2026年FIFAワールドカップについて、環境保護活動団体が「史上最悪の大気汚染に繋がる」と主張している。『BBC』が伝えた。
いよいよ来年に迫ったW杯。アメリカ、カナダ、メキシコと史上初の三カ国共催で行われる2026年大会は、すでに日本代表を含めアルゼンチン代表やブラジル代表など、続々と本大会出場チームも決定しており、現地アメリカでは開催中のクラブワールドカップと併せて熱が高まっている。
しかし環境保護活動団体「Scientists for Global Responsibility(GSR)」は、2026年大会で予想される温室効果ガス排出量を算出し、「大会史上最悪の環境汚染に繋がる」と警告した。
同団体は、参加国が32チームから48チームに拡大されたことや三カ国にまたがることで飛行機での長距離移動が発生することなども考慮したうえで、「二酸化炭素(CO2)換算で900万トン以上の排出量を生み出す」と指摘。これは過去4大会の平均値のほぼ2倍であり、最大525万トンと推定される前回のカタール大会を大幅に上回る数値であるとのこと。さらに「平均的なイギリス車約650万台が1年間運転するのと同等の数値」と算出している。
『BBC』によると、2026年大会の開催三カ国は立候補した当初、CO2の推定値が360万トンと主張していた模様。さらに「2026年W杯がスポーツにおける環境持続性の新たなる基準を確立し、目に見える環境効果をもたらすことを期待している」と明かしていたようだ。
なおFIFAは以前、2030年までにCO2排出量を50%削減し、2040年までにネットゼロを達成することを約束している。しかし2023年、スイスの規制当局がFIFAの主張するカタール大会の環境影響軽減について「根拠のない主張」と判断したことが話題になっていた。
現在開催中のクラブW杯では、深刻な猛暑や天候が物議を醸している状況だが、来年のW杯開催に向けて問題は山積みのようだ。
