スペイン人審判のマテウ・ラオス氏は、カタール・ワールドカップ(W杯)でこれ以上試合を担当せず、帰路につくことになった。スペイン『マルカ』が報じている。
ラ・リーガにおける名物審判として知られるマテウ・ラオス氏は、準々決勝オランダ対アルゼンチン(2-2、PK戦4-3でアルゼンチンが勝利)でのレフェリングが物議を醸した。激しいプレーの応酬の中でイエローカード合計17枚を提示し、試合後にはアルゼンチンFWリオネル・メッシが批判的なコメントを発していた。
「あり得ない。ダントツでW杯最悪の審判だ」
「審判について話したくはない。後で処罰を受けるからね。でも、正直に言ってあり得ないんだよ。僕たちは試合中、ずっと恐怖を感じていた。彼がどういう審判か分かっていたから。FIFAは大会のレベルに達していない審判を使ってはいけない」
その一方でFIFAはマテウ・ラオス氏のオランダ対アルゼンチンのレフェリングについて「技術的決定(PKやファウルなど)などは優れていた」「レッドカードも含めて、イエローカードをもっと提示する必要があった」「アディショナルの10分は妥当」と水準以上の評価を下しており、準決勝以降も試合を担当させることが見込まれていた。また『マルカ』曰くFIFA審判委員会のピエルルイジ・コッリーナ会長は同氏を決勝の審判候補に一人に挙げていたそうだ。
だが同紙によれば、オランダ対アルゼンチンが“荒れに荒れた試合”とみなされ、メッシの批判もあって大きな騒動に発展してしまったことにより、マテウ・ラオス氏が決勝を任される可能性はなくなり、また準決勝及び3位決定戦の笛を吹くこともなくスペインにも戻ることになったという。
