23日のヨーロッパリーグ(EL)・リーグフェーズ第7節、レアル・ソシエダは敵地スタディオ・オリンピコでのラツィオ戦を1-3で落とした。MF久保建英は先発出場し、ハーフタイムにピッチから下がっている。
EL第6節までを3勝1分け2敗で終えているソシエダ。ベスト16にストレートインできる8位以内を目指す同チームが今節で対戦するのは、5勝1分けでリーグフェーズ首位に立ち、なおかつ今季オリンピコでインテルにしか敗れていない強敵ラツィオである。イマノル監督は前試合バレンシア戦(0-1敗戦)でベンチスタートとした久保を先発復帰させている。
前半、ソシエダは立ち上がりからボールを保持して攻撃に出るが、ラツィオの守りは堅く、5分にはセットプレーから先制点を許した。ラツィオのサイドからのFK、ニアサイドの久保が頭でクリアしようとしたボールがファーへと飛び、これをマリオ・ヒラが押し込んでいる。
いきなりビハインドを負ったソシエダは久保を中心とした攻めを見せる。9分にはCKの流れから、久保がルーズボールを右足で叩いたものの、これはGKマンダスにストップされている。日本人MFはその後も、右サイドでパスを受ける度にドリブル突破を狙ったが、マークが2枚ついていることでなかなかチャンスをつくれない。それでも22分には右サイドからマイナスの横パスを送り、ボックス手前のスチッチのシュートを導いたが、勢いあるボールは惜しくも左ポストに直撃した。
そして30分に勝負を大きく左右する出来事が……。アイエンがイサクセンをつかんで倒したために、2枚目のイエローカードで退場となった。
10人での戦いを強いられたソシエダは直後、2分間で2失点を喫してしまう。32分にイサクセンの折り返しからザッカーニにシュートを決められると、34分にはタバレスのクロスからカステジャーノスにヘディングシュートでネットを揺らされた。イマノル監督は36分、ブライス・メンデスをハビ・ロペスに代えてサイドバックを補充。流れ続けた血を止めて、それ以上の失点を許すことなく前半を終えた。
イマノル監督はさらにハーフタイムにも交代カードを切り、久保、スビメンディ、オヤルサバルとチームの柱と言える3選手を下げてエルストンド、マリン、バレネチェアを投入。その狙いは、はっきりしていた。この試合の敗戦は受け入れて、久保らをラ・リーガ次節ヘタフェ戦を見据えて温存。そしてELリーグフェーズ突破のためには得失点差も重要になることを踏まえ、守備時に5-4-0となる超守備的システムを敷いて、失点をできる限り防ぐことを目指したのだった。
実際的に、ソシエダは圧倒的なポゼッション率を記録するラツィオの攻勢を防ぎ続けた。そして82分には、リーグフェーズ突破のため大きな価値を持ち得る1ゴールも決めている。アランブルのクロスをマンダスがクリアし損ねると、バレネチェアがヘディングシュートを突き刺した。
試合は結局3-1で終了のホイッスル。ホームでの圧倒的強さを誇示したラツィオは、勝ち点を19として8位以内を確定させ、ELベスト16ストレートインを決めた。ソシエダは勝ち点10のままで18位に位置。8位FCSBに4ポイント差をつけられているためにストレートインの可能性が消滅し、リーグフェーズ最終節(PAOKと対戦)を24位以内で終えて、プレーオフからベスト16を目指すことになる。




