Lamine YamalGetty Images

18歳で世界最高クラスと称されるヤマルだが、将来を危惧する声も…「彼はメッシよりネイマールに近づこうとしている。誰にとっても良くないことだ」

18歳にして“世界最高の選手の一人”として扱われるバルセロナFWラミン・ヤマル(18)だが、あまりにも早熟であるために将来を心配する声も少なからず存在している。

2023年に15歳9カ月16日でバルセロナのトップチームデビューを果たし、約2年でバロンドールにも手が届く世界トップクラスの選手の仲間入りを果たしたヤマル。今季からバルセロナの背番号10も背負う同選手だが、あまりに若いブレイクに、このまま順調に活躍し続けられるかを憂う声も少なくない。

バルセロナのジョゼップ・ルイス・ヌニェス政権において理事会幹部、ジョアン・ガスパール政権において副会長を務めたガブリエル・マスフロル氏(72)も、ヤマルの将来を危惧する一人だ。マスフロル氏はスペイン『マルカ』で連載しているコラムにおいて、FWリオネル・メッシではなくFWネイマールをアイドル視してきたことを公言するヤマルが、そのエゴを徐々に肥大化させており、メッシのように継続的に活躍する選手になれないのではないかと案じている。

「メッシかネイマールのどちらかを選ばなければいけないとは思っていない。2人はずいぶんと異なる選手だ。しかし、それでも私はリオネル・メッシに対して称賛の気持ちを持っている。その気持ちは彼の天才性や、ボールを使った魔法だけに向けられているではない。それだけでなく謙虚な姿勢や、長きにわたって活躍し続けているといったかけがえのない価値によって、私は彼を称賛しているのだ」

「その一方でネイマールはバルサに在籍したもう一人の天才だが、彼がレオの後継者だとは私には言えない。彼はもっと遠くまでたどり着けるはずだった」

「ラミンについて私が気になったのは、彼の最初の頃に受けたインタビューの内容だった。メッシについて聞かれた彼の反応は冷淡だった。メッシはメッシで、比較されることは望まない、と。私には当然のことのように思えたが、そのインタビューの続きでネイマールに対する親近感を話していて、そこで胸騒ぎを感じることになった。そう、私は破滅論者と言われる少数の人々と感情をともにしたんだ」

「ラミン・ヤマルはフットボールの天才だ。しかしフットボールはチームスポーツであり、コレクティブであることを重視し、エゴを出すことは控えなければならない。団結してこそ、チームメートを尊重してこそ夢のようなチームができ上がるんだ。昨季の私たちは、そのような道を歩んでいるように思えた。だが、もう成人となって、自分自身の道を歩もうとしているラミンは、レオよりもネイマールに近づこうとしていると感じる。それは誰にとっても良くないことになるのではないか。もちろん、これは私個人の意見であり、悲観論者、破滅論者と罵ってもらってもかまわない」

「私は、自分を批判する人々の考えが正しく、ラミンが成功をつかむことを願ってやまない。だが、私は疑ってしまうのだ。今は若さと天才性が彼のことを守っている。しかし、どれだけ素晴らしい選手であっても、たった一人ではどこにもたどり着けないことを忘れないでほしい。だからこそチームが、仲間たちが、団結心、が必要不可欠なのだ。何より重要なのは、コレクティブなタイトルにほかならない。コレクティブなタイトルにたどり着くことで、その後に個人タイトルがついてくる。その順序は、絶対に不可逆なのである」

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