マルディーニ、クライフ、クライファート…サッカー界の偉大なる父子たち

アーセナルの契約金記録保持者であるサッカー家族。父、ピエール・オーバメヤンは、1985年から1998年の間に、フランスの様々なクラブでプレーしながら、ガボン代表として80試合に出場した。3人の息子は全員がガボン代表となり、カティリナとウィリーはディフェンダーだったが、ピエール＝エメリクは、世界で最も優れたアタッカーの一人とみなされている。

1997-98年シーズンにプレミアリーグを制覇したアーセナルのレジェンド、イアン・ライトはイングランド代表としても33試合に出場した。長子のショーンは、8歳のとき母親がイアンと結婚したことで養子となったが、義父よりも3試合多く代表に選ばれ、マンチェスター・シティとチェルシーでプレーした。イアンの実子のブラッドリーもシティに所属したことがあり、現在はメジャーリーグサッカーで最も優秀な選手として、ゴールデンフットを2度受賞している。

アルノールとエイドゥルのグジョンセン父子は、特に、同時に代表に選ばれてプレーした唯一の父子として有名であるが、実際には、同時にピッチに立ったことはない。1996年のエストニア戦で、息子エイドゥルは、父アルノールと交代して投入されたのであった。父子とも、母国では非常に人気があり、それぞれ、アイスランドの年間最優秀スポーツ選手に選ばれたことがある。

ディフェンダーのジャン・ジョルカエフは、1966年ワールドカップのフランス代表に選ばれ、クラブとしては、パリ・サンジェルマンとオリンピック・マルセイユに所属した。息子のユーリは、1998年にワールドカップを制覇したときのフランス代表の一人で、ユーロ2000でも優勝した。父と同じくPSGに所属し、カップウィナーズ・カップを勝ち取ったのち、インテル・ミラノへ移籍。そこでUEFAカップを獲得した。

ダニー・ブリントは、アヤックス・アムステルダムで最も成功した選手の一人であり、アムステルダムにいた13年の間に、ヨーロッパの3大大会すべてを制覇した。アヤックスの監督にもなり、その後、オランダ代表監督となったが、息子のデイリーはそこでディフェンダーとしてプレーした。デイリーはオランダで4度リーグタイトルを制覇した後、マンチェスター・ユナイテッドに加入し、ヨーロッパリーグ、FAカップ、リーグカップを獲得した。

ACミランのレジェンド、チェーザレ・マルディーニは、現役時代、1963年にヨーロピアン・カップ（現、UEFAチャンピオンズリーグ）を制覇し、セリエAを4度優勝した。監督としてもミランに成功をもたらし、1973年にはカップウィナーズ・カップとコッパ・イタリアを制覇した。死後、2016年にイタリアのサッカーの殿堂に選ばれたが、その4年前に息子のパオロも殿堂入りを果たしている。パオロは生涯ミランにのみ所属し、900試合を超える試合に出場、イタリア代表としても126試合でプレーした。その間、ヨーロピアン・カップを5回制覇し、歴代最優秀選手のひとりとみなされている。

血のつながった父子のペアとして、唯一プレミアリーグを制覇したシュマイケル父子は、デンマークで最も偉大なゴールキーパーの家系である。父のピーターは、マンチェスター・ユナイテッドのキャプテンとして1999年に3冠を達成し、1992年にデンマーク代表として欧州選手権を制覇。UEFAの年間最優秀ゴールキーパーに３度選ばれている。息子のカスパーは、レスター・シティで7シーズンを過ごし、2014年、レスターのチャンピオンシップ制覇に貢献した後、2016年のプレミアリーグ優勝という歴史を築いた。

マジーニョは、1994年のワールドカップでベベットが自身の息子の誕生を祝った、有名な「ゆりかごダンス」を披露したひとりであった。ベベットの息子マテウスも天才的なサッカー選手であるが、マジーニョの息子たちはそれ以上の成功を収めている。バイエルン・ミュンヘンのスター、チアゴはバルセロナでチャンピオンズリーグを制覇してスペイン代表に選ばれ、インテルに所属するラフィーニャも、父と同じくブラジル代表となり、バルセロナでチャンピオンズリーグを経験している。

バロンドールを3度獲得したヨハン・クライフは、歴代最優秀選手の一人として、世界的に認められている。アヤックス、バルセロナ、オランダ代表のレジェンドであり、息子のジョルディも堅実にキャリアを積み、バルセロナ、マンチェスター・ユナイテッド、オランダ代表に名を連ねた。後年にはアラベスでプレーし、UEFAカップの決勝に導いた。この試合は、ゴールデンゴールによりリヴァプールが5-4で勝利したが、最もエンターテインメントにあふれた試合の一つとみなされている。

パトリック・クライファートは、オランダ代表で3番目に得点数の多いストライカーで、出場79試合で40ゴールを挙げている。クラブでも同様の得点記録を保持しており、アヤックスとバルセロナで、2試合に1ゴールを挙げていた。ユスティンは、アヤックスで輝かしいデビューを飾り、18歳の若さで、左ウイングとして、アヤックスの攻撃のカギとなる活躍を見せている。