ついに2019-20シーズンの欧州各国リーグが続々と開幕。またフットボール漬けの毎日が始まった。
世界のトップ・オブ・トップが活躍するプレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラ、ブンデスリーガ、セリエA。その中でも輝きを放つ10代選手も多く存在する。今回『Goal』は、今注目すべき世界最高のティーンエージャーを紹介する。
(C)Getty Imagesついに2019-20シーズンの欧州各国リーグが続々と開幕。またフットボール漬けの毎日が始まった。
世界のトップ・オブ・トップが活躍するプレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラ、ブンデスリーガ、セリエA。その中でも輝きを放つ10代選手も多く存在する。今回『Goal』は、今注目すべき世界最高のティーンエージャーを紹介する。
Getty Images代表:U-18イングランド代表
生年月日:2001年10月1日(17歳)
6歳からユナイテッドアカデミーに所属していたグリーンウッドは昨シーズン、U-18プレミアリーグでの30試合で31得点9アシストを記録。その活躍ぶりをトップチームも無視することはできず、今年3月のチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16、パリ・サンジェルマン戦でデビューを果たした。今夏のプレシーズンツアーにも帯同し、リーズ戦とインテル戦では2試合連続でゴールをマークするなどアピールに成功。17歳らしからぬ落ち着きと非凡なテクニック、スピードを併せ持ち、左右どちらの足でもゴールを陥れることができる。
Getty代表:イングランド代表
生年月日:2000年11月7日(18歳)
ガーナに出生のルーツを持つハドソン=オドイは、チェルシーユースから2017年に昇格し、2018年にトップデビュー。層の厚いチェルシーでなかなか出場機会を増やせずにいると、バイエルンは今年1月に3500万ポンド(約50億円)もの高額オファーで引き抜きに挑戦したが、クラブ側は放出を拒否。意外性のある小気味よいドリブルと瞬発力が特長で、チームメイトのウィリアンも「世界最高峰の選手になれる」と、その才能に太鼓判を押す。昨季終盤は出番を増やしていたが、4月にアキレス腱を断裂したことで現在は離脱中。復帰後の活躍が期待される。
Getty Images代表:U-21イングランド代表
生年月日:2000年1月27日(19歳)
2017年のU-17ワールドカップにおいて、フォーデン、ハドソン=オドイらと共にイングランド代表の優勝に貢献したギブス=ホワイト。ウルブスユース出身の万能MFは、昨シーズンにプレミアリーグ26試合に出場するなど確実に経験値を積んでいる。力強さと推進力のあるドリブル、献身性を備えており、セントラルMFからセカンドトップ、左サイドでもプレー可能とユーティリティ性も高い。チームを率いるヌノ監督も、「高い技術を持っているし、最高のフットボーラーになることは間違いない」と期待をかける。
Getty Images代表:U-20イングランド代表
生年月日:1999年8月20日(19歳)
エディ・エンケティア、リース・ネルソン、エミール・スミス=ロウらアーセナルで期待されている10代グループの一人がユース出身のウィロック。ユースから2017年にトップデビューを果たしたMFは、プレシーズンでもエメリ監督から多くの出場機会を与えられた。労を惜しまないフリーランニングが持ち味で、本職であるトップ下のほかにプレシーズンで起用されたセントラルMFとしてもプレー可能。パスをさばいてリズムを出すだけでなく、自ら前線にボールを運ぶことが可能だ。
Everton FC代表:イタリア代表
生年月日:2000年9月28日(19歳)
