24日のラ・リーガ第6節、アノエタを舞台としたレアル・ソシエダ対マジョルカは1-0でソシエダの勝利に終わった。ソシエダMF久保建英は先発出場を果たし、チームの決勝点の起点となる活躍を披露。マジョルカFW浅野拓磨はベンチスタートで、出場機会はなかった。
日本人選手を擁するラ・リーガの2チームは、揃って今季未勝利。とりわけ、欧州カップ出場権を争うべきソシエダは、次節バルセロナと対戦予定で(マジョルカはアラベス戦)、ここで勝っておかなければ取り返しがつかないような打撃を受ける可能性がある。
ソシエダのセルヒオ・フランシスコ監督は新加入ソレールを今季初めて先発で起用。中盤に右からMFブライス、ゴロチャテギ、ソレール、前線にFW久保、オヤルサバル、バレネチェアを並べている。
前半、ボールを持って攻め込んだのはソシエダ。久保へのパスコースが封じられていることもあり、左サイドのバレネチェアを中心した展開で、5バックのマジョルカを攻め立てた。19分にはそのバレネチェアが自らシュートまで持ち込むも、GKレオ・ロマンのセーブに遭う。直後のCKでは、ショートコーナーから久保が絶妙なクロスを送ったが、フリーのアランブルはボールを地面に叩きつけてしまい、絶好機を逃してしまった。
対して、堅守速攻からゴールを狙うマジョルカは24分、ジョセフが単独でフィニッシュまで持ち込むも、これはGKレミーロの好守に阻まれる。その後も試合はソシエダペースで進み、41分にはオヤルサバルのスルーパスからペナルティーエリア内左をフリーで走るバレネチェアがシュートを打つも、これはクロスバーの上に外れている。
久保はというと、バレネチェアのサイドでばかり攻撃が展開されるためにほとんど存在感がない。だがアランブルの絶好機をお膳立てしたように、ボールに触れれば決定的な役割を見せた。45分、ドリブルでペナルティーエリア内右に侵入した久保は、マジョルカ守備陣のプレスに一度倒れるも(PKはなし)、プレーを継続。そしてゴールライン際で折り返したボールが、クリアを試みたマジョルカDFのオウンゴールを誘発するところだったが、ボールはわずかに枠を外れている。前半はスコアレスのまま終了した。
迎えた後半、ソシエダは48分に久保を起点として先制ゴールを決めた。相手陣地でのボール奪取からショートカウンターを発動。ゴール前中央で、最前線のオヤルサバルがすぐ後方の久保にパスを出すと、日本人MFは左足ワンタッチで左前方を走るバレネチェアに柔らかなスルーパスを送る。この絶妙なパスに反応して、ペナルティーエリア内左にフリーで侵入したバレネチェアがボールを内に折り返すと、そこに詰めていたオヤルサバルが右足のシュートでネットを揺らした。
久保のプレアシストは今季3回目で、自分自身で決めた1得点を含めてソシエダが決めた全6得点中4得点に絡んでいる。今回のワンタッチのスルーパスは、一瞬の状況判断と、完璧なスピード・精度のパス技術が光っていた。
後半に入ってから、よりプレーに絡むようになった久保は、69分に千載一遇のチャンスを迎え、そして外してしまう。ペナルティーエリア内右で、セルヒオ・ゴメスのクロスをフリーで受けた久保。あとは左足で押し込むだけという場面だったが、このボールをマジョルカDFのいるコースに蹴ってしまい、今季2ゴール目を逃してしまった。
81分にはマジョルカのサム・コスタのシュートをバレネチェアがハンドで弾いたとして、PKの判定に。だがVAR介入後、バレネの腕はしっかり体についていたとして、PKは取り消しとなった。危機を回避したセルヒオ・フランシスコ監督は、85分にバレネチェア、久保を下げてゲデス、サディクを入れてカウンターの鋭さを研ぐ。結局、マジョルカのゴールを最後まで許すことなく試合終了のホイッスルを迎え、6試合目に待望の今季初勝利を飾っている。






