日本代表FW浅野拓磨がカタール・ワールドカップについて振り返り、悔しさをにじませている。
カタール・ワールドカップのグループステージでは、ドイツ、スペインと優勝経験国相手に逆転勝利を収め、世界中を驚かせた日本代表。史上初のベスト8を目指し、決勝トーナメント1回戦ではクロアチアと激突した。白熱の一戦は120分で決着がつかず、試合の行方はPK戦へ。しかしキッカー3人がGKにストップされ、1-3で大会から姿を消した。
ドイツ戦では途中出場から劇的な決勝弾を奪った浅野だったが、クロアチア戦では再現ならず。試合後には「不甲斐ないの一言しか言えない」と悔しさを吐露していた。そして一夜明けた後も、その気持は変わっていないようだ。ホテルの部屋で1人、自問自答していたという。
「悔しさは変わらないですし、一晩明けても昨日の自分のプレーに対する悔しさは残っていますね。これは多分、一生消えることはないかなと思います。メンタル的に普通に戻ったかと言われると、全然そんなことはないかなと思います」
「僕自身はご飯を食べて部屋に戻って、そこからもフリー時間でしたけど、昨日は部屋から出ることはなかったです」
「(部屋では)何かを考えるというよりは、やっぱり試合に対しての悔しさだけがこみ上げてきて。『何ができたんだろう』って。試合を振り返ってみても、自分なりにはできるだけの準備をしてきて。でも、試合の中でのコンディションであったり、メンタリティであったり、そういうものがすべて合わさって、昨日の自分のプレーが『もう自分なんだな』と。あれが今の自分の精一杯。だからこそ『まだまだ自分は下手くそなんだな』って、どれだけ考えてもその答えしかなかった。ここで何か言っても綺麗ごとでしかないですけど、満足していないのが今までの自分のサッカー人生だったので、ここからもっともっと何か足りないものを探しながらやっていくしかないかなと思います」
現在28歳の浅野。ボーフム(ブンデスリーガ)で主力選手として戦いながら、4年後にカナダ、アメリカ、メキシコの3カ国共催で行われるワールドカップへの出場に期待もかかる。4年後について問われると、カタール・ワールドカップ敗退直後で「気持ちの整理がついていない」としつつ、もがきながら向かっていく姿勢を見せた。
「明確な方向性は言えるほど整理がついていないですけど、間違いなく目指さなくてはいけないです。この約4年半、自分ができることをやってきて今の結果になったので、次はどうするべきなのかも含めて、自分なりに考えてやっていかないと。まずは考えるところから始まるかなと思います」
「これ以上が何なのかっていう答えは僕の中になくて。この4年半、もうすることがないくらい自分の中ではやってきたつもりだった。でも、今の結果がこれだということは間違いではなかったと思いますし、自分の中ではそれが正解だと胸を張って言えますけど、結果がすべての世界でそれは通用しないと思う。見方を変えるっていうのも一つ方法なのかなと思います。思考が止まることは絶対にないですけど、その時その時にしっかり自分なりに考えて、その時に正解だと思ったことを100%でやっていきたいなと思います」
4年間のすべてをぶつけ、ドイツ戦やスペイン戦の勝利に貢献しながらも、悔しさを抱えて大会を後にする浅野。失意を経て、今後のパフォーマンスに期待がかかる。
