(C)Getty ImagesGoal
ドルトムント、21世紀の最強ベストイレブン。新旧エース&2人の“小さなアタッカー”共演の豪華攻撃陣に
(C)Getty Images1/13
Getty2/13
ゴールキーパー:ロマン・ヴァイデンフェラー
在籍期間:2002年~2018年
下部組織出身の選手ではないにも関わらず、クラブのレジェンドに数えられている理由はその在籍年数だろう。2002年にカイザースラウテルンから加入すると、2018年に引退するまで、ドルトムントの一員であり続けた。2000年代後半の低迷期、そして2010年代での黄金期を知り、ファンにとっても選手にとっても「兄貴」的な存在で親しまれた。大舞台に強いビッグセーバーであり、相手FWとの一対一でも圧倒的な威圧感を放つ。特にビッグマッチで強さを発揮できるメンタリティを持っており、2012年4月に行われたブンデスリーガ終盤戦のバイエルン戦では、決められれば1-1に終わる可能性のあったアリエン・ロッベンのPKをストップ。自らの手でリーグ連覇のタイトルを引き寄せたのは、キャリアのハイライトでもあった。
Getty Images3/13
右サイドバック:ウカシュ・ピシュチェク
在籍期間:2010年~現在
加入から10年、右サイドバックの座を守り続けている。34歳となった今も、チームの欠かせぬ戦力であり、精神的支柱でもある。近年、攻撃的なサイドバックがもてはやされる傾向にあるが、ピシュチェクの魅力はやはり守備における対人戦の強さだろう。攻撃力がないわけではなかったが、フランク・リベリやアリエン・ロッベンといった世界屈指のアタッカーの全盛期と対戦したときでさえ、決して後手に回ることはない強さは印象深い。フィジカル的な強さと速さを併せ持つSBであり、強固なディフェンスラインをフンメルスらとともに支えた。
Getty4/13
センターバック:ネヴェン・スボティッチ
在籍期間:2008年~2018年
フンメルスとのコンビで、多くの栄冠を勝ち取った。フンメルスが近代型のCBだとすれば、スボティッチはまさに古き良きCB。人に強く、対人戦では絶大な強さを発揮するタイプだ。東欧の選手らしく、強い情熱を持っており、相手アタッカーとは試合中常にやり合う姿は見慣れたものだった。フェアプレーが信条のフンメルスとは対照的に、ときに激しいプレーもいとわない姿勢はファンから愛された。191センチと長身で空中戦にも強く、ドルトムント在籍中に18ゴールを記録。セットプレーでは大きな武器となった。
Getty Images5/13
センターバック:マッツ・フンメルス
在籍期間:2007年~2016年、2019年~現在
バイエルンユースの選手だが、2000年代後半のドルトムントを語る上では欠かせない存在と言えるだろう。後方から球出しを高いレベルで行うことのできるタイプのパイオニアであり、両足で正確な縦パスをつけることができる。ゲーゲンプレスを持ち味としていたチームにおいて、特に効果を発揮し、仮にミスパスに終わっても、すぐに回収することで有効な攻撃へとつなげていた。右足アウトフロントで相手DFの裏を狙うパスなど、足のあらゆる箇所を使ってビルドアップを組み立てる姿は、CBとしては異質だった。無論、守備能力もドイツ国内では屈指。スピードこそないが、読みを生かしたインターセプトにおいて右に出る者はいない。2010-11シーズン、2011-12シーズンの連覇は彼抜きには語れない。今シーズンからはドルトムントに復帰し、再びチームとともにチャレンジャーの立場に。
Getty6/13
左サイドバック:マルセル・シュメルツァー
在籍期間:2008年~現在
ブンデスリーガデビューからドルトムント一筋でプレーし、現在に至るまでチームの顔とも呼べる選手だ。タイミングのいいオーバーラップと、正確な左足のキック技術で多くのゴールをアシストしてきた。若手時代は突貫小僧の印象が強かったが、年齢とともにプレーも円熟味を増し、安定感のある守備力がウリに。2016-17シーズンから2年間に渡り主将も務め、大きな責任も担った。近年では、若手の台頭や自身の負傷もあり、出場機会は激減したが、ドルトムントのレジェンドとして後世に語り継がれることは間違いない。
Getty Images7/13
セントラルMF:セバスティアン・ケール
在籍期間:2002年~2015年
アンケートの得票率では3選手を下回ることとなったが、在籍年数、出場試合数では他の追随を許さない。暗黒期、黄金期を知る選手としてアンカーでバランスを取る。2002年にフライブルクから加入すると、ユルゲン・クロップ監督指揮下ではキャプテンも担った。ケガや若手の台頭もあり、出場機会が限られるシーズンもあった中で、精神的支柱としてドルトムントを支え続けた。引退した2014-15シーズンでもリーグ戦20試合に先発するなど、最後までチームの中心選手としてプレー。現在はドルトムントのチームマネージャーを務め、ピッチ外から温かい眼差しを送っている。
