レアル・マドリーFWヴィニシウス・ジュニオールが、この冬にもクラブを退団する可能性が浮上している。スペイン『アス』が報じた。
16日のチャンピオンズリーグ・リーグフェーズ第1節、本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのマルセイユ戦に2-1で勝利したマドリーだが、この試合のスタメンからはヴィニシウスが外れ、代わりにFWロドリゴが先発した。シャビ・アロンソ監督が同様の采配を見せたのは今季5試合中2回目で、ヴィニシウスが“アンタッチャブル”な存在ではなくなったようだ。
シャビ・アロンソ監督はその後の記者会見で「昨日(マルセイユ戦翌日)はまだ彼と話すタイミングではなかった。だが今日は昨日と違って笑顔で、ポジティブな様子だったから少しだけ話をしたよ」と、ヴィニシウスが先発落ちにショックを受けていたことを認めていたが、『アス』によればブラジル代表FWは同指揮官に少なからず不満を抱えているという。
ヴィニシウスは、シャビ・アロンソ監督の要求通り「“ニュー・ヴィニシウス”として攻撃を犠牲にしながら、もっと守備に貢献している」にもかかわらず、完全なレギュラーとして扱われていないことに気持ちを損ねているようだ。
ヴィニシウスはまた、シャビ・アロンソ監督の自身の扱い方について、クラブとしてではなく同指揮官独自の方針と捉えている様子。だが『アス』は、それがマドリーとの契約延長交渉にも影響を及ぼす可能性を指摘する。
ヴィニシウスとマドリーは2027年まで結ぶ契約の延長交渉に取り組んできたが、クラブ・ワールドカップ直後から交渉は完全に停滞しているとされる。『アス』がコンタクトを取ったヴィニシウスの関係者曰く、同選手は新契約の条件を相当に引き下げながらも、マドリー側からの承認を得られていないという。関係者によれば「クラブが最初に提示した条件を引き上げるのと比べて、選手は(条件を引き下げるのに)5倍の努力をしてきた」そうだ。その一方でマドリー側は、シャビ・アロンソ監督が率いるチームにおいて、ヴィニシウスがこれまでのような重要な役割、つまりはエース級の存在ではなくなる可能性があるために、もう少し時間を置くことを望んでいるとみられる。
『アス』は「この“ヴィニシウス事件”の行く末は、今後の2〜3カ月が重要になる」との見解を示す。そしてシャビ・アロンソ監督がヴィニシウスの扱い方を変えなかったり、ベンチスタートを多くしたりするなどで、状況が悪化するような場合には、同選手がこの冬の移籍市場で退団を模索する可能性も否定できないようだ。
なおヴィニシウスは、サウジアラビアから破格オファーが提示されていたというが、すでにそのオファーはなくなっているという。そのほかプレミアリーグ勢や、かつて獲得報道があったPSGからのオファーも、現状は存在していないようだ。


