Goal.com
ライブ
20220612-u21-japanAFC

若き日本代表、ベスト4を懸けた日韓戦。テクニカルなサッカーに進化する韓国を攻略できるか?【プレビュー/予想布陣】

■この世代の韓国にはU-20W杯で敗戦

20220612-japan-predictionGOAL

 実のところ、組み合わせが決まった時点で予感はあった。いや、現実的予想だったと言うべきか。準々決勝は日韓戦となった。

「日韓戦ってみんな“そういうふう”に見るし、大会の勝敗を超えたところにある」

 大岩剛監督がそう言って微笑んだように、よくも悪くも違った意味付けをされてしまう試合となる。ユース年代含めて過去幾多の名勝負を演じてきた相手であり、選手たちからもそうした“意味”についての言葉が聞かれた。

「韓国はアジアの中でもライバルのチームだと思っているし、強くて速い選手もいるし、タレント揃いというイメージもありますが、そこは自分たちも負けていない自信はある」(MF斉藤光毅)

「小さい頃からアジアカップや最終予選で韓国と戦うのを見ている中で、常に因縁の相手として出てきた。先輩方もやってきた相手だと思うので、そこに対して燃えているところもあります」(MF山本理仁)

 この世代の韓国とはアジアの戦いではなく世界の舞台、2019年のU-20W杯のラウンド16で対戦してもいる。当時出場していたのは飛び級で試合に出ていたGK鈴木彩艶のみ(斉藤も選ばれていたが、負傷欠場)だが、悔しい敗戦を喫してもいる。

「自分は下の年代から韓国とやっていますが、勝ったイメージはあまりない。負けたらいつも以上に悔しいというのもそうですし、U-20W杯の舞台では悔しい思いもしたので、今度こそは勝ち切りたい思いが強いです」(鈴木彩)

 当時の韓国は激戦の末に日本を破った勢いそのままに世界大会のファイナリストとなるまで勝ち上がっていったが、その経験者がズラリと揃う陣容は強力だ。日本より2歳年長という点でそもそもの差があるわけだが、試合映像を観たMF藤田譲瑠チマが「普通に強いなと感じた」と率直に語ったとおり、ラクな試合展開は期待できそうにない。

■連係とスキルで勝負する韓国

20220612-U23-pre-3GOAL

 かつてJリーグの得点王に輝いた経験を持ち、W杯でもゴールを記録している“レジェンド”であるファン・ソンホン監督が率いるチームは、よりテクニカルなサッカーを志向してきた近年の韓国サッカーの進化をより先鋭化させたスタイルを持つ。「今までやってこなかったタイプの相手」と藤田が語るとおり、個人能力を押し出すというよりも、コンビネーションとスキルのサッカーを今大会で見せている。

 基本布陣は4−3−3だが、両ウイングが張り出すのではなく、両サイドバックに高い位置を取らせつつ、ウイングは中寄りでプレーすることが多い。サイドをオトリにしつつ、中央で短い距離感での連係とランニングプレーを交えながら崩すプレーで幾多の決定機を築いてきた。スペインでプレーするMFイ・ガンイン(マジョルカ)に注目が集まるが、A代表の経験を持つFWチェ・ヨンウク(FCソウル)も要注目。Jリーグでプレーする193cmの超大型FWオ・セフン(清水エスパルス)もいるが、高さに頼るサッカーというわけではなく、地上戦がメインとなる。

 対する日本のキーとなるのは中盤中央の3枚だろう。大岩監督は真っ向勝負の意向なので、相手のやりたいサッカーをやらせずに、自分たちの強みを押し出すにはここで上回るのは大前提。厳しいプレスを回避してボールを保持して運び出すのはもちろん、相手ボールをこのポジションの選手が“狩れる”かどうかが勝敗を分けることになりそうだ。

「自分個人としてもスペインでやっている選手とやれるのは楽しみでもある。自分たち真ん中の選手が負けないようにしないといけないし、そこで勝つことができればゲームも支配できると思っている」(藤田)

 高い位置を保持して攻撃的に来る韓国の泣きどころである背後のスペースも狙いたいところ。先発が予想されるFW細谷真大ら“裏”に強い選手たちの個性を活かし、繋いでくる相手のパスワークを“狩る”ところから、裏のスペースを突ければ理想的だ。

■日本はノックアウトステージの初戦に弱い

 もう一つ、ノックアウトステージの初戦であるという意味付けもある。鈴木彩が出場した19年のU-20W杯もそうだが、同年のU-17W杯でも日本はノックアウトステージの初戦で敗退している。またA代表のW杯の最高戦績が「16強3回」という形になっていることからも分かるように、どうも日本はグループステージ突破後の最初の試合を苦手にする傾向がある。

 藤田は圧倒的なパフォーマンスでグループを通過しながら、初戦で敗れたU-17W杯の経験を踏まえて、こう語る。

「あのときはやっぱり気のゆるみだったりが試合に出た感じだった。ゆるみが出ないようにしたい。ぬるく入ってしまうとそのあと引き締めるのは難しい。自分が率先してチームを引っ張っていきたいと思う」

 前日のトレーニング前には実際に選手から“フワッとしている”雰囲気についての指摘も入り、兜の緒を締め直したとも言う。もちろん、こうした精神面だけの問題ではないが、グループステージまでの戦いと、“負けたら終わり”のノックアウトステージにおける戦いが別次元のものだということは改めて共有しておくべきだろう。

 2歳年少のチーム、しかもコロナ禍で国際経験を長らく積めなかった世代の日本にとって、“世界準優勝世代”の韓国とぶつかる今回は格好の腕試しの場でもある。

「熱のある試合をしたい」と語った大岩監督は同時に「いまいる選手たちが最大の力を出せるようなゲームにしたい」とも語った。3月にチームを立ち上げてから3カ月。伝統の日韓戦は、短くも濃い経験を共有してきたグループの総力をぶつける場となる。

[試合情報]
AFC U23アジアカップ2022
準々決勝
U-21日本代表 vs U-23韓国代表
2022年6月12日(日)22時キックオフ
DAZN独占配信

広告
0