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松木玖生は「この負けが一番の収穫」と前を向く。日韓戦の敗北は、決して後退にあらず

■青森山田時代から変わらない思考法

 AFC U23アジアカップのグループステージ第3節は韓国との戦いになった。互いに2連勝で次ステージ進出は決まっているチーム同士の対戦だった。

 結果は、0-1の敗戦。途中出場でチームを引っ張ったMF松木玖生(FC東京)は、「この負けが一番大きな収穫だと思って自分たちも切り替えるしかない」とした上で、こんな言葉を続けた。

「ここからはトーナメント。次は負けたらもう終わってしまう。そういった危機感を持ちながらできるとも思いますし、この負けをしっかりプラスに捉えて、チームをしっかりと見つめ直してやっていければいい」

以下に続く

 敗戦の悔しさは滲ませつつも、ネガティブな雰囲気はまったく出さなかった。松木の中で「負けは悔しい。修正すべき点は正す。後は切り替えて次から勝っていけばいい」というスタンスは常に一貫したものだ。

 それは青森山田高校時代から変わらない。負けを引きずるのは弱者の甘え。連敗しないチームこそが本当に強いチームというのは、松木が黒田剛監督(当時)から叩き込まれた思考法でもある。

▶【動画】U-23日韓戦ハイライト

■個人の課題は明瞭

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 前節から韓国が10名、日本が7名を入れ替えて臨んだ、そういう立ち位置の「日韓戦」は、事前の煽りとは異なり、静かな展開だった。

 5バックで守りを固める韓国に日本もお付き合いしてしまうような流れで前半を過ごしてしまい、後半からエンジンはかかったものの、CKから失点。ボール支配率でもシュート数でも(CK数でも!)大きく上回った日本だが、結果は0―1の敗北だった。

 63分に投入された松木は、そんな日本の戦いぶりをこう振り返る。

「前半はちょっと後ろでボールを動かし過ぎていると思いましたし、背後の動きとかも活かせず、ステーションパスが続いてしまっていた」

 その上で自分が入ってからの意図は明確。

「よりアグレッシブにゴール前に飛び込むところだったりとか、常に前目のポジションをとりながら、マオくん(細谷真大)との距離を縮めてやろうと思っていた」

 結果としてこの狙いは功を奏した部分もあり、松木投入後から明らかに日本のチャンスも増えたが、結果は0得点。松木自身を含め、「やっぱり、そこを決め切らないといけない」というのは一つの明確な結論だろう。ただそれは、「選手各々がわかってると思います」とした上で、「決勝トーナメントでは、自分が点を決めて日本勝たせるようにしたい」と言葉に力がこもった。

▶【動画】U-23日韓戦ハイライト

■チームの課題も修正可能

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 決定力が個人の課題とするならば、チームとしての課題は何か。「もっとサイドチェンジを増やして、もっとポケット(ゴールエリアの脇)に侵入していくサッカーをしていけると思う」ということをまず挙げる。

 また「こういうアジアの試合では相手に合わせないことが重要」ともいう。様子見から入るのではなく、立ち上がりから自分たちのやりたいことを相手に押し付けていくような入り方、アグレッシブさを求めたい考えだ。

「これを生かさないともちろん駄目ですし、同じ失敗はできない。みんなでさらにギアを上げてやっていかないといけない」

 幸いにもと言うべきかは微妙なところながら、中2日の連戦をローテーションして戦ったことで、日本の主力選手たちが体力的に温存されているのも確かな事実だ。

 松木自身、「疲労は全然たまってない」とした上で、「次はスタメンかスタメンじゃないかはわからないですけど、呼ばれたときに120%の力を出せる準備をしていきたい」と意気込む。

 25日の準々決勝で当たる相手は開催国のカタール。松木は「まずアウェイの雰囲気に呑み込まれないこと。そういった意味でも、相手に合わせないことが重要になってくるし、先制点を取ってしまうのが一番」と語る。

 常勝のメンタリティを持つ副主将。その痛快な先制弾に、まずは期待しておきたい。

▼U-23日本代表全力のラストプレー

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