FIFA審判委員会のピエルルイジ・コッリーナ委員長は、トルコのハリル・ウムット・メラー主審がアンカラグクのファルク・コカ会長に顔を殴られたことを受け、審判への暴力はサッカーの「癌」であると声明を発表した。
11日、トルコ・スーペルリーグで衝撃の事件が起こった。第15節でアンカラグクとリゼスポルが対戦すると、試合は1-1の引き分けに。この試合の終了直後、アンカラグクのコカ会長がピッチに乱入し、主審の顔を殴打したのだ。殴られたメラー主審は倒れ込み、起き上がった時には目の周りが大きく腫れている様子が映されることに。大勢の選手、コーチングスタッフ、警備員が現場に駆けつけて揉み合いとなっていた。
トルコの裁判所は、この事件を受けてコカ会長の逮捕を命じることに。この一件を受け、FIFA審判委員会が声明を発表。コッリーナ委員長は先月、「審判員に対する暴力、暴言、身体的虐待はサッカー界を存続の危機に陥れるかもしれない”癌”であると述べた」とし、今回の件に対する思いをコメントしている。
「ハリル・ウムット・メラーはとても良いレフェリーであり、とても良い人だ。フィールドで何度か彼を見たことがあるし、今年初めにアルゼンチンで開催されたFIFA U-20ワールドカップでも一緒に過ごしたから言えることだが、このレフェリーも、この男も、昨日アンカラで味わったような経験をする資格はない。彼は自分の仕事をしていたのに、主審を務めた試合の終了間際、フィールドで暴行を受けたのだ。
メラーが地面に横たわり、両手で頭を守りながら加害者たちに蹴られている姿や、目の下のあざは恐ろしい。しかし、それ以上に恐ろしいのは、メディアによって報道されることなく、世界中の下級レベルで暴言や身体的虐待を受けている審判が世界中に何千人もいることだ」


