レアル・ソシエダの象徴的選手であり、主将を務めるFWミケル・オヤルサバルが、クラブを揺るがせたMF久保建英の発言について振り返っている。
久保はソシエダの日本ツアー中、メディアの囲み取材でMFマルティン・スビメンディも退団した自クラブが補強を行う必要性を説き、これが物議を醸すことになった。
「僕たちには経験ある選手たち、違う空気をもたらせる人たちも必要だ」
「僕がラ・レアルにやって来たときには、ダビド・シルバ、ミケル・メリーノ、スビメンディ、ブライス・メンデスのような選手たちに囲まれていた。会長が以前に自分に言ったように、本当にラ・リーガで優勝したいと思っているならば、僕たちには“プラス”となるものが必要となる」
選手が自クラブに補強の必要を訴えることは、自身のチームメートの力量を低く見積もることにもつながり、信頼関係を構築する上で問題となる可能性もある。またメディアでは「クボが会長に補強を直訴」「(MFゴンサロ・ゲデス獲得の際に)ソシエダがクボの言うことを聞く」といった形で発言が取り上げられることになり、セルヒオ・フランシスコ監督は「タケが野心を示したのは私にとって好ましいことだった。だがチームのクオリティーの話に関して、私がタケに同意することはない。このチームには彼が言っている以上のクオリティーがある。そこを出発点として、できる限りのことをしていければいいと思う。私たちが競争力のあるチームだと、タケが感じられるようにね」と火消しに走っていた。
久保はその異例の発言後、「いい発言かどうかかは分からないです。実際、あの後に僕みんなに謝ってるんで。ある程度の覚悟はあったとはいえ、メディアにする発言だったかと言われたらよかったか分からないんですけど。ただ、僕も僕で、会長とかと色々話して契約延長してるわけで、言いたいことは言わないともったいないなと思って」と語っていたが、オヤルサバルらチームの面々はどのように受け止めていたのだろうか。
ソシエダ主将はスペイン『アス』で、「クボは補強の重要性について発言していたが、君は同意する?」との質問を受け、次のように返答している。
「僕たちはタケがどういった人なのかを知っている。彼の話し方や表現方法は分かっているんだ。(あの発言の)翌日、僕たちは彼と話をした。彼は自分が口にした内容や、その言い方について、ちゃんと自覚していたよ。もしかしたら、最善の方法ではなかったかもしれないね。いずれにしても、そのテーマはすでに解決していることだ」
「(選手補強は)僕ら選手に何かができるわけじゃない。強化部門の人たちは、可能な限り最高のチームをつくり上げようと努力しているはずだ。僕たちは自分たちのすべきことだけに集中しなくてはいけない。練習に励み、次の週末に勝ち点3を勝ち取ることにね」
なおレアル・ソシエダは16日に2025-26シーズンのラ・リーガ開幕節、敵地メスタージャでのバレンシア戦に臨む。


