10日のラ・リーガ第13節、本拠地レアレ・アレナでのバルセロナ戦に1-0で勝利したレアル・ソシエダ。MF久保建英は強烈な存在感を放ったが、スペインメディアにとっても大々的に扱うべき選手だった。
久保はこのバルセロナとの大一番で、まるでリサイタルのように振る舞った。右サイドから縦に抜けてクロス、2人をかわして自らシュート、1人をかわしてから超精度のスルーパス、意表を突くロングフィード……FWジェラルド・ベッカーが決めた得点シーンにこそ絡まなかったものの、ほぼすべての決定機で重要な役割を果たして試合の流れを引き寄せた。それだけでなく献身的かつ激しく強度がある守備でもチームに貢献している。
そんな久保のことを、一般紙含めたスペイン最大紙『マルカ』も大きく取り上げている。普段からバルセロナの試合レポートを記すフェルナンド・カルネレロ氏は、今回のレポートの出だしで、次のように綴ったのだった。
「今季ラ・リーガで首位チームが2敗目を喫した。そのどちらもスペイン北部で(1敗目はオサスナ戦)。“ウィンター・イズ・カミング(冬来たる)”である」
「バルサはレアレ・アレナでラ・レアルに上回られた。ラ・レアルはタケ・クボの凄まじいパフォーマンスに乗じている」
「この日本人はセンセーショナルだった。ボールを持てばスピードに乗ったプレーを見せ、判断が賢く、イマノルのチームが勝利する上で決定的な存在だった」
「バルサの敗戦は招集外となったラミン・ヤマルの不在ではなく、とても激しいプレーを見せたチームを相手に意思の強さを持てなかったことに由来する。激しくプレーすることを忘れれば、屈辱を味わうスタジアムがあり、レアレ・アレナはまさにその一つなのだ」
試合レポートはその後も「クボのパスからスチッチが…」「ラ・レアルの攻撃はすべて凄まじきタケ・クボがいる右サイドを経由した。日本人はバルセロナDF陣を混乱に陥れ、何回も相手を抜いてからゴラッソを決めかけた超絶プレーもあった」「クボが再び好プレーを見せ、ベッカーに縦パスを出す」「クボはCKからもゴールに近づいた」と、限られた文字数で、終始日本人MFに言及している。また同紙の採点で、久保はチームメートのDFナイフ・アゲルドと並びこの試合最高点となる3点満点をつけられている。




