23日のラ・リーガ第33節、レアル・ソシエダは敵地メンディソロサでのアラベス戦を0-1で落とした。日本代表MF久保建英は先発出場を果たし、失点直後の67分にピッチから下がっている。
今季ラ・リーガも残り6節……ここまで不安定な歩みを見せてきたソシエダだが、来季の欧州カップ出場(現実的な目標はヨーロッパリーグか)を目指す上で、これ以上のつまずきは避けたい状況だ。
このアラベスとのバスクダービーでは、負傷離脱していたスビメンディが復帰。イマノル監督はGKレミーロ、DFアランブル、ジョン・マルティン、パチェコ、ハビ・ロペス、MFパブロ・マリン、スビメンディ、ブライス、FW久保、オヤルサバル、セルヒオ・ゴメスを先発させている。
前半は、チャンスに乏しいというより、観客や視聴者にとっては何も起こらなかったも同然の薄い内容に。両チームとも攻撃より守りが先にきて、ゴールに近づくことはほぼ皆無に等しかった。
唯一あったチャンスと言えば20分、セルヒオ・ゴメスがペナルティーエリア内左からシュート性の高いクロスを送り、これがGKシベラに弾かれたくらい。久保はというと、右サイドでいつものように2枚以上のマークがついている状況。チームとしての連動・連係も乏しく、孤立した状況で得意のドリブル突破は影を潜めている。前半はスコアレスのまま終了した。
後半はより動きがある内容に。ソシエダは59分、久保が非常に惜しい決定機を迎えた。左サイドからのクロスがペナルティーエリア内右まで流れると、駆け込んできた久保がほぼフリーでシュート。しかし左足で叩いたボールは、わずかに枠の右に外れてしまった。
先制のチャンスを逃したソシエダは65分、逆にアラベスのゴールを許してしまった。CKの場面で、ペナルティーエリア内のテナグリアに豪快な右足ボレーを突き刺されている。
イマノル監督はこの失点の直後、すでに準備していた交代カードを切った。ピッチに入るのはアリツ、スチッチ、オスカールソン。ピッチから去るのはアランブル、ブライス、そして……久保だった。久保は決定機を外した場面と、その少し前にブライスを狙って送ったクロス(アラベスDFがクリア)以外ほとんど存在感がなかったが、チーム全体が機能していないために彼を活かせていないと捉えることも可能だった。チームで最たる違いを生み出せる背番号14を、失点してゴールがより必要となった状況でベンチに下げるのは、賛否が起こりそうな采配となっている。
同点を目指すソシエダだが、アラベスの堅守をなかなか崩すことはできず。その後ベッカー、20歳マリエスクレナらを入れても流れを変えること、久保交代の正しさは証明できず、結局1点ビハインドのまま試合終了のホイッスルを迎えている。なお久保はチームの敗戦や早期交代にもかかわらず、ファン投票によってこの試合のMOMに選出されている。
なおラ・リーガのMOMの仕組みを説明すると、試合が75分を過ぎた時点で現地解説者がMOM候補を4人選出。その後テレビ画面にQOコードが映し出され、それをスキャンすることでファンは候補者4人のいずれかに投票することができる。
ラ・リーガ3試合勝ちなしのソシエダは、勝ち点42で9位に位置。チャンピオンズリーグ出場圏5位ビジャレアルとは勝ち点10差、ヨーロッパリーグ出場圏6位ベティス、7位セルタとはそれぞれ9差、4差をつけられており、現在のような安定しないパフォーマンスが今後も続くならば欧州カップ出場権獲得は危うそうだ。




