16日のラ・リーガ第28節、レアル・ソシエダは敵地バジェカスでのラージョ・バジェカーノ戦を2-2のドローで終えた。日本代表MF久保建英は先発出場を果たし、ソシエダの同点ゴールの起点となっている。
先週のミッドウィーク、マンチェスター・ユナイテッドに敗れてヨーロッパリーグでの冒険をベスト16で終えたソシエダ。その傷を少しでも癒すため、何よりも再び欧州カップ出場権を獲得するために、このラージョ戦でラ・リーガ3試合ぶりの勝利をつかみたいところだ。イマノル監督は中盤に右からオラサガスティ(ブライスは出場停止)、スビメンディ、セルヒオ・ゴメス、前線に久保、オスカールソン、バレネチェアを起用した。
前半はあまりチャンスがない、スペインで言うところの“カフェイン抜き”の内容に。そうした中で20分、眠気を覚ます一発を決めたのは、ソシエダだった。セルヒオ・ゴメスの左CKから、ペナルティーエリア内中央のスビメンディが巧みな右足ボレーでネットを揺らしている。
スコアが動いた後も、試合はチャンスがほとんど生まれないプレッシングの応酬が続いていく。久保はというとこれまでのバジェカスの試合と同じく、ラ・リーガで最も横幅が狭いピッチで、ほとんど存在感を発揮できない。基本的にボールが回ってこず、たとえパスを受けてもいつも通り2枚のマークがついて、得意のドリブルは影を潜めている。前半はソシエダの1点リードで終了した。
迎えた後半、ソシエダはラージョの攻勢を受けて、58分に同点に追いつかれる。右サイドのラティウが折り返したボールから、ニアサイドのトレホにシュートを決められた。
スコアをタイに戻されたソシエダ。その後には久保が右サイドに張り出すのではなく、やや中央寄りにポジションを取って存在感を発揮していく。日本人MFは69分、トラップでボールを縦に出して、相対するチャバリアの意表をつく形でペナルティーエリア内に侵入。そして右足でシュートを放ったものの、これは枠の上に外れている。
久保が決定機を逸したソシエダは72分、ラージョの逆転弾を許してしまう。ペナルティーエリア手前から、ペドロ・ディアスに狙い澄ました右足のミドルをゴールに突き刺された。
スコアをひっくり返されたソシエダは久保を中心とした反撃を見せ、79分に同選手のプレーを起点に追いつくことに成功。ペナルティーエリア内右でボールを受けた久保が、内ではなく縦への突破を選択して右足でボールを折り返す。このボールはGKバタージャに弾かれるも、こぼれたボールを途中出場のマリエスクレナが拾って、シュートを決め切った。ソシエダのBチームに所属する19歳FWマリエスクレナは、トップチーム4試合目の出場にして初得点だ。
2-2となった後は、どちらも決勝ゴールを目指して攻守が激しく入れ替わる展開に。久保はさらに88分、ペナルティーエリア手前右でボールを持つと、横パスによってマリエスクレナに再びチャンスを供給。マリエスクレナは滑り込みながらボールを叩いたものの、これはバタージャの好セーブに阻まれている。久保が存在感を増して、前半と比べてチャンス数を増やしたソシエダだったが、結局2-2ドローで試合終了のホイッスルを迎えた。
ラ・リーガここ3試合(1分け2敗)勝利がないソシエダは、勝ち点35で12位に位置。チャンピオンズリーグ出場圏4位アスレティック・ビルバオと勝ち点17差、ヨーロッパリーグ出場圏5位ビジャレアル、6位ベティスと勝ち点9差と、依然として欧州カップ圏には差をつけられている状況だ。