Getty Images8/13
右ウィング:ピエール=エメリク・オーバメヤン
在籍期間:2013年~2018年
ドルトムントの補強戦略では珍しく、20代なかばで加入し、ワールドクラスへと成長したストライカーだ。当時は右ウィンガーとしても起用されることがあったため、今回のベストイレブンではロイスとともに最強の両翼を形成してもらう。ドルトムントでは加入1年目から最終シーズンまで二桁ゴールを達成。2016-17シーズンには、31ゴールを得点王を獲得した。圧倒的なスピードと高いシュート技術が特徴で、一瞬のスピードを持って相手DFを外し、クロスに合わせるパターンも得意とした。主要な獲得タイトルは、2016-17シーズンのDFBポカールのみだが、ゴール後のスパイダーマンマスクを着けたセレブレーションや前宙など、ファンにも大きなインパクトを残した選手だった。
Getty Images9/13
攻撃的MF:香川真司
在籍期間:2010年~2012年、2014年~2018年
読者アンケートでは、日本が誇る小さなアタッカーが7割近い得票率を獲得。セレッソ大阪から加入した2010-11シーズンはまさにセンセーショナルそのものだった。狭いスペースでもボールを受けることができる技術、素早いターン、圧倒的な攻撃センスで屈強なドイツ人DFたちをきりきり舞いにし、1年目からリーグ戦18試合で8ゴール1アシストを記録。シャルケとのレヴィアダービーでは2ゴールを挙げて勝利の立役者になり、一気にドルトムントのアイドルになった。終盤は負傷で欠場となったが、2シーズン目も勢いは衰えることなく、リーグ戦31試合で13ゴール12アシストを記録し、前年度を超えるインパクトをもたらし、連覇に貢献。マンチェスター・ユナイテッドから復帰後のパフォーマンスは物足りないものにも見えるが、通算7季に渡って黄色と黒のユニフォームをまとい、サラゴサへの完全移籍も「彼の夢」として、快く送り出された。
Getty10/13
攻撃的MF:マリオ・ゲッツェ
在籍期間:2009年~2013年、2016年~現在
近年のドルトムントにおいて、最も愛され、最も憎まれた選手がゲッツェだ。2009-10シーズンにトップチームデビューを飾ると、翌年にブレイク。バイエルンから優勝をさらったチームの司令塔として一躍脚光を浴びた。タッチが細かく、狭いエリアで輝ける選手として、香川真司らとともに若いチームを牽引。受け手、出し手、どちらでも機能し、香川やレヴァンドフスキらと好連携を発揮した。2013年に愛するクラブを“裏切って”バイエルンへと移籍したが、ドルトムント時代の輝きを見せることはできず。2016年に復帰し、放蕩息子の帰還として大きな話題を集めた。ドルトムントファンはかつての輝きをいまだ夢見るが、今夏の退団が濃厚となっている。
Getty Images11/13
左ウィング:マルコ・ロイス
在籍期間:2012年~現在
間違いなく、現在のドルトムントで最も愛されている選手だ。下部組織出身で、ボルシアMGでブレイクしたが、2012年にドルトムントへと復帰。以降は主力選手としてプレーし、30歳となった今ではキャプテンを任される。サイドアタッカーとして名を挙げたが、現在ではトップ下やFWなど中央でプレーすることも多くなり、よりゴールに絡む選手に。卓越したシュート技術が魅力で、2018-19シーズンはリーグ戦17ゴール8アシストという成績を残した。個人では年間最優秀選手賞を2度受賞しているが、いまだマイスターシャーレを掲げたことはなく、タイトルの少なさが玉に瑕。ファンはチームに忠誠を誓う主将がトロフィーを掲げる姿を夢見ているはずだ。
Getty12/13
センターフォワード:ロベルト・レヴァンドフスキ
在籍期間:2010年~2014年
名もなき、若手FWとして加入し、世界有数のストライカーとしてチームを去った。現在はポストワークも武器のレヴァンドフスキだが、加入当初の足元の拙さは今の姿からは想像もつかないものだ。1年目はルーカス・バリオスの控えだったが、2シーズン目から主力に定着。その名を世界に知らしめたのは、2012-13シーズンのチャンピオンズリーグ、レアル・マドリー戦。多彩なバリエーションで4ゴールを挙げ、世界に衝撃を与えた。ドルトムントというクラブの性質上、マリオ・ゲッツェ、マルコ・ロイス、ピエール・エメリク・オーバメヤンなど様々なタイプの選手と前線でコンビを組んだが、どの選手とも好連携を見せたのは彼だからこそ為せる業だった。
(C)Goal13/13
広告