23日のUEFAネーションズリーグ準々決勝2ndレグ、スペイン対オランダは3-3で終了した。2戦合計スコアは5-5となり、PK戦で5-4でスペインが準決勝に進出している。
ロッテルダムのフェイエノールト・スタディオンで行われた1stレグは2-2ドローで終了。9分にニコ・ウィリアムズが先制点を決めるも、その後はフリンポンの突破を起点にオランダが攻勢を見せて23分にガクポ、46分にラインデルスのゴールで逆転する。しかし81分にハトが一発退場となり、数的優位のスペインが93分にミケル・メリーノ弾で劇的に追いついた。
そしてバレンシアの本拠地メスタージャで行われた2ndレグ、スペインのデ・ラ・フエンテ監督はGKウナイ・シモン、DFミンゲサ、ル・ノルマン、ハンセン、ククレジャ、MF後列スビメンディ、ファビアン、前列ヤマル、ダニ・オルモ、ニコ、FWオヤルサバルを先発で起用。開始9分には、2戦合計でリードを得るゴールを決めている。
ペナルティーエリア内のオヤルサバルが、ファン・ヘッケに倒されたとして主審はスペインのPK指示。オヤルサバル自らこのPKを決め切り、メスタージャの電光掲示板には1-0のスコアが映された。
先制したスペインはその後、オランダの反撃を堅守で跳ね返しながら、トランジションからさらなるゴールを狙う。11分には中盤で2人を抜き去り前を向いたヤマルのスルーパスからオヤルサバルがシュートを決めるも、これはオフサイドの判定。その1分後には、今度はニコがペナルティーエリア内に入り込みボールを叩いたものの、こちらはGKフェルブルッヘンの好守に遭った。
スペインが決定機を物にできずにいると、1stレグのようにオランダが徐々に主導権を握っていった。前半は1-0のまま終了するが、後半開始から間もなくして、クーマン監督率いるチームが同点に追いつく。52分、ル・ノルマンがペナルティーエリア内でメンフィスを倒したとしてPKの判定に。メンフィス自身がキッカーを務めると、豪快なシュートでウナイ・シモンを破っている。
その後もオランダが攻勢を見せ続けたものの、次に得点を決めたのは流れに反してスペインだった。67分、速攻からペナルティーエリア手前までボールを持ち込んだニコが、ダイアゴナルランでファン・ヘッケを引き寄せてからエリア内フリーのオヤルサバルにパス。オヤルサバルは左足でシュートを放ち、これはフェルブルッヘンに弾かれたが、そのこぼれ球を頭で枠内に押し込んでいる。
しかしプレーの質で上回っていたオランダも反撃。79分、ペナルティーエリア手前でダニ・オルモのボールを奪うと、そこからペナルティーエリア内左のマートセンが左足の強烈なシュートでネットを揺らした。再び追いつかれたデ・ラ・フエンテ監督は84分にオルモ、ファビアンとの交代でミケル・メリーノ、ぺドリを投入するも、その後ゴールは生まれずに後半終了。試合は延長戦に突入している。
延長戦、スペインが103分に三度勝ち越す。それも圧倒的なゴラッソ(ファインゴール)で。決めたのはフットボール界の未来を担うとされる17歳、ヤマルだ。バルセロナFWはハンセンのフィードからDFラインを突破。そこからのプレーが凄まじかった。左足アウトサイドの柔らかいトラップでボールを地面に落とすと、ペナルティーエリア内に入るや否やマークにつくマートセンを右足(軸足)でボールを蹴り出す切り返しでヒラリとかわして、そこから左足のシュートを突き刺した。
歌詞のないスペイン国歌を叫ぶように歌うメスタージャの観客。試合はヤマルのゴールで決着かと思われた。が、109分にオランダが三度同点に追いついた。途中出場のシャビ・シモンズが、ペナルティーエリア内でウナイ・エメリに倒されてPKを獲得すると、自らPKを決めている。結局、120分間は3-3で(2戦合計5-5)で終了し、決着はPK戦に委ねられている。
PK戦、先攻のオランダはファン・ダイク、コープマイネルス、シャビ・シモンズ、後攻のスペインはミケル・メリーノ、フェラン、アレイクス・ガルシアがそれぞれ成功。4本目、オランダはノア・ラングのシュートがクロスバーを叩いたが、一方スペインもヤマルのシュートがフェルブルッヘンにキャッチされて、差は生まれなかった。
5本目、オランダはテイラー、スペインはバエナが成功。そして、サドンデス突入の6本目で決着がついた。オランダはマレンのシュートがウナイ・シモンに止められ、対するスペインはぺドリが枠内右にボールを叩き込んでいる。死闘を制したスペインが、ネーションズリーグ・ベスト4に進出している。
