(1200万ユーロ、PSV)、ザック・シュテフェン(800万ユーロ、コロンバス・クルー)

    主要放出選手:パブロ・マリ(1300万ユーロ、フラメンゴ)、ヴァンサン・コンパニ(フリー、アンデルレヒト)、ファビアン・デルフ(1000万ユーロ、エヴァートン)

    プレミアリーグ3連覇を目指すマン・Cにはあまり大きな動きは見られない。新加入のロドリは、フェルナンジーニョと中盤のポジションを争うことになる。アンヘリーノはケガがちなバンジャマン・メンディのバックアッパーとして復帰した。キャプテンのコンパニが選手権監督としてアンデルレヒトへ移籍したことで、ピッチ上のリーダーシップに若干の不安がある。チームを見るとセンターバックの層が薄いように思われ、ウィンドーが閉まるまでにこのポジションが補強されるか注目だ。

  • Sergio Reguilon Real Madrid 08112018Getty Images

    8セビージャ

    主要獲得選手:ジュール・クンデ(2500万ユーロ、ボルドー)、モアネス・ダブール(1500万ユーロ、ザルツブルク)、ルーカス・オカンポス(1500万ユーロ、マルセイユ)、ディエゴ・カルロス(1500万ユーロ、ナント)、ジョアン・ジョルダン(1400万ユーロ、エイバル)、ルーク・デ・ヨング(1250万ユーロ、PSV)、オリベル・トーレス(1200万ユーロ、ポルト)、マクシミリアン・ウーバー(1050万ユーロ、アヤックス)、フェルナンド(450万ユーロ、ガラタサライ)、セルヒオ・レギロン(ローン、レアル・マドリー)

    主要放出選手:パブロ・サラビア(1800万ユーロ、PSG)、クィンシー・プロメス(1570万ユーロ、アヤックス)、ルイス・ムリエル(1500万ユーロ、アタランタ)、ガブリエル・メルカド(フリー、アル・ラヤン)

    昨シーズン、ラ・リーガを6位で終えたセビージャには立て直しに向けて無駄に出来る時間はない。いくつかのめぼしい補強があった中で、最高額は現在のところクンデだ。強固な岩壁となれる可能性を持つ若きフランス人DFは、初のスペイン挑戦に。レアル・マドリーの左SBレギロンの加入は円滑に進んだ。一方で、昨シーズン23ゴールをあげていたサラビアの流出は大きな痛手だ。

  • Kostas Manolas Roma 2018-19Getty Images

    7ナポリ

    主要獲得選手:コスタス・マノラス(3600万ユーロ、ローマ)、アレックス・メレト(2200万ユーロ、ウディネーゼ)、ジョバンニ・ディ・ロレンツォ(800万ユーロ、エンポリ)、ダヴィド・オスピナ(350万ユーロ、アーセナル)、オレスティス・カルネジス(250万ユーロ、ウディネーゼ)

    主要放出選手:アマドゥ・ディアワラ(2100万ユーロ、ローマ)、カルロス・ヴィニシウス(1700万ユーロ、ベンフィカ)、ラウール・アルビオル(500万ユーロ、ビジャレアル)、ロベルト・イングレーゼ(ローン、パルマ)、ロベルト・インシーニェ(150万ユーロ、ベネヴェント)

    昨季のセリエAを2位で終えたナポリは、王者ユヴェントスに近づくべく積極的に動いている。獲得した最大のビッグネームはマノラスだ。カリドゥ・クリバリとのDFラインは世界屈指の強固さを誇るだろう。昨季リーグ戦で13試合の出場に留まったディアワラを2100万ユーロで売却したのも良いビジネスだと言える。ナポリは高火力のストライカーを探しながら、クリバリ、ファビアン・ルイス、ロレンツォ・インシーニェのような選手をクラブに留めることに専心している、

  • Lucas Hernandez Bayern MunichGetty Images

    6バイエルン・ミュンヘン

    主要獲得選手:リュカ・エルナンデス(8000万ユーロ、アトレティコ・マドリー)、バンジャマン・パヴァール(3500万ユーロ、シュツットガルト)、ヤン=フィーテ・アルプ(300万ユーロ、HSV)

    主要放出選手:マッツ・フンメルス(3050万ユーロ、ドルトムント)、マルコ・フリードル(350万ユーロ、ヴェルダー・ブレーメン)、ラフィーニャ(フリー、フラメンゴ)、フランク・リベリー(退団)、アリエン・ロッベン(引退)、ハメス・ロドリゲス(レンタルバック、レアル・マドリー)