11歳の時にトリノユースからライバルのユヴェントスユースへ加入し、16歳8カ月でセリエAデビューを果たしたケーン。2000年代生まれの選手として、初めてセリエAのピッチを踏んだ若者は、メキメキと実力をつけ、昨季はリーグ戦13試合の出場で4戦連発を含む6ゴールを奪った。昨年にはフル代表デビューも果たしており、EURO予選では2試合で2ゴール。強靭なフィジカルとスピード、得点感覚を武器とする新たな“怪物”候補をユヴェントスが手放したことは今夏の移籍市場での驚きの一つ。新天地のエヴァートン、マルコ・シウバ監督の下で飛躍が期待されるストライカーだ。
Getty代表歴:イングランド代表
生年月日:2000年3月25日(19歳)
すでに若手という枠にとどまっておらず、ブンデスリーガを代表するスター選手の一人だ。昨季は全公式戦で13ゴール19アシストという成績を残し、『Goal』が選定する若手賞である『Goal 50』の頂点にも立った。その最大の魅力はスピードあふれるドリブルと、テクニックの高さ。加えて、このドリブルを使うタイミングが絶妙であり、それこそが昨季の凄まじい成績へとつながった要因の一つだ。デビューシーズンだった2017-18シーズンはむやみな仕掛けからのボールロストや判断の悪さもあったが、昨季は改善。球離れも良くなり、ドルトムントの素早い攻撃にマッチした。最終局面で重要な仕事のできる選手へと成長している。これらの活躍が認められ、2018年10月にはクロアチア戦でイングランド代表デビューを飾っている。
Getty Images代表歴:U-19ドイツ代表
生年月日:2000年1月6日(19歳)
ブンデスリーガを戦っていた2017-18シーズンにハンブルガーSVのトップチームへと昇格し、プロデビュー。当時は伊藤達哉とともに暗いチーム事情を明るく照らすヤングスターとして一躍ファンの人気者となった。しかし、2部リーグで戦うこととなった昨季は、監督交代などもあり、トップチームに定着できず。17試合の出場で、最終節に挙げた1ゴールのみという厳しい成績に。それでも、将来性を見込まれ、バイエルンへとステップアップ。当初はレンタル移籍もしくはセカンドチームが主戦場となることが見込まれたが、現在はプレシーズンで猛アピールを見せている。ニコ・コバチ監督も評価しており、本人も「自分の能力の限界がわかった」と現在地を把握した様子。新シーズンはトップチームでベンチ入りを狙う戦いとなりそうだ。184センチとドイツ人としては小柄ながら、身体の使い方がうまく、ストライカーらしいフィニッシュワークの多彩さも魅力。コバチ監督はウィングなど様々なポジションで試すことを示唆しているが、果たして。
Imago代表歴:U-19トルコ代表
生年月日:2000年3月1日(19歳)
マヌエル・ノイアーやユリアン・ドラクスラー、レオン・ゴレツカなど数多くのスター選手を輩出してきた、シャルケユースの“最新作”である。チームが苦境へと陥っていた昨シーズンにデビューを飾った。スピードのあるアタッカータイプであり、センターフォワードとしてプレーする。昨季はチームがカウンターにシフトしたため、1トップの急先鋒という形で輝きを放った。シーズン後半戦のバイエルン戦ではそのカウンターから同点弾も決めきるなど、決定力も確か。トルコの世代別代表でもプレーしてきており、そこで見せているフィニッシュワークの多さは見事だ。A代表デビューも時間の問題と言えそうだが、出生地がドイツであるため、ドイツ国籍も持つ。今後、どちらの代表を選ぶかということにも注目が集まりそうだ。
Getty Images代表歴:U-21セルビア代表
生年月日:1999年8月7日(19歳)
今夏にルカ・ヨヴィッチ、セバスティアン・ハーラーの後釜としてやってきたのが、この若武者だ。クレヴェナ・ツヴェズダでのトップデビューからわずか2年足らずでドイツ行きを決めた。前任者であるヨヴィッチとは、セルビア出身や身長も180センチほどと、共通点も多い。もっとも、ヨヴィッチが強靭な体躯でボールをキープできるのに対し、ヨヴェリッチは典型的なボックスストライカーであり、選手としてのタイプは微妙に異なる。フランクフルトは去就が未確定ながらも、アンテ・レビッチやフィリップ・コスティッチ、ミヤト・ガチノヴィッチなどルーツが近く、チャンスメイクをこなせる選手も多いだけに、ドイツの水にさえ馴染めば、初年度からゴール量産もありそうだ。
