現地時間30日、カタール・ワールドカップ(W杯)は決勝トーナメント1回戦が行われ、アルゼンチン代表とオーストラリア代表が対戦した。
初戦でサウジアラビア代表に敗れるという最悪のスタートを切ったものの、その後メキシコ代表とポーランド代表に連勝し、グループCを首位で通過したアルゼンチン。一方のオーストラリアも初戦で優勝候補フランスに1-4と大敗を喫したものの、その後チュニジアとデンマークにそれぞれ1-0で競り勝ち、グループDで2位となり決勝トーナメント進出を決めた。
どちらも初戦で躓いたものの、その後は2試合クリーンシートで連勝している両者。トーナメント特有の緊張感も相まって、立ち上がりから非常に慎重な入り方を見せる。
ボール保持で上回るアルゼンチンだが、オーストラリアもしっかり守備ブロックを構築。エースのメッシにいい形でボールを預けたいところだが、個人技で打開できるディ・マリアやラウタロ・マルティネスがベンチスタートのため、なかなかオーストラリア守備陣の綻びを見つけることができない。
互いにシュートチャンスがほとんどない中で迎えた35分、ペナルティーエリア右からのFKをメッシがゴール前に入れるも跳ね返される。これを拾って再び受けたメッシが中央のマクアリスターに預けると、自らゴール前へ。マクアリスターがエリア内のオタメンディにクサビのパスを入れると、ダイレクトで落としたボールをスイッチのような形で受けたメッシが左足をコンパクトに振り抜く。狙い済まされたシュートがDFの股を抜けてゴール左へと決まり、アルゼンチンが先制する。
よく守っていたものの先制を許したオーストラリアは後半、GKのマルティネスにボールが渡った際にも奪いに行くなど、前半よりも積極的にプレスをかけていく。
しかし57分、アルゼンチンが逆にオーストラリアのGKライアンに2人がかりでプレスをかけ、デ・パウルはかわされたものの、奪ったアルバレスがすかさず無人のゴールに流し込み、アルゼンチンが大きな追加点を挙げる。
2点ビハインドとなったオーストラリアは58分、バッカスとマクグリーを下げてフルスティッチとグッドウィンを投入。さらに72分にはデゲネク、デューク、レッキーを下げてカラチッチ、マクラーレン、クオルを投入して流れを変えようと試みる。
すると迎えた77分、左サイドからのアーリークロスは跳ね返されるものの、このこぼれ球をペナルティーエリア手前のグッドウィンが思い切りよくダイレクトボレーで捉えると、DFに当たってコースの変わったシュートにGKマルティネスが反応できず。ゴール右へと吸い込まれ、オーストラリアが1点差に詰め寄った。
81分にはベヒッチがドリブルでエリア内に持ち込みシュートを放つが、ここはリサンドロ・マルティネスがギリギリのところでスライディングでブロックする。
勢いの出てきたオーストラリアだが、アルゼンチンもカウンターからダメ押しの3点目を狙う。88分、メッシがドリブルでDFを引きつけてエリア内左のラウタロにラストパス。決まれば試合は決まっていたが、この決定機はゴール右へと外してしまう。
ダメ押しゴールこそ決められなかったアルゼンチンだったが、アディショナルタイムの7分間でオーストラリアに追加点を許さず。逃げ切ったアルゼンチンが準々決勝へと駒を進めた。
勝利したアルゼンチンは、準々決勝でベスト4を懸けてオランダと対戦する。
■試合結果
アルゼンチン 2-1 オーストラリア
■得点者
アルゼンチン:メッシ(35分)、アルバレス(57分)
オーストラリア:OG(77分)