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W杯開幕戦、いきなり半自動オフサイド技術の新VARが活躍…ゴール取り消し、正確ジャッジで話題に

2022 FIFAカタール・ワールドカップ(W杯)の開幕戦が20日に開催され、エクアドル代表がカタール代表に2-0で勝利した。この試合では、W杯で初めて採用されている半自動オフサイド技術が使用されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)でのゴール取り消しが生まれた。

この試合の3分、エクアドルはゴール前に入れたFKから飛び出してきたGKとエストラーダが競り合い、こぼれたボールをフェリックス・トーレスがシュート。最後はゴール前のエネル・バレンシアがヘディングでネットを揺らした。しかし、VAR判定の結果、オンリーレビューでオフサイド判定となり、ゴール取り消しとなった。

この場面、一見してオフサイドであることが非常にわかりづらく、ネット上では多く混乱の声があがった。しかし、時間が経過して新技術での3Dアニメーション画像での判定が表示され、エストラーダがボールを触った際にオフサイドであったことが明確となった。

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今大会では、今季のチャンピオンズリーグ(CL)でも採用される半自動オフサイド技術を使用している。FIFA(国際サッカー連盟)の説明によれば、この新技術はスタジアムの屋根の下に設置された12台の専用トラッキングカメラを使って、ボールと個々の選手の最大29のデータポイントを1秒間に50回追跡し、ピッチ上の正確な位置を計算。収集された29のデータポイントには、オフサイド判定に関連するすべての情報が含まれている。

また、大会公式ボール内部には慣性計測装置(IMU)センサーを搭載しており、難しいオフサイドを検知するためにさらに重要な要素を提供。ボールの中央に設置されたセンサーは1秒間に500回、ボールデータをビデオオペレーションルームに送信し、キックポイントを非常に正確に検出することが可能となっている。

トラッキングデータを組み合わせ、さらにAI(人工知能)を応用。味方のボールがプレーされた瞬間にオフサイドポジションにいたアタッカーがボールを受けると、ビデオ・オペレーションルーム内のマッチオフィシャルに自動的にオフサイドの警告を表示する。ビデオマッチオフィシャルは審判に伝える前に、自動的に選択されたキックポイントと、選手の手足の位置を計算して自動的に作成されたオフサイドラインを手動で確認し、提案された判定を検証する。

そして、ピッチ上のビデオマッチオフィシャルとレフェリーが判定を確認した後、判定に使用されたものと全く同じ位置データが、ボールがプレーされた瞬間の選手の手足の位置を詳細に示す3Dアニメーションに生成。「より短時間で正確かつ再現性の高いオフサイド判定」を実現する新技術が、開幕戦でいきなり生かされた格好となった。

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