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冨安健洋がアーセナルで重宝される理由?アルテタがこだわる“利き足”を現地記者が分析

アーセナルのミケル・アルテタ監督のこだわりについて、『The Athletic』のアルト・デ・ロシェ記者が分析している。

2019年12月にアルテタ監督が就任したアーセナル。厳しい時期もあったが着実に成長を見せると、直近2シーズンは優勝争いの主役となってプレミアリーグを2位で終えている。しかし、いずれも王者マンチェスター・シティに優勝を譲ることに。タイトル奪還へ燃える新シーズンへの準備を進めているが、補強も話題となっており、最近ではイタリア代表DFリッカルド・カラフィオーリの獲得に迫っていることが伝えられていた。

そんな中で『The Athletic』のアルト・デ・ロシェ記者は、「アルテタの執着は就任当初から明らか。最初の数年間の苦難から最近の高みに至るまで、常に左利きの存在が鍵となってきた」と指摘。ガブリエウやオレクサンドル・ジンチェンコなど、就任当初から獲得してきたディフェンス陣が左利きばかりであることに触れつつ、「その願望はピッチ全体に広がっている」と分析している。

「2021-22シーズン以来、アーセナルは左利きと右利きのフィールドプレイヤーを5人ずつスタメンに起用してきた。時々状況は変わるが、それが基本の布陣だ。アルテタは2020年、左利きのセンターバック加入(パブロ・マリ)の効果について『私が望むのはより多くの選択肢と多様性を持ち、相手に予測できないようにすることだ』と話していた」

■両利きの重要性

アルト・デ・ロシェ記者は、ビルドアップ時の体の向きや斜めへのパスの角度、さらにPKの成功率など、アーセナルにおける左利き選手の有効性を指摘。その上で、両足でプレーが可能な冨安健洋とレアンドロ・トロサールについて高く評価している。

「アーセナル全体で左足と右足のバランスを保っているのは利点だ。だが、それが選手自身にあるとなお良いだろう。両足を駆使する選手の例としては、利き足と逆サイドでそのスキルを活用する冨安健洋とトロサールがいる」

「冨安は、2022年10月のリヴァプール戦でモハメド・サラーに対抗するため、初めて左サイドバックで起用された。本来右利きの188cmのDFだが、必要に応じて左利きでもプレーすることができる。この能力は昨季も大きな助けになり、左サイドバックとして9試合に先発、見事な活躍を見せた」

「またトロサールは、アーセナルでの18ゴールの内、11ゴールが右足、6ゴールが左足、1ゴールがヘディングだ。両足でのプレーは、サイドよりもむしろボックス内で輝く。アルテタが望む“予測不可能性”をもたらしてくれるからだ。これは他のアタッカーと一線を画す特徴である」

そして「直近数シーズンで万能選手の重要性が高まったように、アーセナルにおいて利き足のバランスは2024-25シーズンでも鍵となるだろう。彼らがボール保持時にやりたいこと、相手にプレッシャーをかける状況を作り出す基礎だ。補強もそれに拍車をかけるかもしれない。アルテタ・アーセナルにとっての左利きの重要性を理解することは、彼らの移籍市場の動きを理解する上のに役立つかもしれない」と締めくくった。

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