ZidaneGetty Images

レアル・マドリーでCL三連覇、ジダンが語る指導哲学「何よりも大切なのは自分を選手たち以上の存在と考えないこと。私にそのエゴはない」

フランス人指揮官ジネディーヌ・ジダン氏が、その指導哲学を語った。

レアル・マドリーの監督として、チャンピオンズリーグ(CL)三連覇という前人未到の偉業を達成したジダン氏。50歳の誕生日の節目にフランス『レキップ』とのインタビューに応じた同氏は、スター選手の指導方法について、次のように自論を展開している。

「私は選手たちのことを、自分自身がしてきた経験から助けていきたいと思っている。何より大切なのは、彼ら以上の存在になろうとしないこと。彼らの反感を買ってはいけないんだ。自分はそこに関してエゴがない。私はほかよりも上に立ちたい監督、選手たちを何人も見てきた」

以下に続く

ジダン氏はまた、CL三連覇が運によって達成されたことを否定している。

「チャンピオンズ優勝は運になり得ない。それは努力の成果だし、三連覇であればなおさらだ。私は狂ったように仕事に取り組んでいた。私の選手たちは私を信じてくれたし、私も彼らを信じていたんだよ。成功をつかんだときに驚きはなかった。私はすべてを出し尽くしたのだから」

その一方で、優勝する喜びが最も大きなタイトルが、CLよりリーグ戦であることを明かしている。

「チャンピオンズ優勝は素晴らしい。だが、より難しく素晴らしいのは、シーズンを終えたときにリーグ戦を勝ち取っていることにほかならない。チャンピオンズは栄誉ある大会で、多くの人が優勝を望んでいるが、リーグ戦の難しさと言ったら……。リーグ戦は日々の、各試合の、各練習の褒賞だ。(2017-18シーズンに)二冠を達成したのは凄まじかった」

ジダン氏はそのほか、自身の現役時代についても振り返る。ユヴェントスからレアル・マドリーに移籍する直前には、パーティーの席でフロレンティーノ・ペレス会長から「レアル・マドリーに来たいか?」とのメッセージを受け取って、「YES」と記したナプキンを渡したジダン氏だが、その出来事についてはこう述懐した。

「モナコでの授賞式で、大きなテーブルを囲ってディナーをしていたときだった。彼からメッセージが届いたんだ。私はナプキンに『YES』と書いて返答したけだが、いまだに自分でも意味が分かっていないんだ。なぜ、英語で『イエス』と書いたのかがね(笑)」

ジダン氏はレアル・マドリーで、背番号5のユニフォームを着てプレーした。

「フロレンティーノから唯一空いているのが5番だったと言われたから、問題ないよと返した。あの数字には大きな意味を持つことになったね。ユーヴェには5年間いて、レアルにも5年間いた。マドリーでは5回のチャンピオンズ優勝に関わることができたし、ホテルで5階の部屋に泊まったときにも優勝した。特別なことがいくつもあるよ」

ジダン氏がそのキャリアで初めてCLを勝ち取ったのは、マドリー加入シーズンの2001-02シーズン。決勝のレヴァークーゼン戦でCL、ひいてはフットボールの歴史に残る美麗なボレーシュートを決めて、自らビッグイヤーを手繰り寄せた。

「一番美しいシュートだった? 分からないが、そうかもしれない。重要なゴールの一つであることは確かだ。私はチャンピオンズにどうしても優勝したかった。ロベルト・カルロスのクロスは質が悪かったが、しかし最後には素晴らしいものとなった。そうして、私は人生で一回きりのプレーを見せたんだ。広告案件で、何度かあのプレーを再現しようと試みたんだが、一度もうまくいかなかった。あんなシュートは、一度として打ったことがなかったんだよ」

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