FWウーゴ・エキティケの売却が実現しない限り、フランクフルトがフライブルクの堂安律に動くことはないという。フランクフルトを専門とする現地レポーターはそう見ているようだ。
今夏、フライブルクからのステップアップの可能性が高いと伝えられている堂安。これまでドイツ国内ではフランクフルトのほか、ドルトムントやバイエルン、国外ではノッティンガム・フォレスト、さらにはクラブ名が明らかにされていない複数のプレミアリーグおよびセリエAのクラブからの関心が報じられてきた。
中でも『ビルト』や『Absolut Fussball』など、フランクフルト寄りの報道で知られるメディアは、数カ月前からフランクフルトを堂安の新天地候補として有力視。昨季最終節、フライブルクとのチャンピオンズリーグ出場権を懸けた直接対決を制したことで、27歳日本代表のフランクフルト移籍がさらに現実味を増したとの見方が強まっていた。
一方で、シーズン終了直後には堂安に対してプレゼンテーションを行ったとも伝えられたフランクフルトだが、本人が日本で過ごしていたオフ期間中には新たな動きは報じられなかった。とはいえ、『キッカー』のフランクフルト番記者は、6月30日付の記事でクラブの補強動向を分析する中で、「堂安律をめぐる動向は、まったくの白紙の状態だ。SCフライブルクに所属するこの日本人選手は、フランクフルトからの関心を以前から把握しているものの、いまだ決断には至っていない」と“停滞気味”であることを指摘していた。
そうした中、フランクフルト担当として『Absolut Fussball』などに寄稿しているクリストファー・ミヒェル記者も、先日マインツからのFWヨナタン・ブルカルトの獲得がほぼ確定した際に、クラブが複数の2000万ユーロ台の補強に踏み切る可能性について、懐疑的な見方を示した。若手選手の出場機会減少を懸念しながら、「そのため、堂安は現在、最優先事項とはされていない」と記していた。
さらにミヒェル氏は、ブルカルトの加入が決まった今月4日にも、自身の『X』でフランクフルトの動向について言及。「これから当面は売却が最優先となる。ヘキ(エキティケ)が残るとなれば、チーム作りは完了だ」と、エキティケの売却がなければ大規模な補強は見込めないとの見方を示すと、「堂安の獲得の可能性は低いのか?」という問いに対しては、「現時点ではそうだろう。彼をどこに置くというのか?」と返していた。
なおフランクフルトは、昨季活躍したフランス人FWエキティケの今夏売却によって、ランダル・コロ・ムアニ(→PSG)やオマル・マーモウシュ(→マンチェスター・シティ)に続き、再び大金の獲得を狙っている。チェルシー、リヴァプール、アーセナルなどプレミアリーグの複数クラブが関心を示しているとされる中、強化担当のマルクス・クレシェ取締役は、移籍金として1億ユーロを要求していると報じられている。ただし、現時点では具体的なオファーは届いていないようだ。




