気になったジャッジを徹底解説する「Jリーグジャッジ リプレイ」の2020シーズン第1回が、DAZNで配信された。
今回は、昨シーズンからお馴染みのJリーグ原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さんに加えて、FIFA・AFC・JFA審判インストラクターの深野悦子さんがゲストとして登場。SNSでつぶやきが多かったシーンを解説した。
『Goal』では同コンテンツの中から、注目のジャッジをピックアップ。新シーズンの1回目は、21日に行われた明治安田生命J1リーグ開幕戦の湘南ベルマーレvs浦和レッズより、初めてリーグ戦においてビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入で判定が変わった場面を取り上げる。
■VAR介入の事象は基本的に4つ
話題となっているのは69分のシーン。湘南DF石原広教が浦和のボックス右でドリブルを仕掛けたところ、浦和DF鈴木大輔が身体を入れて奪い返す。その後、浦和がカウンターを転じようとするが、プレーが切れたところで笛が鳴り、主審がオンフィールドレビューを選択してモニターを確認。鈴木大のハンドがあったとして、湘南にPKが与えられた。まず基本として、VARはすべての事象ではなく「得点かどうか」「PKかどうか」「退場かどうか」「警告・退場の人間違い」、または見逃された重大な事象について介入。PKや悪質な行為など主審の主観に委ねられる部分がある場合はオンフィールドレビュー(主審がモニターを確認)、オフサイドなど事実の確認のみで十分な場合はVARオンリーレビュー(モニター確認なし)となる。
女子ワールドカップでも笛を吹いた経験を持つ深野インストラクターは、今回VARが介入した判断についてこう説明した。
「ペナルティエリアの中でハンドがあったと思われますが、主審がそれを分かったかどうか。(実際には主審は笛を吹いておらず)それで結果的にVARが介入したということになります。PKかどうかということに関わりますので、これは介入した」
「VARが事象を確認できた後にオンフィールドレビューを勧め、主審がレビューを見に行った。結果、PKになったということになります」
また、ハンドそのものに関しては、原副理事長も「PKでいいと思います。鈴木大輔とも話しましたが、『手が出ていっちゃったんです』と言いながらもやっぱり払っているようになるし、逆に左手で脚を伸ばした時にかばい手みたいになるのであれば、身体を支える手みたいに言えると思う。ですけど、逆の方の手ですからね」とコメント。深野インストラクターと平畠さんも主審の判断を支持している。
■鈴木大輔にカードが出なかった理由
(C)J.LEAGUE
PKに間違いはなかったとする今回のケースだが、そのうえで以下のようなツイートが平畠さんにより紹介された。
「こちらですね、『VAR介入でハンドによりPKのシーンですが、意図的なプレーによりPKをとったのだと見て取れました。それに対してのカードが出ない理由を知りたいです』と。よくご存じですよね」
これについて「良い質問ですね」と反応した深野インストラクターは「意図」はあったと判断する。
「右も支える手になっているのであれば当然地面に触れていいはずなんですけども、やっぱりボールの方に直接いったというところで手がボールにいったということはやっぱり意図があってハンドの反則ということで間違いはない」
続けて、カードの基準として今回のファウルが退場の条件となるDOGSO(決定的な得点の機会の阻止)には当たらないと説明。そして、警告の条件に該当する“SPA”(STOPPING A PROMISING ATTACK/相手の大きなチャンスとなる攻撃を阻止すること)かどうかという議論が必要だと語る。
「SPA、それは大きなチャンスを妨げたというものなんですけれども、これがそれに当たるかどうか、という判断になります。まずDOGSOではない、決定的な得点の機会阻止ではない。次、ブレイクダウンして警告かどうか、チャンスだったかどうかというところです」
「一緒に並走していた選手はタッチの外に出てしまって、次のプレーができない状態になっています。そして、周りを浦和の選手がたくさん取り囲んでいて、ペナルティエリアの中ですけれども、チャンスではないという判断をします。そこで、ハンドの反則だけでPKのみは正しかったと考えます」
最後に、平畠さんは「これVARがあって良かったなってシーンじゃないですか?もしなかったら…映像で何度も見てもハンドに見える。VARがなかったらあのままプレーは流れてたわけで…」と口にし、原副理事長も「ちゃんと見ててくれて、VARでチェックがちゃんと入るということで、良かったと思います」と締めくくる。早速、VARの導入による恩恵が表れたシーンと言えそうだ。
今回のジャッジリプレイでは、このほかに川崎フロンターレvsサガン鳥栖の49分にFWレアンドロ・ダミアンのゴールがVARにより取り消しとなった場面、横浜F・マリノスvsガンバ大阪の34分にMF倉田秋のオフサイドが覆った場面、清水エスパルスvsFC東京の89分にDF立田悠悟のファウルがノーカードだった場面についても議論されている。
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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です
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