    ドイツ王者は夏に先駆けて守備に大きな投資を敢行した。エルナンデスとパヴァールに合計1億ユーロ以上を投資。2人とも既に強力なチームに更なるクオリティを与えるとみられるが、ニコ・コバチ監督はマッツ・フンメルスの抜けた穴を埋めるべく更なる補強を考えている。一方で、ベテランアタッカーのリベリーとロッベンの代役探しは簡単にはいかないだろう。トップクラスのウィンガー獲得を熱望しており、その最有力候補はマン・Cのレロイ・サネだ。フンメルス売却でいくらか資金を手にしたものの、バイエルンの今夏の収支バランスは大きく支出が上回っている。

  • Joao Felix Atletico Madrid 2019-20Getty Images

    5アトレティコ・マドリー

    主要獲得選手:ジョアン・フェリックス(1億2600万ユーロ、ベンフィカ)、マルコス・ジョレンテ(3000万ユーロ、レアル・マドリー)、マリオ・エルモソ(2500万ユーロ、エスパニョール)、キーラン・トリッピアー(2200万ユーロ、トッテナム)、フェリペ(2000万ユーロ、ポルト)、レマン・ロディ(2000万ユーロ、アトレチコ・パラナエンセ)、エクトル・エレーラ(フリー、ポルト)

    主要放出選手:アントワーヌ・グリーズマン(1億2000万ユーロ、バルセロナ)、リュカ・エルナンデス(8000万ユーロ、バイエルン・ミュンヘン)、ロドリ(7000万ユーロ、マンチェスター・シティ)、ジェルソン・マルティンス(3000万ユーロ、モナコ)、ルチアーノ・ビエット(750万ユーロ、スポルティングCP)、バーナード・メンサー(360万ユーロ、カイゼリスポル)、ディエゴ・ゴディン(フリー、インテル)、フアンフラン(退団)、フィリペ・ルイス(退団)

    グリーズマン、エルナンデス、ロドリといったスター選手が巨額の移籍金を残しクラブを去ったことで、ワンダ・メトロポリターノの空気は再投資の動きと共に変わろうとしている。長きにわたりクラブに貢献してきたゴディンやフアンフラン、ルイスといったベテランたちもまた、クラブを後にした。

    しかし、変化は大きな損失だけではない。いくつか胸躍らせる補強が成功した。一番のビッグディールは、ベンフィカから19歳のワンダーキッド、ジョアン・フェリックス獲得に成功したことだ。1億2600万ユーロはこれまでのクラブレコードのおよそ倍額。またイングランド代表トリッピアーを筆頭に、5人の守備的選手を新たに加えた。巨額の移籍金を手にした彼らには、まだまだ経済的余力が残っている。

  • Mats Hummels Borussia DortmundGetty Images

    4ボルシア・ドルトムント

    主要獲得選手:マッツ・フンメルス(3050万ユーロ、バイエルン・ミュンヘン)、ニコ・シュルツ(2550万ユーロ、ホッフェンハイム)、トルガン・アザール(2550万ユーロ、ボルシアMG)、ユリアン・ブラント(2500万ユーロ、レヴァークーゼン)、パコ・アルカセル(2100万ユーロ、バルセロナ)、マテウ・モレイ(フリー、U-19バルセロナ)

    主要放出選手:アブドゥ・ディアロ(3200万ユーロ、PSG)、アレクサンデル・イサク(650万ユーロ、レアル・ソシエダ)ジェレミー・トルアン(ローン、サッスオーロ)、フェリックス・パスラック(ローン、フォルトゥナ・シッタルト)

    昨シーズンのブンデスリーガでは、一度は手中に収めたかと思われたリーグタイトルをバイエルンに明け渡したドルトムント。クラブは来シーズン、チームが再び息切れすることなくシーズン最後まで走り切れるように多額の投資に踏み切った。フンメルスの帰還は、ディアロを失ったルシアン・ファブレの守備陣を強固にするだろう。一方、T・アザールやブラントは既にドイツ国内でその攻撃能力の高さを証明している。アルカセルの完全移籍も、攻撃力をさらに強力なものにするだろう。

  • Antoine Griezmann Barcelona 2019-20Getty Images

    3バルセロナ

    主要獲得選手:アントワーヌ・グリーズマン(1億2000万ユーロ、アトレティコ・マドリー)、フレンキー・デ・ヨング(7500万ユーロ、アヤックス)、ネト(2600万ユーロ、バレンシア)、エメルソン(1200万ユーロ、アトレチコ・ミネイロ)

