20日のラ・リーガ第32節、レアル・ソシエダは敵地ラ・セラミカでのビジャレアル戦を2-2のドローで終えた。日本代表MF久保建英は先発出場を果たし、85分にピッチから下がっている。
チャンピオンズリーグ(CL)出場圏5位ビジャレアルのホームに乗り込んだ10位ソシエダ。自分たちも欧州カップ出場圏に入るために勝利がほしい試合だが、状況的に良いとは言えない。前節マジョルカ戦を0-2で落とし、なおかつその試合でバレネチェアが負傷し、スビメンディが累積5枚目のイエローカードを受けた。スベルディア、アゲルドのレギュラーCB2枚も負傷中と、満身創痍でこの一戦に臨むことになる。
イマノル監督はGKレミーロ、DFトラオレ、ジョン・マルティン、エルストンド、アイエン、MFパブロ・マリン、トゥリエンテス、スチッチ、FW久保、オヤルサバル、セルヒオ・ゴメスを先発させた。
前半の立ち上がり、ソシエダはビジャレアルの攻勢を受けて10分も経たない内に失点を喫する。スブマリーノ・アマリージョ(イエローサブマリン、ビジャレアルの愛称)は7分、カルドナの送ったグラウンダーのクロスがファーに流れ、そこにフリーで飛び込んだジェレミ・ピノが右足のシュートでネットを揺らした。
その後もビジャレアルの勢いは衰えず、追加点のチャンスを手にしていくが決め切れず。するとロープに詰められてパンチを受け続けたソシエダが、セットプレーを起点にスコアをタイに戻した。16分のCKの場面で、アイエンのヘディングシュートがバリーのハンドを誘発。キッカーのオヤルサバルが枠の左にシュートを沈めている。
同点に追いついたソシエダはその後、ここまでは少し存在感が薄かった久保が、半シーズンだけ在籍した古巣相手に単発ながらゴールを予感させるプレーを見せた。
まず28分、右サイドでボールを持った久保は、ドリブル突破やクロスを狙うと思いきや、意表を突くフワリとした左足のシュートで直接ゴールを狙う。枠内へ飛んだボールはGKルイス・ジュニオールに片手で弾かれ、バーに当たってからゴールラインを割っている。
久保はさらに45分、ペナルティーエリア内右でパスを受けて、ビジャレアルDF2枚と対峙。無理に内に切れ込むのではなく、一瞬のスピードで縦に抜けて、ゴールライン際から右足でグラウンダーのクロスを送った。スピードのあるボールはルイス・ジュニオールとDFラインの間を通り、スチッチが右足アウトサイドで合わせたものの、これは惜しくもビジャレアルGKの好守に遭った。試合は、1-1のまま折り返しを迎える。
迎えた後半、ソシエダは49分に逆転ゴールを決める。フォイスのルイス・ジュニオールに向けたバックパスにオヤルサバルが全速力で詰めると、そのままボールに触れて枠内に押し込んだ。ソシエダの象徴は今季公式戦17得点目、ラ・リーガ8得点目。
しかし、ホームのビジャレアルも食い下がる。60分、ジェレミ・ピノが右サイドを突破すると、ファーで見事なポジショニングを取っていたアヨセがヘディングシュートを突き刺した。対するイマノル監督は、5バックにシステムを変更してビジャレアルの勢いを食い止めようとしていたが、これがうまく機能せずチーム全体のパフォーマンスが低下している。
その後も攻勢を見せ続けるビジャレアルは、2度にわたってゴールを決めたものの、どちらも微妙な判定で取り消された。70分、フォイスの浮き球からDFラインを突破したジェレミ・ピノが右足のシュートでネットを揺らすが、これはかすかにDFラインを出ていたとしてオフサイドに。また84分にはセットプレーからグエジェが右足でボールを叩き込んだが、オフサイドポジションのアヨセがレミーロの視界を塞いでいたとして(非常に微妙だったが……)、こちらもスコアには反映されなかった。
イマノル監督は85分に最後の交代カードを切り、久保を下げてブライス・メンデスを投入する(後半の久保は相対する左サイドバック、カルドナのマークも厳しくほとんど存在感がなかった)。終盤もビジャレアルが主導権を握って攻撃を仕掛ける状況は変わらなかったが、またもゴールの取り消しが……。ペペがハビ・ロペスとのチェイスを制してクロスを送り、エタ・エヨングがボールを押し込んだものの、ペペがファウルを犯していたとして、これもまた得点と認められなかった。試合は結局、2-2のまま終了のホイッスル。納得がいかないビジャレアルの面々は憤りを露わにし、ソシエダにとっては勝ち点1を持ち帰れるだけでも、負けなかっただけでも上出来という試合となった。
レアル・ソシエダは勝ち点を42として9位に位置。ヨーロッパリーグ出場圏6位ベティスとの勝ち点差は6、7位マジョルカとは2差、カンファレンスリーグ出場圏8位セルタとは1差となっている。ビジャレアル(1試合未消化)は勝ち点52で5位につけている。