Getty Images代表歴:ウェールズ代表
生年月日:2000年9月14日(18歳)
見た目からしてインパクト大の若手DFはドイツへ新天地を求めることになった。所属元であるチェルシーでは、昨季リーグ戦での出場はゼロ。それでも、カップ戦を中心に出場機会を得ており、今夏のRBライプツィヒへのレンタル移籍も、買い取りオプションが付いていないことからもわかる通り、クラブから将来性が見込まれている選手だ。すでにウェールズではA代表デビューも果たしており、その正確な読みからのインターセプト、シュートブロックが魅力。183センチと上背はないものの、ハードな守備も可能で、ダヴィド・ルイスの後継者と目される。ボール奪取後のフィードも武器であり、攻撃性を兼ね備えていることも偉大な先輩との共通点だ。ライプツィヒでは、若手指導、戦術分析に定評のあるユリアン・ナーゲルスマンが新シーズンから指揮を執るだけに、大きな成長を期待できそうだ。

代表:ポルトガル代表
生年月日1999年11月10日(19歳)
フェリックスはポルトの育成組織でキャリアをスタートさせたのち、15歳の時にベンフィカのU-17チームに入団。育成年代にポルトガルの2つの名門を渡り歩いた“クリスティアーノ・ロナウドの後継者”は、トップチーム昇格を果たした昨シーズンに公式戦43試合20得点11アシストと抜群の結果を残し、今夏からアトレティコ・マドリーに活躍の場を移した。そして、プレシーズンではレアル・マドリーとのダービーで1得点2アシスト大暴れ。チャンスメイク、得点力、ドリブルとすべてにおいて最高の資質を備えることを証明し、新シーズンのエース候補本命として名乗り出た。
Getty Images代表:U-20ブラジル代表
生年月日2001年1月9日(18歳)
ロドリゴは名門サントスにおいて16歳にしてプロ契約、トップチームデビューを果たして注目を集め、昨年夏にレアル・マドリー移籍内定が発表。移籍金は4500万ユーロ(約55億円)と破格の金額が伝えられた。そして、18歳になった今夏からレアル・マドリーに加わると、プレシーズンマッチ中には果敢なドリブル突破で再三チャンスを創出し、特にバイエルン・ミュンヘン戦では直接FKを決めてみせた。新シーズンをカスティージャでスタートさせると見られているが、猛アピールが続けばトップチームが主戦場となる可能性も十分にあり得る。

代表:U-20ブラジル代表
生年月日2000年7月12日(19歳)
ロドリゴ飛躍のモデルケースとなるのがこのヴィニシウスだ。18歳になった昨季にフランメンゴからレアル・マドリーに移った同選手は、当初はカスティージャでプレーしていたがチームに不調に陥っていた時期に救世主として登場。タイトルをもたらすことはできなかったものの、卓越したドリブル能力を見せつけて明るい話題を提供し続けた。現状ではフィニッシュにこそ難があるもののクロスの精度は高く、昨季の公式戦31試合で12アシストの成績を残している。大型補強を敢行した新シーズンはポジション争いに晒されることになるが、ここで一皮むければいよいよ手の付けられない選手となる。
©Getty Images代表:韓国代表
生年月日2001年2月19日(18歳)
韓国が生んだ逸材であるイ・ガンインは、名門バレンシアの下部組織で育ち、今年1月にアジア人として初めて同クラブのトップチームに昇格。それ以前の昨年10月には17歳にして公式戦デビューを飾っており、大きな期待を背負っていることは間違いない。ドリブル、シュート、パスとアタッカーとしてトータルに優れるイ・ガンインは、今年行われたU-20ワールドカップでも極上の才能を披露して2得点4アシストをマーク。大会MVPに輝き、同世代最高の1人であることをアピールした。バレンシアにはMFゴンサロ・ゲデスら多くのアタッカーが在籍しており激しい競争にはなるが、そこに参戦する資格は十分に有している。
(C)Getty Images代表:日本代表
生年月日2001年6月4日(18歳)
