Al Thumama Stadium InaugurationSC

「アラブ文化を祝福するワールドカップ」。壮大な外観のアル・トゥママ・スタジアムはカタールW杯の象徴に

2022年W杯に向けた準備において、ホスト国のカタールはまた一つ非常に重要な到達目標を達成した。さる金曜日、アル・トゥママ・スタジアムが世界に公開されたのだ。

来年のW杯で使われるスタジアムのうち6番目に完成したこのスタジアムは、国内カップ戦であるアミールカップの決勝戦でこけら落としを迎え、アル・サッドとアル・ラーヤンが熱戦を繰り広げた。

収容人数4万人を誇るこの新スタジアムには、革新的な冷房設備をはじめとする最先端の技術が盛り込まれている。だがそれだけではなく、アル・トゥママ・スタジアムはカタールが2022年W杯で象徴としたい、輝かしいシンボルなのだ。

以下に続く

「サッカー最大の大会が中東で開催されることは、アラブ地域全体にとっての勝利だ」

カタールが2022年W杯の開催権を獲得して以来、彼らは繰り返し述べてきた。

Al Thumama StadiumSC

2022年W杯を指揮する組織である「カタール最高委員会(SC)」で事務局長を務めるH.E.ハッサン・アル・タワディ氏は、アラブ初のW杯の意義についてしばしば語ってきた。次のW杯はアラブ文化を祝福するものとなり、世界中に彼らのよく知られたホスピタリティの高さを見せることができる大会になる、という。

「これはアラブ地域全体のW杯だ。すでに登録しているボランティアの数や、イベントに参加したいと興味を持っている人たちの数を見てみてほしい。2021年末にはアラブカップを開催する。ここにはすべてのアラブ諸国が参加することになっている。我々は、地域の人々を受け入れる活動を続けている。この大会はカタールで開催されるが、何よりもまず地域全体の大会なのだ」

地域への貢献を端的に表しているのが、アル・トゥママ・スタジアムの複雑な構造だ。このスタジアムは、アラブ地域の文化を凝縮した世界でも有数のスタジアムの一つとなっている。

ドーハから南に12kmのところに位置するアル・トゥママ・スタジアムは、アラブの尊厳と独立の最大のシンボルを掲げている。

スタジアムの外周に施された複雑な模様は、アラブ地域の少年や成人男性が身につける、模様編みの帽子「ガーフィヤ」を模している。これはアラブ全域に根付いた重要な衣服であり、アル・トゥママ・スタジアムの意匠は地域の威信や伝統にささげるデザインとなっている。

さらに、SCは「カタール2022」を地域がひとつになるイベントと捉えるだけでなく、世界中の人々がアラブの文化やホスピタリティを知ることのできるグローバルなイベントだと考えている。

「ファンにとっては、絆を作り、祝い合う瞬間になるだろう。こうした楽しい思い出を作ることができるはずだ。さらにファンは地域のことや、我々の人としての魅力を経験するだろう。ニュースで目にしていることや、残念ながら皆の心に根付いている固定観念などを忘れてしまうだろう。彼らが人間としての私達を実際に見る機会になる。とても似ている面もあり、違う面もある。だが、違いを祝福し、共通点を楽しむことができるだろう」

以前からアル・タワディ氏はこのように宣言してきた。

そして、アル・トゥママ・スタジアムはSCのリーダーによるこの宣言を完璧に体現している。世界がアラブ地域との文化的な違いを祝福しつつ、共通点、つまりサッカーという美しい競技を楽しむことができる、記念碑的なスタジアムなのだ。

広告