8日のラ・リーガ第9節、レアル・ソシエダは敵地シビタス・メトロポリターノでのアトレティコ・マドリー戦を1-2で落とした。MF久保建英は先発出場を果たし、存在感なく65分にピッチを後にしている。
ラ・リーガ3連勝、チャンピオンズリーグのザルツブルク戦含めれば4連勝と勢いを見せるソシエダが今節乗り込んだのは、シメオネ監督が過去2回にわたって達成したクラブのホーム最多連勝記録「14」にあと1勝で並ぶアトレティコだ。イマノル監督はいつも通り4-3-3のシステムを採用し、久保を右ウィングに据えている。
キックオフした試合は、それから10秒も経たない内に観客を絶叫させる。強烈なインテンシティーを発揮したソシエダが最初のプレーでいきなりネットを揺らしたが、オヤルサバルのオフサイドによってスコアが動くことはなかった。
以降はソシエダがボールを保持し、アトレティコが堅守速攻で対応する、そこまで動きのない展開に。久保はというと、右サイドに張りながらボールが届くのを待っていたが、3/5バックを敷くアトレティコの手堅い守備を前にチームメートがプレーサイドをなかなか変えることができない。
また、もし久保にボールが届いたとしても、やはり22日間で7試合(久保が出場したのはその内6試合)を戦った過密日程がたたってか動きが重い。シメオネ監督がデ・ポール、サムエル・リノ、エルモーソで徹底的にマークしたこともあり、得意のドリブルは鳴りを潜めた。
そして22分、ホームのアトレティコが先制に成功する。コケのロングボールからサムエル・リノが最終ラインを突破。巧みなトラップからペナルティーエリア内左に侵入すると、右足のシュートでレミーロを破っている。
ビハインドを負ったソシエダは、アトレティコの堅守速攻により苦戦するようになり、なかなかチャンスを生み出せない。それでも前半アディショナルタイム、久保のアーリークロスからオヤルサバルがヘディングシュートを放ったものの、これはわずかに枠の上へと外れている。
迎えた後半はアトレティコのフリーキックから、ヴィツェルが右ポスト直撃のシュートを放ってスタート。以降はソシエダがボールを保持しながら攻めあぐねる時間が続いた。その中で久保は54分、ペナルティーエリア内右でシュートチャンスを迎えたが、やはり疲労のためかフィニッシュの精細を欠き、エルモーソに簡単にブロックされている。
イマノル監督は65分にル・ノルマン、ミケル・メリーノ、そして久保を下げてカルロス・フェルナンデス、パチェコ、ザハリャンを投入。久保の名前がアナウンスされた際には、このスタジアムで何度も活躍してきたためか、それとも今季ラ・リーガのスター選手というステータスのためか、アトレティコの一部観客がブーイングを行なっている。
その後アトレティコは勝負を決めるべく攻勢を強めたが、ソシエダがその隙を突くことに成功。スピーディーなトランジションから、C・フェルナンデスの横パスを受けたオヤルサバルが最終ラインを突破し、GKオブラクとの1対1を左足のシュートで制している。ソシエダの10番はここ5試合4得点と靱帯断裂からの完全復活を感じさせている。
しかし、やはりホームのアトレティコは強かった。ここから観客の強烈な声援を受けて猛攻を仕掛けたシメオネ監督のチームは86分、グリーズマンのシュートがC・フェルナンデスのハンドを誘発してPKを獲得(ただし69分にはモラタの似たようなハンドが取られず、物議を醸す判定となりそうだ)。これをグリーズマン自身が決め切って勝ち越した。アトレティコは今度こそ1点リードを最後まで守り切り、ホーム連勝数をクラブ最多記録タイの「14」に伸ばしている。3連勝のアトレティコ(1試合未消化)は首位レアル・マドリーと勝ち点5差で4位に位置。4試合ぶり敗戦のソシエダは6位につけている。