幼少期にバルセロナの育成組織で多くを学び、帰国してからも目覚ましい成長を遂げた久保は、今年の明治安田生命J1リーグで首位を走るFC東京を中心選手としてけん引。今夏にレアル・マドリーへの移籍が発表されると多くの視線に晒されたが、日本代表として参加したコパ・アメリカ2019ではそれだけの評価に値することを証明した。突出した創造性や技術はスペインでも注目を集めている。
Getty Images代表歴:世代別オランダ代表(U-15~U-19)、オランダ代表
生年月日:1999年8月12日(19歳)
もはや世界3本の指に入るディフェンダーと言っても良いのかもしれない。昨季はアヤックスで10代ながら主将を務め、オランダ国内2冠やチャンピオンズリーグ準決勝進出の立役者に。17歳でデビューを飾ったA代表でも、ネーションズリーグ全試合にフル出場、準優勝に大きく貢献した。ポジショニングやタックル、DFラインの統率に優れるだけでなく、ビルドアップも得意とし、さらに189cmの体躯を活かしたセットプレーも大きな武器だ。19歳にして完成されつつある。本人が憧れるユーヴェの大先輩ファビオ・カンナヴァーロのように、将来的にバロンドールを受賞する可能性も大いにあるだろう。
Getty代表歴:世代別イタリア代表(U-19、U-21)、イタリア代表
生年月日:2000年5月8日(19歳)
ついに“ネクスト・ピルロ”がセリエAの舞台に立つことになる。17歳でプロデビューを果たすと、苦難の時期もあったが、ブレシアにおいて絶対的な地位を確立。その活躍が目に留まり、昨年にはついにフル代表の招集を受けた(出場機会はなし)。中盤底に君臨する典型的なレジスタで、正確なパスにFK、戦術眼を持ち合わせており、育ったクラブも同じ――。ピルロの後継者に最もふさわしい選手だ。多くのビッグクラブが獲得に動いているが、ブレシアに残留することが濃厚。9季ぶりにセリエAに復帰するブレシアと共に、大きなインパクトを残せるだろうか。
Getty Images代表歴:世代別イタリア代表(U-15~U-21)
生年月日:2000年5月12日(19歳)
2016-17シーズンに2000年生まれの選手として初めてベンチ入りを果たし、イタリア代表としても各世代のゴールマウスを守ってきている。10代ながらすでに190cm以上の体躯を誇り、足元の技術に優れる現代的なGKである。しかし最大の問題点は、ミランにはジャンルイジ・ドンナルンマが在籍していること。弱冠20歳にしてセリエA142試合に出場し、代表でもジャンルイジ・ブッフォンの後継者として名高い彼の存在により、プリッツァーリは未だトップチームデビューを果たせていない。それでも、5~6月に開催されたU-20 ワールドカップでは5試合に先発し、3試合でクリーンシートを達成。今シーズンはコッパ・イタリアなどで出場機会を得ることになりそうだ。
www.sscnapoli.it代表歴:北マケドニア代表
生年月日:1999年9月24日(19歳)
わずか16歳で母国マケドニアのトップリーグでデビューすると、2017年にはフェネルバフチェに加入。昨季はポジションを勝ち取り、公式戦40試合出場4ゴールを記録した。体幹の強さを活かしたキープやタックル、ボールを運ぶドリブルを得意とし、中盤ならどのポジションでもプレーできるユーティリティ性を併せ持っている。今夏1600万ユーロ(約20億円)の移籍金でナポリへ加入。名将カルロ・アンチェロッティの下で、大きな飛躍が期待される。
getty images代表歴:U-18 イタリア代表
生年月日:2001年10月11日(17歳)
25年のキャリアをすべてミランへ捧げた偉大すぎる父・パオロの息子。最終ラインで圧倒的な存在感を放っていた父とは違い、ウイングやトップ下など、攻撃的なポジションで活躍する17歳だ。昨季はプリマヴェーラ1で23試合8ゴール1アシストを記録。エースナンバーである「10」を背負っている。今年5月にはU-18 イタリア代表にも招集された同国期待の若手有望株の1人だ。今夏にはトップチームのプレシーズンツアーにも参加し、バイエルン戦ではフル出場。今季中にトップチームの公式戦デビューを虎視眈々と伺っている。