    主要放出選手:ヤスパー・シレッセン(3500万ユーロ、バレンシア)、アンドレ・ゴメス(2500万ユーロ、エヴァートン)、パコ・アルカセル(2100万ユーロ、ドルトムント)、デニス・スアレス(1290万ユーロ、セルタ・ビーゴ)、エメルソン(600万ユーロ、レアル・ベティス)、トーマス・フェルマーレン(退団)、ドウグラス(退団)、シャビ・シモンズ(非公開、PSG)

    スペイン王者はグリーズマンやデ・ヨングを補強し、前線と中盤をさらに強固なものとした。かつて所属したスーパースター、ネイマールがカンプノウへの復帰を望んでいるとされるが、既に巨額の支出を終えたバルサがブラジル人アタッカーを獲得する資金を捻出できるかは様子を見る必要がある。

    中心選手は概ね残留させることに成功している。またバレンシアとのGKのスワップでは小さいながら利益も手にした。一方で、アルカセル、A・ゴメス、D・スアレスら数人の控え選手たちはクラブを後にした。それ以上に、クラブの未来と目されていた16歳のワンダーキッド、シャビ・シモンズの退団は大きな衝撃を与えた。

  • Eden Hazard Real Madrid 2019-20Getty Images

    2レアル・マドリー

    主要獲得選手:エデン・アザール(1億ユーロ、チェルシー)、ルカ・ヨヴィッチ(6000万ユーロ、フランクフルト)、エデル・ミリトン(5000万ユーロ、ポルト)、フェルラン・メンディ(4800万ユーロ、リヨン)、ロドリゴ(4500万ユーロ、サントス)

    主要放出選手:マテオ・コバチッチ(4500万ユーロ、チェルシー)、マルコス・ジョレンテ(3000万ユーロ、アトレティコ・マドリー)、ラウール・デ・トーマス(2000万ユーロ、ベンフィカ)、テオ・エルナンデス(2000万ユーロ、ACミラン)、マルティン・ウーデゴール(ローン、レアル・ソシエダ)、セルヒオ・レギロン(ローン、セビージャ)、リュカ・ジダン(ローン、ラシン・サンタンデール)

    悲惨な2018-19シーズンを終え、この夏既に全ポジションで多額の資金を費やして強化に乗り出している。待望されたエデン・アザールがついに加入し、ジネディーヌ・ジダン監督のチームを活性化させると期待されている。またヨヴィッチもベンゼマとは異なるオプションとして見込まれる。守備面ではミリトンやメンディはどちらも良い、将来性のある補強だと言える。またロドリゴは、近年でもっとも有望なブラジル人選手と高く評価されている。

    これだけの巨額の投資ばかりが目立つが、一方でマドリーは多くの選手を高額で売却している。コバチッチとジョレンテの移籍金だけで7500ユーロを手にするなど、控え選手の売却で多くの資金を獲得した。

  • Matthijs de Ligt Juventus 2019-20Getty Images

    1ユヴェントス

    主要獲得選手:マタイス・デ・リフト(7500万ユーロ、アヤックス)、クリスティアン・ロメロ(2600万ユーロ、ジェノア)、ルカ・ペッレグリーニ(2200万ユーロ、ローマ)、メリフ・デミラル(1800万ユーロ、サッスオーロ)、アーロン・ラムジー(フリー、アーセナル)、ジャンルイジ・ブッフォン(フリー、PSG)、アドリアン・ラビオ(フリー、PSG)

    主要放出選手:レオナルド・スピナッツォーラ(2950万ユーロ、ローマ)リッカルド・オルソリーニ(1500万ユーロ、ボローニャ)、ロジェリオ(600万ユーロ、サッスオーロ)、レオナルド・マンクーソ(500万ユーロ、エンポリ)、クリスティアン・ロメロ(ローン、ジェノア)、アンドレア・バルザーリ(引退)、マルティン・カセレス(退団)

    新指揮官マウリツィオ・サッリのもと、ヨーロッパで最も深みのあるチームになろうとしている。忙しい数カ月を送る中、一番の目玉補強はデ・リフトを獲得したことだろう。バルセロナやPSGとの獲得競争に勝利し、19歳ながら世界屈指のDFに君臨するオランダ代表を確保した。

    ビアンコネリはまた、ラムジーとラビオという実力あるMF2人をフリーで獲得。レジェンドであるGKブッフォンは最高のバックアッパーとしてクラブに復帰した。レアル・マドリーと同様、ユーヴェも多くの控え選手を放出して補強資金を捻出している。まだ1~2人の大型補強を計画しているユヴェントスは、数人の選手を売却すると見られている。