昨年12月に67歳でこの世を去ったロバート・アンソニー・ボッジ元審判員の息子がフェイスブックを通じ、フランチェスコ・トッティ氏のデビュー戦を巡るエピソードを明かした。イタリア紙『コリエレ・デロ・スポルト』が30日、伝えている。
ローマのレジェンドであるトッティ氏は、30年前の1993年3月28日のブレシア戦において16歳6カ月1日の若さでデビューを飾った。その試合の笛を吹いたのがボッジ元主審だったが、トッティ氏は、ローマおよびイタリア代表で偉大なキャリアを築いた後も、セリエAで初めてピッチに立った日のことを忘れることはなかった。
ボッジ元主審の息子であり、自身も審判員を務めるパスクワーレ・ボッジ氏がフェイスブックにおいて、トッティ氏のデビュー戦から17年後の2010年の出来事を回想した。
「2010年のこと。私の父は、審判員を引退して10年が経っていたが、審判委員としてスタディオ・オリンピコへ出かけた。すると試合終了後、父がロッカールームを退出しようとしている時、遠くにいたトッティが父に気づき、周囲にいた人たちのところから離れてまで挨拶に来てくれたそうだ。彼の愛情には驚いたそうだよ」
「父が『これほど時間が経っているのに、どうして私のことを覚えていたのか?』と尋ねると、トッティは『そりゃ、あなたが僕をデビューさせてくれたのだからね。僕がそれを忘れるなんて思うかい!』と答えたんだ。父は約20年が経過した後、あのデビュー戦の主審が自分だったと気づいたんだ。父の方が完全に忘れていたんだよ」
イタリア紙は、そんなトッティ氏とボッジ元主審のエピソードを「感動の話。ローマのレジェンドにまつわる信じられない舞台裏」と紹介している。


